ロシアのステルス無人攻撃機S-70オホートニクがウクライナで墜落、実戦で試験投入中に迷走し撃墜処分か
10月5日にロシアとウクライナの激戦が続くドネツク州でロシア軍機が墜落しました。それは当初はSu-25攻撃機が僚機に撃墜された友軍誤射のように見えましたが、実際には墜落していく機体の形状や地表激突後の残骸の特徴から、ロシア最新鋭のステルス無人攻撃機S-70オホートニク(С-70 «Охотник»)であるらしいことが判明しています。戦闘機並みの大きさの大型ドローンで、S-70は開発しているスホーイの社内名称です。オホートニクはロシア語で「狩猟者」の意味です。
するとこれはロシア軍の誤射ではなく、実戦で試験投入していた最新鋭のステルス無人攻撃機が制御不能になりウクライナ支配領域に向って行ってしまったので、止むを得ず友軍戦闘機の空対空ミサイルで撃墜処分を行った可能性があります。もしかするとウクライナ側の電子戦システムの電波妨害で制御不能に陥ったのかもしれません。ステルス無人攻撃機であるS-70オホートニクの僚機ということは、撃墜処分を行ったのはステルス有人戦闘機のSu-57であると思われます。
墜落地点はウクライナ側支配領域の東部ドネツク州コスティアンティニウカです。ロシア軍の重要機密兵器の残骸がウクライナ軍により回収されて、アメリカ軍に調査解析されてしまうことになります。
当初ロシア軍の友軍誤射と思われていた映像
※墜落していく機体の形状からS-70オホートニクと判明
※墜落機とS-70オホートニクの比較:主翼の片側が脱落 関連記事:ロシアのステルス無人攻撃機「オホートニク」が初飛行(2019年8月7日)
※空対空ミサイル被弾で脱落した損傷個所を推定(赤線)
※墜落機の残骸の比較(1枚目のみ試験機)
※残骸の翼端(動翼は脱落した状態)の形状がS-70オホートニクと一致。
S-70オホートニクの実機の初公開は2018年6月、初飛行は2019年8月、2021年12月に改良型のステルス性を高めたフラットなノズル形状を持つ2号機がロールアウトしています。今回の墜落機は2号機以降の改良型のように見えます。