Yahoo!ニュース

九州アジアリーグ開幕戦は水入りも、水前寺清子さん熱唱。神対応の「三百六十五歩のマーチ」に拍手喝采

田尻耕太郎スポーツライター
「365歩のマーチ」を熱唱する水前寺清子さん(筆者撮影)

 九州に新設されたプロ野球独立リーグ「九州アジアリーグ」の記念すべき開幕試合「火の国サラマンダーズ対大分B-リングス」が3月20日、熊本市のリブワーク藤崎台球場で行われる予定だった。だが、あいにくの空模様。時折激しく降る雨がなかなか止まず、さらにグラウンドコンディションの回復も見込めなかったためにプレーボール約1時間半前に試合中止という苦渋の決断が下された。

悪天候も多くのファン。セレモニーのみ実施

 しかし、この悪天候にもかかわらず開場前から球場外には行列がつくられ、独立リーグとはいえプロ野球チームが地元に誕生することを楽しみにしていた熊本の野球ファンが大勢いた。

 そこでリーグ開幕セレモニーだけは実施。国歌独唱には熊本出身で大物歌手の水前寺清子さんが登場し、力強く歌い上げた。

「三百六十五歩のマーチ」は台本になかった

 事前に報道陣に知らされていた予定台本によれば、水前寺清子さんの出番は国歌独唱のみだった。だが、少し時間を置いた後に火の国サラマンダーズのユニフォームに身を包んで再度グラウンドに現れた。雨粒が落ちる中、代表曲の「三百六十五歩のマーチ」を熱唱。スタンドからは温かい感謝の拍手が降り注いだ。

火の国サラマンダーズの細川亨監督(筆者撮影)
火の国サラマンダーズの細川亨監督(筆者撮影)

 火の国サラマンダーズを率いる元西武、ソフトバンクなどでプレーした細川亨監督は「ずっとスマホで雨雲の動きをチェックしていたんですけどね。ここまで来るのに多くの方の尽力があったので」と残念がった。ただ、雨の中でたくさんのファンが球場に詰めかけたことに感謝と感動をし、「元気と勇気を野球で熊本や九州に届けるのが、火の国サラマンダーズの使命だと思っています。選手たちは今できるプレーをする中で、次につながる試合をしていってほしい」と話した。

 仕切り直しとなるリーグ開幕試合は21日、同じくリブワーク藤崎台球場で午後1時プレーボールで行われる予定だ。

 また、まずは火の国サラマンダーズと大分B―リングスの2球団のみで始動する九州アジアリーグだが、同リーグの田中敏弘代表理事はすでに新規参入球団と交渉を進めていることを報道陣に明かし、「来季は4球団でリーグ戦を行えれば」と展望も語った。早ければ4月中にも進捗状況が明らかになる模様だ。

スポーツライター

1978年8月18日生まれ、熊本市出身。法政大学在学時に「スポーツ法政新聞」に所属しマスコミの世界を志す。卒業後、2年半のホークス球団誌編集者を経てフリーに。現在は「Number web」「文春野球」「NewsPicks」にて連載。ホークス球団公式サイトへの寄稿や、デイリースポーツ新聞社特約記者も務める。また、毎年1月には千賀(ソフトバンク)ら数多くのプロ野球選手をはじめソフトボールの上野由岐子投手が参加する「鴻江スポーツアカデミー」合宿の運営サポートをライフワークとしている。2020年は上野投手、菅野投手(巨人)、千賀投手が顔を揃えた。

田尻耕太郎の最近の記事