高級レストランと人気ラーメン店によるあり得ないコラボレーションとは?
人気レストランと人気ラーメン店が初のコラボレーション
8月25日より27日まで、表参道で「シンガポール:インサイド・アウト(SG:IO)2017東京展」というイベントが開催されている。このイベントはシンガポール政府観光局が主催するもので、さまざまな分野で活躍するシンガポールの一流アーティストを世界に紹介する実験的ショーケースイベント。2015年にロンドン、北京、ニューヨークで開催されたイベントが、今年日本に初上陸となった。
このイベントの特別企画として、日本のレストランによる「パートナーイベント」も多数展開されており、「ラ・ロシェル」「フロリレージュ」などのフレンチレストランをはじめ、「天丼てんや」「ドミニクアンセルベーカリー」など様々なジャンルの店が、シンガポールをテーマにした料理を提供している。
その中で、シンガポールの老舗高級レストラン「CHATTER BOX」と人気ラーメン店「一風堂」が初となるコラボレーションを果たし、8月25日より27日まで3日間、一風堂代々木上原店と西五反田スタンドの2店舗限定でコラボレーションディナーを提供している。一風堂はシンガポールにも多数店舗を展開しており、1号店はCHATTER BOXと同一エリアにもあるということで、一風堂側から打診をして今回のコラボレーションが実現したそうだ。
驚きのコラボレーションの内容とは
シンガポールではVIPなども多数訪れるという名店「CHATTERBOX」と、日本のみならず世界に店舗を展開している「一風堂」がコラボレーションするというだけでも驚きだったが、その内容はさらに驚かされるものだった。
まず、今回のコラボレーションのためにシンガポールから「CHATTERBOX」のLiewエグゼクティブシェフとXianシェフが来日し、店と同様のチキンライスを一風堂の厨房で仕込んで提供していること。鶏肉は同スペックの国産鶏を使用しているが、製法や使用する調味料などはシンガポールで提供しているものと同じだという。数値化されたレシピではなくシェフの頭の中にあるレシピだからこそ、シェフが直接来なければ同じ味は出せない。CHATTERBOX側の本気さが伝わってくる。
CHATTERBOXのチキンライス
しっとり柔らかく仕上げられた鶏肉は120gのボリューム。そこに添えられた3種類のソースこそCHATTERBOXの味をそのまま再現している。中でもチリソースは日本ではまずお目にかかれないもの。シンガポールやマレーシアなどでは日常的に使われる唐辛子「チリパディ」を使ったソースは、鮮烈な辛味が訪れたあとにスッと爽やかに辛味が引いていく。他にもジンジャーソース、ダークソイソースも添えられており、それらをすべて鶏肉につけて、香り豊かに炊かれたジャスミンライスと一緒に食べるのがLiewシェフおすすめの食し方。チリソースの辛さとソイソースの甘さが鶏肉の旨味を引き出し、ジンジャーソースがサッパリとさせる構成で、3種のソースの組み合わせが見事なまでに計算されている。
一風堂のラクサ豚骨ラーメン
一方、一風堂のラーメンも負けず劣らずの存在感。シンガポールでも多数店舗を展開している一風堂は、シンガポールのローカルフード「ラクサ」をラーメンにアレンジ。ムスリムが多く豚肉を使わない本場のラクサと異なり、敢えて豚骨スープを合わせているのが一風堂らしいアプローチ。甘味のあるココナッツミルクとマイルドな豚骨スープが見事に調和し、そこに海老の出汁と6種類のスパイスが程よく配されることでラクサらしい表情もしっかり感じさせる。このあたりの絶妙なバランスはアジアの商品開発を手掛けているチームならでは。
価格は驚きの1,300円
CHATTERBOXシェフ自らが仕込んだ本場そのままのチキンライスに、一風堂の創作ラーメンというぜいたくな組み合わせは、「SG:IO」というイベントを盛り上げたいという趣旨と、リーズナブルに楽しんでもらいたいという思いから、1,300円という破格の価格で提供される。チキンライスだけでも本店では3,000円はくだらないメニューだが、そこにスペシャルなラーメンもついてこの価格は驚きだ。
CHATTERBOXと一風堂のコラボレーションディナーメニューは、8月25日より27日まで3日間、一風堂代々木上原店と西五反田スタンドの2店舗限定で各店各日18:00より30食限定販売される。シンガポール料理と日本のラーメンのハイレベルな融合をぜひ楽しんで頂きたい(一風堂ホームページ)。