立冬を境に記録的な暑さの終焉、今週末の雨を境にほぼ平年並みの晩秋の気温へ
今年の暑さ
記録的な暑さが続いていた今年ですが、9月23日の彼岸の中日(秋分の日)の頃から真夏日が大きく減り、10月に入ると夏日も大きく減っています(図1)。
10月下旬になると、最低気温が0度未満という冬日を観測する地点が増え、夏日を上回る日も出てきましたが、10月25日以降は再び夏日を下回りました。
そして、11月に入るとこの時季としては記録的な暖かさとなり、各地で暑さに関する記録を更新しています。
11月6日には、発達中の低気圧が朝鮮半島付近にあって東北東へ進んだことから、日本列島には南から暖気が流入しました。
このため、各地で気温が上昇し、沖縄県・宮城島で最高気温が31.3度となるなど、沖縄県の3地点(気温を観測している全国914地点の約0.3パーセント)で、最高気温が30度以上の真夏日となりました。
また、最高気温が25度以上の夏日を観測したのが299地点(約33パーセント)と、この時季としては記録的な暑さとなりました(図1)。
翌7日は、低気圧と寒冷前線の通過による雨で、ほぼ全国的に平年並みの気温となり、夏日を観測したのが81地点(約8.9パーセント)となりましたが、南下した寒気が弱く東京では、今年143日目の夏日となりました(表1)。
東京では、最高気温35度以上の猛暑日、30度以上の真夏日、最低気温25度以上の熱帯夜と、暑さに関する指標がすべて最多となっていますが、最早、最遅記録は更新していませんので、暑い期間が集中していた年といえます(表2)。
11月7日の夏日は、遅い夏日の4位になりますが、今後の気温予想から見ても遅い夏日の記録更新はなさそうです。
立冬と冬の気配
11月8日は立冬で、冬の気配が立ち始める頃とされています。
大きな移動性高気圧におおわれ、北~東日本の日本海側では雲が広がりやすく、所によりにわか雨があるものの、その他の地域は晴れる所が多くなっています(タイトル画像)。
日射により、最高気温は、全国的に平年並みか平年よりやや高くなり、冬の気配はありませんが、これまでの高温傾向が続いていたことから、立冬でこの時季らしい温度に下がったということもできます。
ただ、9日~10日にかけて、中国東北区の低気圧が発達しながら、北日本を通過する見込みです(図2)。
そして、ほぼ全国的に雨となる11月10日(金)以後は、この時季としては強い寒気が南下して気温が下がり、数日遅れで冬の気配が立ち始めそうです。
強い寒気の南下
寒気の強さを示すのに、上空約5500メートルの気温が使われます。
上空約5500メートルで氷点下30度なら平地でも雪の可能性があり、氷点下36度なら大雪の可能性があるからです。
週末から週明けの上空約5500メートルの気温分布予想をみると、11月12日(日)には、氷点下36度以下の領域が北海道北部に、氷点下30度以下の領域が津軽海峡付近にまで南下してくる見込みです(図3)。
このため、今週末から明けにかけて最高気温は平年を大きく下回る見込みです。
各地から初雪や初氷、初冠雪などの冬の便りが届くと思われます。
ただ、最低気温は、これまで暖かい日が続いていたこともあり、下がって平年並みの所が多そうです。
札幌の最高気温と最低気温の推移をみると、ともに週末は気温が平年を下回りますが、来週の週明け以降は、気温はほぼ平年並みに上がりそうです(図4)。
ただ、これまでの暑さの感覚から、平年並みであっても、非常に寒くなったと感じられると思います。
東京の最高気温は来週の週明け以降は、気温が上がって平年より高めに経過しますが、最低気温はほぼ平年並みで推移しそうです(図5)。
札幌と同じく、これまでの暑さの感覚から、平年並みであっても、非常に寒くなったと感じられると思います。
記録的な暑さの年でしたが、立冬を境に記録的な暑さも終焉し、今週末の雨を境に晩秋の気温へと、冬に向かって遅ればせながら進んでいます。
立冬の次は、小雪(しょうせつ:雪が降り始める頃で、今年は11月22日)、大雪(たいせつ:雪が盛んに降りだす頃で、今年は12月7日)、冬至(とうじ:太陽高度が一番低くなる冬の真っただ中で、今年は12月22日)と続きます。
タイトル画像、図3の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:ウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
図2の出典:気象庁ホームページ。
図4、図5の出典:気象庁ホームページとウェザーマップ提供資料をもとに筆者作成。
表1、表2の出典:気象庁ホームページをもとに筆者作成。