【河内長野市】河内長野最南端はどこ?調べてみると日本遺産・葛城修験ゆかりの場所だとわかりました。
河内長野は7割が山と言われていますね。そのため南の方は山ばかりの印象があります。山があると自然豊かで住み心地はいいのですが、その反面、他の自治体より山の中にある特定の場所に行くのが困難というデメリットがあります。
例えば東西南北の端に行こうとすると非常に困難です。富田林など他の自治体の場合は端っこなどは比較的行きやすいのですが、山に囲まれた河内長野の場合、北端を除くと山の中にあるので容易に行けません。
いちばん行きやすいのは河内長野の最北端。ここは国道が走っていて町が広がっています。さらにラーメン店やサイゼリアといったチェーン店もあるので、これらの飲食店に行けば、「河内長野最北端近くで食事をしました」ということが言えます。
その他は本当に難しいです。例えば河内長野最東端に行く場合。画像は奈良県境の金剛山トンネル横にある登山口ですが、ここから登山をしなければなりません。ちなみにここからは奈良、和歌山と県境を境にした行者杉に向かえるそうです。
地図上で調べると、行者杉からダイヤモンドトレールを金剛山方向に歩き、千早峠を越えて高谷山の手前、千早赤阪村との境付近になります。
なお最西端は、三国山というところだそうで、林道を歩いた山の奥にあるようで和泉市と和歌山県の境付近です。そこに行けば三国山航空塔やNHKの中継所などがあります。
では、南端には何があるのでしょう。普通は天見、岩湧山、滝畑ダム、光滝寺などを連想しますが地図を見ると違います。
地図を見ると岩湧山よりも南側に大滝のある千石谷があり、さらに南側には河内長野市の最高峰、南葛城山があります。また滝畑から南方向にのびている蔵王峠も非常に南端付近にありますが、最南端はさらに南側です。
最南端付近を拡大しました。地図で調べてみるとある日本遺産のスポットが最南端付近にあることがわかりました。それは葛城二十八宿第十三経塚で和歌山県のかつらぎ町との境界線付近にあります。
葛城二十八宿(かつらぎにじゅうはっしゅく)とは、役小角(行者)が法華経八巻の二十八品を埋納したとされる経塚のことで、友ヶ島から亀ヶ瀬まで28カ所あります。河内長野では5つ指定されています。
ちなみに今回地図で見つけた第十三経塚「向い多和 勧持品」は、葛城修験公式(外部リンク)では、和歌山県かつらぎ町東谷となっています。とはいえ、地図上では河内長野側にあり、さらに河内長野側から行けることがわかりましたので、最南端スポットを目指してみました。
今回はレンタカーを使いました。隣の和泉市からいったん和歌山県に入ってから河内長野最南端を目指します。
父鬼トンネルです。さらにこの先にある鍋谷トンネルを、抜けると和歌山県です。
和歌山県に入りました。ここまでは道は綺麗でしたが、途中から非常に道幅が狭くなります。
ちょうど串柿の郷と呼ばれるスポットでは柿を干す作業が始まったばかりです。
少し立ち止まりました。始まったばかりなのでまだ少ないですか、11月の今行くと、圧巻の姿なのだそうです。
河内長野との境の手前にある堀越癪観音(ほりこししゃくかんのん)の前には予約制のカレー屋さん鳥唄山馨(トリウタイヤマカオル)があります。またすぐ近くには、茅葺き茶屋月空さんもあります。
堀越癪観音前の見晴らしは最高です。標高が約650メートルあるそうです。
最南端に行く前に、堀越癪観音に参拝することにしました。像は修験道を開いた役小角(行者)です。葛城修験二十八宿行所のひとつとして、葛城修験の公式ページ(外部リンク)にも紹介されているので、この後に向かう第十三経塚と関係があります。
堀越癪観音は中には秘仏「本尊の十一面観世音菩薩」があるそうで、伝承では役小角が母の癪(しゃく)の病に祈願して一刀三礼のものに彫刻したと伝わるもの。そのために癪の病にとって霊験あらたかな観音として遠くからの参拝者が絶えないそうです。
茅葺の屋根は庫裡(くり)で、2022年に吹き替えられたそうです。
岩湧山を有する滝畑地域がすぐ北側にあるのが関係しているのでしようか?河内長野の、ボランティアガイドも滝畑と和歌山側との関係の話をしていたのを思い出します。
こちらに堀越癪観音の説明明書きがあります。
ちなみにここは金剛生駒紀泉国定公園なのだそうです。
掘越観音のすぐ近くにトイレ付きの休憩所があったので、そこに車を止めて河内長野最南端を目指します。
やがて道が別れているところに出ました。
別の角度から撮影しています。左下の道から上ってきています。
そしてこの辺りが河内長野との県境です。
ここには道標があります。地図上では三叉路ですが、地図では表示されない道がもうひとつあります。
立派な道標があります。地図にない山道は葛城修験第十三経塚への道です。七十メートル先とのこと。
ちなみにもうひとつの道は燈明岳に行く道です。
さて、第十三経塚のほうに行ってみましょう。
一本道なので迷うことはありません。
七十メートルにしては少し長く感じましたが、頂上が見えて来ました。
ここが日本遺産葛城修験第十三宿経塚です。河内長野と和歌山県かつらぎ町との境界線にある場所で、普通に訪問できる河内長野市の最南端といえるところ。
流谷のとき同様に立っている白い碑に「第十三経塚」と書いてあります。
下を見ると木の札が見えます。修験者が置いていくものでしょうか?
仏像代わり?石には大日如来と書いてあります。
ここにも経塚であることを示す石碑があります。七大龍王と金剛童子の名前が刻まれています。
周りを見渡しました。木々に覆われ何も見えません。役小角が法華経八巻二十八品を埋納場所とされるので、目立たないところを選んだのかも知れません。
ただ葛城修験の公式ページによれば燈明岳にあったものを移築したともあります。いずれにせよここが河内長野の最南端付近であることは間違いありません。なかなかいけないところですが、興味のある方は狭い道なので細心の注意を払って目指してみてください。
葛城修験第十三宿経塚 (河内長野最南端付近)
住所:大阪府河内長野市滝畑
アクセス:南海・近鉄河内長野市からバス 滝畑ダムバス停から徒歩2時間
掘越癪観音まで車、そこから徒歩10分
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