災害時、仮設トイレ設置まで4日以上! 専門家が教える救世主『折りたたみポータブルトイレ』活用法
災害時のトイレ事情にはこんな現実があります
大きな災害が発生したとき、最初に困るのは「トイレ問題」です。水道が止まり、普段使っている水洗トイレが使えなくなると、衛生環境が悪化し健康被害につながる可能性があります。特に一番最初に必要となる生理現象「トイレの不備」は深刻なストレス要因になります。
仮設トイレまで4日我慢できますか?
調査によると、災害時に仮設トイレが設置されるまでに4日以上かかるケースが9割以上にのぼります。しかも仮設トイレの多くは和便器で、足腰の弱い高齢者や体力のない方には使いづらいことも。
さらに、近年は在宅避難の考え方も増えていますが、災害時に使える家庭用の防災トイレを準備している家庭はわずか22%というデータもあります。これでは「備えあれば憂いなし」とはいえませんね。
参照:内閣府資料
*NPO法人日本トイレ研究所発表の「能登半島地震におけるトイレの課題と対策」
*一般社団法人日本トイレ協会「災害時用トイレの備蓄に対する調査報告書2023」
簡単に使える防災ポータブルトイレが解決策
ここでおすすめしたいのが、折りたたみ式防災トイレ、家庭用でも使える「簡易ポータブルトイレ」です。
折りたたみ式で、簡単に組み立てられるため、家庭でも備蓄しやすく、力のない高齢者の方でも使いやすいのがありがたいですね。
簡易のポータブルトイレでは段ボール製もありますが、紙素材は座った重さや湿度、汚れで便座の耐久性に不安が残るので、できればプラスチック素材などがお勧めです。
災害用に準備する場合は、小さく折りたためて収納に幅の取らないものが便利です。
では、ポータブルトイレの組み立て方を見たことがない方のために、今回は「簡易ポータブルトイレ」を使って実際に設置して見ましょう。
組み立て手順と特徴
1. 箱を開ける
まずは防災トイレの箱を開けて中身を確認します。
便座、本体、補強板、ゴミ袋、凝固剤などがセットされています。
2. 設置方法を調べる
感覚で組み立てられるくらい簡単に作られてはいますが、初めての方は裏の設置方法を確認すると安心ですね。
3. 組み立てる
ポータブルトイレの便器部分です。
開いてから、補強版を下に押して完成。
開いてからここまで1分かかりません!簡単ですね。
4. ゴミ袋を挿入
付属の専用袋を取り付ければ準備完了。
あとは上に便座を乗せるだけです。
5. 完成
あっというまに設置できました。
完成した防災トイレは見た目もシンプルで機能的。
ちなみにこちらは150キロの体重まで支えることができる仕様です。
補足1衛生面もカバーする工夫
さて、ここで危機管理アドバイザーから補足しましょう!
災害時、リアルに使用する場合には床にビニールシートを敷いたり、便器の中にあらかじめゴミ袋を追加しておくことで、より衛生的に使用可能です。
今回はブルーシートの上にゴミ袋を敷きました。
さらに便器部分にあらかじめ、手持ちのゴミ袋をかぶせてから、この上にポリ袋と便座をセットすることで、万が一糞尿などが漏れた時に素早く手入れができるのでおすすめです。
今回のポータブルトイレはプラスチック製で洗い流せるので、本当にいざという時は洗い流せば大丈夫ですが、特に段ボール式のポータブルトイレの場合は濡れたら紙が水を吸い、早急に使えなくなる可能性が高いので、糞尿の漏れ対策は出来るだけ準備して欲しいポイントですよ。
さて、災害時トイレを使い終わった後に入れる粉、凝固剤の必要性を試しましょう。
水に凝固剤の粉を入れて実験します。今回は見えやすいように透明な袋を使います。
入れたお水は500cc
水に凝固剤を入れて30秒から1分ほどでゼリー状の固形になります。
このように固まる事で、回収しやすくなるとともに、糞尿の漏れや飛び散りを防ぎ、汚れや感染症対策などにも役立つのです。
(ただしウィルスなどが完全に閉じ込められるわけではないのでご注意を)
1人1回分。災害時、使用後は凝固剤を入れて固まったら、自分で袋をしっかり縛って片づける、次の方がストレスなく使用できるようにしておきましょう。
また、長期の避難を想定して凝固剤とポリ袋がセットの物を追加で準備しておくとよいでしょう。
補足2目隠しやポンチョがない場合
災害時には仮設トイレの設置が追い付かず、簡易トイレを使用した時、目隠しもなく、人同士でバリケードを作って見えないように用を足したという話を何度か耳にしました。
今の生活ではありえない事も、大きな災害時には現実になります。
大きな災害時テントやポンチョがない場合、人の目が気になる場合はあくまでも緊急対策ですが、ゴムの長いスカートはポンチョ代わりになるので、備蓄に追加しておくと便利です。
災害に備えてポータブルトイレは必要か?
いかがでしたか?今回ご紹介したのは、災害時に役立つ、簡単に組み立てられるポータブルトイレと活用法です。個人的には「洗い流せる」濡れたら使えなくなる紙ではない素材であることも重要だと思っています。
避難所の仮設トイレが設置まで4日かかったという設置問題も大切ですが、家庭用の在宅避難の備蓄も大切。
家庭では、ポータブル便座を使用せずにポリ袋を便器に直接取り付けることも可能です。
もちろん、まずはそこから始めていただいても大丈夫です。
ただし、災害後、トイレが詰まってしまい汚水があふれ出たり、すでに汚れてしまっている場合はその上にカバーをかけて使用することはできません。いざという時のためにポータブルの便座があると心強いと思います。
また、高齢者が体調を崩した時や、感染症で部屋からあまり出ないようにしたい場合も活用できますので、折りたたみ式で洗い流せるタイプのポータブルトイレがあると安心ですね。
防災グッズは非常食や懐中電灯なども大切ですが、災害時、一番最初に困る生理現象はトイレ。備蓄について考える時、そのことを念頭に入れておいていただきたいと思います。
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商品提供 株式会社サンコー「簡易ポータブルトイレ」