F-16戦闘機の受領を「ウクライナ空軍の日」に公式発表
8月4日は「ウクライナ空軍の日(毎年8月の第1日曜日)」です。その祝日にF-16戦闘機が受領されたことが公式発表されました。ロシアの侵略と戦うための自由の翼がようやく到着しました。そして既に実戦投入を開始しています。
ウクライナ空軍の発表した映像では機体番号は秘匿目的で修正されているのか確認できませんが、実際には整備などの運用管理のために機体固有の番号が書かれていると思われます。
※追記:ロイター通信の撮影した映像ではウクライナ空軍の2機の飛行するF-16戦闘機は垂直尾翼に機体番号「80-3596」と「80-3599」を確認できる。元デンマーク空軍のF-16AM。出典:Ukraine. August 4, 2024. REUTERS/Valentyn Ogirenko
※ただし、地上で展示されていた2機と、祝賀飛行していた2機が別の個体である可能性もある。
主翼に青色と黄色の丸型(ラウンデル)、垂直尾翼に青色と黄色の盾と三又槍(トライデント)のウクライナ軍の国籍マークが描かれています。装備は翼端から順に機体側に向かって、
- AIM-120B(中距離空対空ミサイル) ※模擬弾
- AIM-9L/M(短距離空対空ミサイル) ※実弾
- PIDS+(ミサイル警戒装置+チャフ/フレア・ディスペンサー内蔵パイロン)、ECIPS+(ミサイル警戒装置+電子妨害システム内蔵パイロン)
- 増槽(投下式燃料タンク)
これらを搭載した空対空装備です。PIDS+はベルギーのテルマ社が設計したもので、パイロンなのでこの下に更に別の兵装を吊り下げることも可能です。テルマ社にはECIPS+(ミサイル警戒装置+電子妨害システム内蔵パイロン)という製品もあり、1機の戦闘機の左右の主翼の片側にPIDS+、もう片側にECIPS+を積む運用ができます。
この装備形態からは当初は巡航ミサイルや長距離自爆ドローンを迎撃する比較的安全な後方の任務に就いていると考えられます。機体数が増えて実戦運用に慣れたころから脅威度の高い前線の任務(滑空爆弾の発射母機の排除など)にも投入されるでしょう。
主翼の国籍マーク
垂直尾翼の国籍マーク
丸形(ラウンデル)は世界各国共通でよく使われる形の国籍マークです。色はウクライナ国旗の配色に合わせています。青い盾に黄金の三又槍(トライデント、宇語ではトルィーズブ)はウクライナの国章です。
今年のウクライナ空軍の日の記念式典ではF-16、MiG-29、Su-27の三機種の戦闘機が祝賀飛行しています。