利用者28.8%・利用本数61.3本…有料動画配信の利用実情をさぐる(2023年公開版)
映像や音楽の市場を大きく変質させ、エンタメ部門に新たな旋風を巻き起こす技術・サービスとして、急速に浸透しているのが有料動画配信。個別の作品をデータ単位で買い取る、あるいはレンタルソフトのように短期間視聴できるスタイルだけでなく、クラウドサービスのように特定作品を視聴する権利を得られる「半永久視聴権」の販売や、一定期間は特定の枠組み内で好きな映像が観放題の定額サービスも展開され、急速にその利用者を積み増ししている。今回は日本映像ソフト協会が2023年5月に発表した、日本の映像ソフト協会そのものやソフト関連の実地調査結果を絡めた白書「映像ソフト市場規模及びユーザー動向調査」の内容を基に、有料動画配信サービスの実情を確認する。
直近の2022年では有料動画配信サービス市場は5504億円を示している。この市場には「定額見放題サービス」「都度課金サービス」「有料動画購入サービス」などが該当する。
この有料動画配信の利用状況を確認したところ、2022年では調査対象母集団(16~69歳。一般調査は1744人、有料動画配信の内情調査は1383人。いずれも男女・年齢・インターネットの利用状況に関するウェイトバックがかけられており、調査対象母集団の属性に関する偏りは最小限に抑えられている)の28.8%が利用していることが分かった。おおよそ10人に3人。また、利用者における平均利用本数は61.3本。
2015年から計測対象範囲を大きく拡大していることから、経年傾向を推し量ることは難しいものの、2022年は前年比で利用率は増え、利用金額も増え、1人あたりの利用本数も増えている。
もっとも業界から見れば、利用者あたりの利用本数が増え利用率も上昇し、利用金額も増加、そして市場そのものが拡大しているのだから、よい話に違いない。実際、業界全体の統計結果からも2021年が4863億円、2022年が5504億円で641億円も拡大しているのが実情ではある。
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