間もなくゴング! 4階級制覇王者vs.現役弁護士ファイター
34勝(24KO)4敗1分けで4階級を制した33歳のエイドリアン・ブローナーのカムバック戦が、今夜行われる。対戦相手は、弁護士事務所を2つ持つインテリ選手、ビル・ハッチンソン(34)だ。
ブローナーは147パウンド、ハッチンソンは145.5パウンドで前日計量をパスした。最終記者会見での両者の言葉をお届けしよう。
ブローナーは言った。
「エイドリアン・ブローナーとドン・キングが組んだなんて、深刻な問題だ。正直、キングとの関係に限界を感じている部分はある。俺は過去を見詰めてはいないが、これだけは言える。エイドリアン・ブローナーは再び世界チャンピオンになる。そしてそれは、ドン・キングとの契約において実現する。
人が俺を見る折、その背後にある何らかのトラブルを感じる筈だ。だから、将来俺は、ハッチンソンを雇うつもりだよ。俺はいつだって良い弁護士を選ぶからさ。彼は法廷で、俺のために戦ってくれるんじゃないか。
自分は長い間この仕事を続けてきたが、とにかく目の前のことに集中すべきだと気付いた。試合がなかなか決まらないとしても、ジムに通うことが大切だ。そうするとトラブルに巻き込まれず、仕事する時間が増える。だから、今、ここにいるんだ。
トレーニングキャンプは最高だったよ。実に充実していた。俺は伯父って呼んでいるが、トレーナーのケビン・カニンガムはとても激しい人だ。毎日、怒鳴られたり、罵られたりしている。彼は完璧主義者なんだな。これは新たなスタートじゃなく、すでに持っているものを取り戻すだけの作業だ。一度成功した俺なら、もう一度栄光を掴めると思っている。
今回以上に感情が高ぶることは無いね。目標に向かって集中する。ファイターだけが知る喜びがある。ボクシングは孤独なスポーツだ。毎日鏡を見て、"FUCK"と言わねばならない競技なんだ。近道はなく、やるべきことをやらねば何も成し得ないのさ」
20勝(9KO)2敗4分けのハッチンソンも語った。
「ご存知のように、私は弁護士資格を持っている。しかし、それ以前にファイターだ。ブローナーは試合当日、その事実を理解することになる。試合後の仕事の依頼はありがたいし、それについては後で話せばいい。でも、間違いなく私はリングで彼を下すために全力を尽くす。
ブローナーのパワーには対処しなければならない。彼は4度の世界王座に就いたファイターだ。それには理由がある。だから私も、そのレベルで立ち向かう。これまでの試合以上の自信がある。私たちのチームは周到な準備を重ねてきた。何をすべきかは分かっているので、リングで実行する。作戦を押し通すよ。
私は世界チャンピオンとのスパーリングをこなしてきたので、恐れることは無い。頭の中が真っ白になるようなことも無い。デヴィン・ヘイニーともスパーをし、互いに持てる力のすべてを出し切った。連日、6ラウンドずつこなした。
自分にはノックアウトする能力が両拳に備わっている。だから、ファイターとしてではなく、他の能力で私を宣伝するのは失礼だ。ブローナー陣営は、私にこのファイトの機会を与えたことが大きなミスだ。
私は勝つ確信があるからこそ、試合を受けたんだよ。ブローナーとドン・キングがテーブル上にお金を並べている写真を見た時、すぐにマネージャーにメールして、『試合を実現させてくれ』と言ったんだ。
13、14歳の頃、私はスパーリングパートナーを見つけるのに大変苦労した。トレーナーがジムに行き、大人の男性を見つけては、『誰かこの小さな白人の少年とスパーしてくれないか?』と頼んでいた。大人を相手にすることで、私は技術を向上させた。本当に長い間、戦ってきたんだ。
私にはブローナーを倒す策がある。一度に3発以上のコンビネーション、あるいはカウンターが打てる。私たちは彼を細かく研究してきた。是非、最高のコンディションを作ってきてほしい。ベストな状態のブローナーを倒したいからね」
さて、どんな戦いになるか。個人的にはピークを過ぎた元チャンプ以上に、弁護士ファイターの存在が気になる。間もなくゴングだ。