3階級王者リナレスが一撃KO勝利 メインのガルシアもKO勝利で両者激突か
2月14日(日本時間15日)アメリカのアナハイムホンダ・センターで元3階級制覇王者ホルヘ・リナレス(34=帝拳)が元世界ランカーのカルロス・モラレス(メキシコ)と戦った。
試合はライト級12回戦。リナレスは米国再起戦となった。
ワンパンチで決める
序盤からリナレスが高速ジャブでペースを握る。ジャブを上下に打ち分け、コンビネーションが効果的に決まっていた。
モラレスはパワーを発揮するために近距離に持ち込みアッパーなどを打ってくるが、リナレスのプレッシャーにおされ後ずさりしていた。
第3Rの終盤には、リナレスのショートの右がヒットしてモラレスがダウン。リナレスが完全にペースを掌握した。
そして第4R。リナレスがジャブを下に見せてから放った右ストレートが、モラレスの顔面に直撃。
モラレスは崩れ落ちるようにダウン。そのまま立ち上がれずリナレスのKO勝利となった。
高速ジャブからの返しのストレートは序盤から狙っていたようで、狙い通りのパンチで試合を決めた。
リナレスは試合後に「今回の試合は練習通りで、プレッシャーを与え続けて左で削っていくことを課題としていた。序盤からそれが出来て安心した」と話していた。
期待のホープガルシア
メインイベントのWBCライト級シルバータイトルマッチでは、
メキシコのスター選手ライアン・ガルシアが、フランシスコ・フォンセカ(ニカラグア)と戦った。
ガルシアは今もっともボクシング界で期待されている選手で、インスタグラムのフォロワー数は500万人を超える人気ボクサーだ。
この日もガルシアを一目みようとたくさんのファンが押し寄せた。
試合では、スピードを武器とするガルシアが、左ガードを下げながら高速のジャブをついてフォンセカを下がらせていく。
うまく距離感を保ちながら、相手の入り側に左フックを見せて警戒させる。
第1R中盤には、フォンセカがワンツーを放ったところにガルシアの左フックが直撃。
絶妙なタイミングで入り、フォンセカがダウン。身動きが取れない状態となりレフリーが試合をストップ。
序盤で試合を決め圧巻のパフォーマンスをみせた。
試合後のハイライトのスロー映像を見ると、ファンセカのワンツーに対して左フックを合わせている。
これは非常に高度な技術がなければできない。スピードが特徴のガルシアだが、この試合で技術の高さも証明した。
激戦のライト級
今回の試合に勝利したガルシアとリナレスは、以前から対戦を熱望し、SNSでも互いに挑発し合っている。
このダブルメインイベントも、近い将来の対戦を見越してのマッチメイクだったといえる。
お互い快勝だったため、早ければ5月頃に対戦が決まるのではないかとの話も出ている。
彼らが主戦場とするライト級は非常に激戦で、以下の王者達が君臨している。
WBO&WBA(スーパー)&WBC(フランチャイズ)王者 ワシル・ロマチェンコ
WBAレギュラー王者 ガーボンタ・デービス
WBC休養王者 デヴィン・ヘイニー
IBF王者 テオフィモ・ロペス
絶対王者としてトップにいるのは、現役最強王者といわれるロマチェンコだ。
3団体統一王者のロマチェンコとIBF王者のロペスは、5月頃に4団体統一戦が計画されている。
そして、リナレスとガルシアの対戦が決まれば更に盛り上がる。
両者をサポートしているゴールデンプロモーションのオスカー・デラホーヤ氏も、春から夏にかけて両者を対戦させる計画を進めているようだ。
この試合で勝利した方が、タイトル挑戦へと大きなチャンスを掴む。
リナレスは現在34歳。昨年はKO負けもあり苦しい一年となったが、今回の試合を見てもまだまだトップ戦線に絡んでいく実力はある。
私はリナレスと同じジムで練習をしていたが、他のボクサーのお手本となるような素晴らしい選手だった。
キャリア終盤となってきたが、ぜひ世界王座に返り咲いてほしい。
タレント揃いのライト級を盛り上げてくれるリナレスの今後の活躍に期待したい。