子どもに「好きなモノを大切にすること」を教え続けて10年後の結果
小中高の4人の子どもを育てています。私が片づけの仕事をはじめて10年、そこまで熱心ではないですが、我が子へ片づけの方法と大切さは教えてきました。
先日、長男(中3)から部屋を整えたので見てほしいと言われ、見に行きました。
ベッドに家のどこかから持ってきた物干し竿をかけ、お気に入りの洋服をかけたそうです。
機能的には100点満点ではないが、当の本人の気持ちは…
私が真っ先に思ったのは、
クローゼットは近くにあり、まだスペースにも空きがあるのに…
ベッドの脇にそんなに服を掛けたら寝る時に邪魔ではないか、
ベッドまでエアコンの風が届かないのではないか?
スペースや機能性を考えると、もっといい方法があるはずなのですが、当の本人はお気に入りの服を目に見えるところにかけることができて大満足のようです。
長男の机の上は、散らかっていることがほとんどですが、自分の身の回りを自分の好きなように整えるのは楽しいようです。
これは他の子どもにも言えることでしょう。自分の好きなように整えたらキレイな状態をキープしたくなります。
片づけバトルを繰り返した長男と私
長男は、4,5歳頃工作が大好きでよく作品の片づけをめぐってケンカをしていました。
毎日のように増え続ける長男の作品を見て私は、
「いる?いらない?」
「もう、これいらないよね?」
「一個作るなら、一個捨ててからにしてよ」
という言葉を長男にかけると「全部いる!」と怒り、癇癪を起こす長男に困り果てていました。
そんな時にふと思いついたのが、長男にたくさんある作品の中から好きなモノを教えてもらうこと。
「自分の好き」を考える作品選抜総選挙
作品選抜総選挙と名前を付け、
作品選抜総選挙してみようよ!
この作品の中で、一番好きなモノを教えて!
カッコイイ順に並べてみようよ
と声をかけると、嬉しそうに作品への思いを話し悩みながら、長男が考えるカッコイイ順に並べてくれました。
しかし、下の順位の作品はもう捨てよう!と言ったら、「イヤだ!全部いる!」とかたくなに拒否。
そこで、「じゃあ、カッコイイランキング10位までの作品を残そう、そうすると作品ボックスが、カッコイイ剣ばかりになるよね」と私が声をかけたことが、自分にとって大切なモノを大切にするという片づけのスタートです。
それから、おもちゃが増えたり、服が増えたら総選挙と言う名のランキング付けを何度かすると、今ではランキングを付けなくても残したい大切なモノを選べるようになっています。
片づけとは、自分にとって大切なモノを大切にすること
現在中3になった長男の部屋を整えた様子を知った人から、「すごいです!」と声をいただいたのですが、
うちの長男が特別すごいわけではなく、「自分の好きなモノはちゃんと管理したい」と思っているということでしょう。それ以外は、普通の反抗期の中学生です。
だけど、たとえめんどうくさがり屋でも、机の上は汚くても、「自分の好き」を大切にするのは楽しいのです。
私は子どもに、「片づけとは、自分にとって大切なモノを大切にすること」と伝えてきました。
これからも、子どもは成長するにつれ色々なモノとの出会いがあるでしょう。
その時々に、自分にとって大切なモノを選び、管理することを繰り返し、自分らしい暮らしを作ることを楽しんでほしいと願っています。
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選ぶ暮らしラボ 藤原友子(ふじわらゆうこ)
1975年生まれ 大分県在住 結婚後片づけを始める。2012年整理収納アドバイザー1級。CTB生放送102回9年間出演。セミナー回数100回、受講生2000人以上で片づけの概念が変わると高い評価を受けている。
長男との片づけバトルを通して好きなモノを「選ぶ」ことが片づけには大事だと気づき「選ぶ」ことを活動の軸とするが、どうしても収納道具やテクニックに解決を求め、多くの情報やSNS上の一見素敵に見える誰かの暮らしに翻弄され自信を無くしたり諦めたりする人が多いことを痛感。
現在は片づけに興味があるなし関係なく、自分の人生をよりよくしたい人向けに、モノを選び残す楽しさと選ぶことにより暮らしが充実することを発信し、人それぞれが「自分の選ぶ」を楽しむ時代を作るため活動の幅を広げている。
二男二女の母で「いつもキレイではないが、すぐに片づく家」で暮らしている。著書『片づけられない主婦と片づけ嫌いの子どもを180度変える本』