反時計回りのザックジャパンの中で生きる選手とは
正確なデータがあるわけではない。しかし3年と数ヶ月間、スタンドの上階から数十試合、ザックジャパンを眺めてきた結果、イメージとして鮮明に浮かび上がるものがある。ピッチの上に描かれるデザインの傾向だ。
一言でいえば、右回り。フィールドプレイヤー10人それぞれの動きをベクトルで表せば、全体図として、反時計回りに渦を巻くような流れが見て取れる。
本田を除く全員が右利き。そしてその本田は、左ではなく真ん中に位置するうえに、見るからに左利きというボール操作をしない。抜けた力の持ち主ではあるが、反時計回りの流れにインパクトを与えているわけではない。
反時計回りでイメージするのはホッケー。アイスホッケーより、ピッチサイズがサッカーに近いフィールドホッケーの方がよりわかりやすいのだけれど、この競技も右回りだ。人間は9人に1人が右利きと言われる。ピッチ上に左利きがいる割合は平均1人。残るフィールドプレイヤー9人は右利きという計算になる。
そのうえ、彼らはスティックを持っている。10人中9人がそれを右手で操作する。前に進むときには、それを身体の正面より右側において、サッカーで言うところのインサイドのように開き気味にしながら、押し出すように操作する。右利きは、よりデフォルメされる。
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