仕事において「爆発力」を発揮させる3つの条件
「爆発力」という言葉があります。スポーツの世界で使うなら、まだ何となく理解できますが、ビジネスの世界でも使うことがあります。
「君にはもうちょっと爆発力をつけてもらいたい」
「来期こそは、持ち前の爆発力に期待したいね」
……こんな感じで使います。
数字で表現すると、現在が「10」ぐらいの力で仕事をしているのを「13」とか「17」ぐらいに変化させたところで「爆発力を発揮した」とは言わないでしょう。「10」の力が「60」とか、それこそ「100」ぐらいになって、「あいつもようやく爆発したな」と言えるはずです。
それではどうすれば爆発できるのでしょうか?
爆発とは、ある条件下において瞬間的に燃焼することです。ビジネスの世界で「爆発」をイメージしやすいのが「エンジン」。ガソリンなどの燃料が燃焼してピストンを押し、その勢いでタイヤに動力を伝える役割を担っています。
ここでポイントとなってくるのが「シリンダー」です。シリンダーは爆発を受け止めるための燃焼室。シリンダーそのものが強固であるからこそ、タイヤにパワーが伝わります。しかし、もしシリンダーが脆弱であったら、どうでしょう。燃料が爆発したあと、エンジンが壊れるだけで動力がタイヤに伝わることはありません。ビジネスにおいて、爆発だけするのであれば意味がないのです。爆発力を使って、圧倒的な量とかスピードで仕事を前に進めなければなりません。
たまに、やたらと燃えている人がいます。誰かの影響なのか、何かに感化されたのか、体の中の燃料が点火し、爆発したのでしょう。しかし単に爆発しているだけで、いっこうに前へ進まない人もいます。「やる気はある」「燃えている」にもかかわらず、全然新しい行動を起こすことができない。何もスタートさせることができないのです。
こういう人は、逃げ場を作っている人です。心の中で燃えるものがあっても、逃げ場があるので正しく動力が伝わらないのです。
そういうときは、自分をシリンダーに入れてしまえばいいでしょう。堅牢な燃焼室に入るために、逃げ場をなくすのです。逃げ場をなくし、どうにもならないほどに追い込まれたら、もう行動するしかありません。体の内側で爆発しているわけですから、どこかにその動力は確実に伝わるのです。
逃げ場をなくための制限は3種類あります。
■ 時間的制限
■ 空間的制限
■ ネットワーク的制限
決められた時間の中で、決められた空間の中で、ネットワークの繋がらない中で仕事をする。この条件の揃った環境が、爆発力を発揮するためのシリンダー的存在になるはずです。
出入り自由な場所で、自由な時間に、ネットワークも繋ぎ放題で仕事をしていたら、とても「爆発力」など発揮できません。そんな場所で集中して、圧倒的な仕事量をこなそうとするなら、それこそ本人の意欲に頼るしかありません。テクニックもノウハウもへったくれもない。「意識を集中して頑張ってやれ」というアドバイスしかなくなってしまいます。しかしそれでは「爆発力」を発揮できないのです、ほとんどの人は。
ビジネスの世界で何らかの「爆発力」を発揮したい、と思うなら前述した3つの制限をかけていきましょう。逃げ場をなくすのです。自由な働き方に注目が集まる昨今、それとは逆行した発想で自分を追い込んでみましょう。