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「金属容器」「密閉容器」で破裂事故も!洗剤の詰替え時の注意点

平島利恵洗濯研究家
洗剤を安易に市販容器に詰替えるのは、実は危険なんです

洗濯研究家の平島 利恵です。
SNSなどで、洗剤をおしゃれな容器に入れ替えている方を見ると、真似したくなりますよね!でもその容器、本当に洗剤・漂白剤の保管に適している容器でしょうか?

洗剤や柔軟剤のパッケージに「本体容器に詰替えください」と書かれているのにはちゃんと理由があるんです。

洗剤は、変質・劣化や容器の破損がないよう、安全にも配慮された専用容器に入れて販売されています。小分けや保管のために専用容器以外に詰替えると、素材によっては洗剤の劣化だけでなく、破裂などの事故を引き起こすリスクもあります。

【金属容器】腐食・破裂のリスク

オシャレだから‥と安易に詰替えると事故の元に
オシャレだから‥と安易に詰替えると事故の元に

洗剤・漂白剤を金属容器に入れると、化学反応により腐食して漏れたり、破裂する恐れがあります。洗剤・酸素系漂白剤に金属容器は厳禁です。
特に酸素系漂白剤は、ステンレス以外の金属と化学反応します。また、強アルカリ洗剤を缶の中に密閉して保管すると、破裂のリスクが高まります。

アルミ缶の場合
アルカリ性洗剤・酸性洗剤・酸素系漂白剤はNG

スチール缶の場合
酸性洗剤・酸素系漂白剤はNG

過去には破裂事故も発生

令和5年5月、アルミ製の飲料容器に強アルカリ性洗剤を入れたことにより、駅構内でアルミ缶が破裂し、複数のけが人が出る事故も発生しています。

出典:東京消防庁「身近にある洗剤の事故に注意」

https://www.tfd.metro.tokyo.lg.jp/lfe/topics/nichijou/detergent/index.html

【密閉容器】破裂のリスク

酸素系漂白剤からは酸素が発生します
酸素系漂白剤からは酸素が発生します

酸素系漂白剤は、粉の状態でも少量の酸素が発生しています。そのため、市販の袋にはエアー抜きの穴が開いています。
ガラスやペットボトルなどの密閉容器に詰替えすると、時間の経過とともに酸素が発生し、蓋を開けた際に中身が飛び散ったり、容器が破裂したりする恐れがあります。

事故を防ぐ!洗剤を詰替える際の注意点

違う液性の洗剤を入れない

塩素系の漂白剤が入っていた容器に、酸性の洗剤を詰め替えてしまうと、有毒ガスが発生します。異なる液性のものを同じ容器に詰め替えるのはやめましょう。

飲料・食品の容器は代用しない

飲料・食品の容器を代用すると、ご家族が誤って食べたり飲んだりしてしまう恐れがあります。洗剤は洗剤と分かる容器に入れ、お子様や認知症の方の手の届かないところに保管しましょう。

市販容器への詰替えには注意が必要

洗剤容器は消費者に不便がないよう、メーカーが洗剤に合わせて開発しているケースがほとんどです。
洗剤の粘度・成分を考慮したり、劣化を防ぐ遮光性の素材を選んだり、使用量の適量が出るよう配慮されています。

いざという時の安全のためにも

洗剤を安全に使うためにも本体容器の使用がおすすめです
洗剤を安全に使うためにも本体容器の使用がおすすめです

洗剤の容器はただの容器ではなく、使用上の注意事項や目に入った等のトラブルの対処法も記載されています。

おしゃれな市販容器は魅力的ですが、洗剤の品質を保ち、安全に正しく使うという点では、本体容器を使用するのがおすすめです。

詰替えをする際は特に、「金属製」「密閉容器」を使用しないよう、注意しましょう。

洗濯研究家

2004年武庫川女子大学を卒業。株式会社リクルートに入社し、株式会社マクロミルへ転職。東日本大震災をきっかけに布おむつ専門店を立ち上げ、EC事業を展開。2013~2015年NY在住中に揉み洗い不要のつけ置き洗剤の着想を得て帰国し、洗濯洗剤と布ナプキンプランド"Rinenna"を展開。現在、洗濯研究家として「洗濯の正攻法を伝授する」ことを自身のミッションに掲げる。TV、雑誌等のメディアへの出演多数。四児の母。クリーニング師。

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