「ブラック・フライデー」に自ら売り出していたこの投手はお買い得!?
11月25日、トレバー・ウィリアムズは、こうツイートした。
「ブラック・フライデー・フリー・エージェント・セール! 本日限り! 1人分の契約で2人分:右投手のトレバー・ウィリアムズを買うと、左打者でコーナー・アウトフィルダーのトレバー・ウィリアムズも手に入る!(売り出し期間は東部時間の真夜中まで)」
冒頭から「本日限り!」のところまでは、すべて大文字で綴ってある。
ウィリアムズは、30歳の右投手だ。来年4月に31歳となる。メジャーリーグ7年目の今シーズンは、ニューヨーク・メッツで89.2イニングを投げ、奪三振率8.43と与四球率2.31、防御率3.21とFIP3.88を記録した。
ただ、「左打者でコーナー・アウトフィルダー(レフトとライトを守る外野手)」の部分は、広告に偽りあり、と言うべきか。ウィリアムズは、右打ちである上、メジャーリーグでもマイナーリーグでも、野手出場は皆無だ。
もちろん、このツイートはジョークなのだから、目くじらを立てることではない。また、「2人分」とまではいかなくても、ウィリアムズは、ミドルのロング・リリーバーとして投げるだけでなく、ローテーションに隙間が空いた時は、それを埋めることもできる。今シーズンは、リリーフ21登板と先発9登板。それぞれ、防御率2.47(51.0イニング)と防御率4.19(38.2イニング)を記録した。7月7日には、7イニング投げて被安打2本に封じ、本塁どころか三塁も踏ませなかった。
今シーズンの年俸は、390万ドルだった。500万ドル未満の年俸に、イニングに応じた出来高か2年目の球団オプションがつく程度の契約であれば、セール価格かどうかはさておき、球団にとってはそう高くない気がする。
ドラフト順位は、2013年の2巡目・全体44位。ピッツバーグ・パイレーツ時代の2018年には、先発31登板で170.2イニングを投げ、ナ・リーグ7位の防御率3.11を記録している。先発投手が足りない球団は、5番手候補の一人として迎え入れ、開幕ローテーションに入らない場合は、ブルペンに回すこともできる。