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【富田林市】A5ランク和牛ランチはコスパ最高!中佐備に誕生したSabi和備佐備で里山の日本文化体験も

奥河内から情報発信奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

私は情報収集のためSNSをよく見るのですが、その中に富田林佐備の里山古民家を紹介している書き込みを、去年から何度か拝見しました。それは訪日観光客(インバウンド)向けの日本文化体験施設として盛り上げようという内容でした。

当初、富田林に観光に来る訪日外国人向けの施設だから一般市民は無関係と思い込んでいました。しかし、そうではありませんでした。実は8月27日からランチ営業を始めたというのです。

場所は中佐備です。古民家を改装したSabi和備佐備さんで、最高級のA5ランクの和牛にこだわったランチということで、和牛ステーキやバーガー、和牛カレーなどが食べられるとのこと。ランチ営業は火曜日から金曜日までの週4日間で、営業時間は10:30〜14:00(L.O13:15)です。

公共交通の場合は富田林駅から金剛ふるさとバス東條線に乗り、中佐備バスで下車し、そのままバス通りを北方向、徒歩6分です。

ただバスの本数が少ないので、ランチを食べるためには富田林駅12:05発のバスに乗るようにしましょう。帰りは中佐備バス停13:36分発富田林駅行きがあります。ちなみに車は裏手に6台止められます。

入口は右側の建物です。

こちらの建物です。この日はあらかじめ取材ということで予約を取っていましたので、塚本昇平GMと辻渚店長が待っていてくれました。塚本GMの本業は造園業(外部リンク)です。

玄関で靴を脱いで上がります。入口にはお土産コーナーがあり、購入もできます。

さて、お土産が置いてある部屋の次の間に、ランチを頂く大広間があります。

構広い和のスペースです。畳敷きの座布団ですが、座りにくい人用に椅子もあるそうです。

建物内にはWi-Fiもあります。

こちらがランチメニューです。贅沢ランチということでA5ランクの国産和牛を使っています。塚本GMによれば、佐賀や熊本などの高級和牛を使っているとのこと。

イメージ画像:熊本産黒毛和牛の最上バラ肉
イメージ画像:熊本産黒毛和牛の最上バラ肉

A5ランクとは和牛の80%が該当するAランクの中でさらに20%程度にランクする牛肉のこと。そんな高級肉が、この値段で食べられるのは本当にお得だと思います。

イメージ画像:熊本産黒毛和牛の最上バラ肉
イメージ画像:熊本産黒毛和牛の最上バラ肉

お得に食べられる理由は関西指折りの食肉の聖地、羽曳野市にある焼肉牛王さん(外部リンク)の肉を使っているからで、牛王さんは直接和牛を買い付けているので市場よりも安く手に入るそうです。

そして、意外なものが入っていました。ベジタリアンメニューなのですが、なんと!ミャンマーの伝統料理「ラペットゥ」をベースに日本人向けにヘルシーにアレンジしたメニューとのこと。なぜミャンマーを意識した料理があるのかうかがったところ、意外ことにシェフはミャンマーの方だったからです。

ドリンクメニューです。日本文化体験施設ということで、緑茶のメニューが充実しています。アルコールも置いてあり、もちろん世界的に人気のある獺祭など、日本酒も置いてあります。

さっそくきました。ミャンマーのシェフが作ったスパイシー牛筋カレー1,200円です。

塚本GMは「少し辛いかもしれない」との事でしたが、辛いのが得意な私にとっては辛さは感じません。よほど辛いのが苦手でないと大丈夫だと思いました。それよりも驚いたのは、肉の量です。ジャガイモや人参と比べて肉の量がとても多いのです。

和牛の牛筋を使っているとのことですが、じっくり煮込んでいるためか非常に柔らかくなっており、とても美味しくいただけます。福神漬けも良い箸休めでした。とにかく肉を食べたい人には十分満足のいくカレーでした。

そしてこちらはさびーふバーガー900円です。ダブルバーガーは1,200円で、ポテトがついています。バーガーはテイクアウトも可能です。

バーガーもとにかく肉厚です。肉好きにはたまりません。テイクアウトで頂きましたが、「肉を食べた!」という満足感があります。パンズと挟まれている野菜、そしてとろけているチーズとの調和も見事にとれて、相性もばっちりでとても美味しいです。

そして、気になっていたメニューが登場しました。Sabiたまミックス丼1,000円です。

こちらはベジサラダです。厚揚げなど入っていたら、もう少しお得感があるような気もしました。

玉子焼きの下はご飯です。サラダとご飯、玉子焼きと頂きましたが、日本人向けにアレンジしているので、海外の料理を食べなれていない人でも抵抗なくいただけると思いました。

そしてこちらはスープです。スパイシー牛筋カレーにもついているのと同じでした。スープというよりもシチューに近く、どこか懐かしい味でした。

スープに使われているのは、皮むき緑豆です。日本ではもやしにして食べることが多いですが、東南アジアでは料理やお菓子に多用されている薬膳的効果のある豆。ランチスープでは、この緑豆を茹でてすりつぶしたものに日本の味噌などを加えています。

シェフはミャンマーのピィー(ピエပြည်)出身の方で、ヤンゴンから車で6時間のところにあります。シェフと塚本GMとの出会いは2年くらい前。塚本GMが最初に出会ったミャンマー人から紹介してもらったそうです。

ミャンマー・ヤンゴンにあるシェダゴンパゴダ
ミャンマー・ヤンゴンにあるシェダゴンパゴダ

ミャンマーのシェフは地元でレストランを経営していて、5年前に来日したとのこと。塚本GMと知り合って、前からミャンマーを意識した料理を作りたいと話していました。そこで試しにランチメニューにミャンマーを意識したのベジタリアンメニューを加えたそうです。

食事が終わったところでより詳しいお話を伺いました。佐備に日本文化体験施設を作った理由を伺うと、もともとは2年ほど前に、加納陽之助氏の呼びかけで結成された南河内観光まちづくり研究所(外部リンク)がきっかけです。2023年06月09日にNPO(特定非営利活動)法人として認定され、大阪狭山市に事業所がある団体です。

抹茶を引く臼
抹茶を引く臼

NPO法人南河内観光まちづくり研究所には、NPOの定款上に以下の目的が記載されています。

南河内の観光の振興にかかわる個人及び団体に対して、南河内の観光振興に関する事業を行い、南河内の観光の振興に寄与することを目的とする。

そのような中、塚本GMが所有していた中佐備の物件を借りていた方が1年前に退去したため、そこをリノベーションして南河内観光の振興の一環として何かできないかと考えました。

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

そのときに考えられたのが、インバウンドの訪日外国人向けの施設として日本文化を体験できる場所。ちょうどコロナも落ち着いたタイミングを狙ったわけですね。

この古民家は、築70年程度で、ヒノキなど高級木材を使用して建てられています。敷地面積が1反といいますから、およそ300坪ほどあります。

元々は外国人旅行者向けを意識して作られた施設ですが、外国人専用ではありません。日本人でも日本の伝統文化に興味があれば、古民家体験プログラムに参加できます。

では、どんな日本文化体験ができるのでしょうか?SABI・和備佐備さんの日本文化体験プログラムは事前予約制で、次のプランがあります。

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

着物体験5,000円(2,000円はデポジットで返金)は、約70着用意しているとのこと。体験時に好きな着物を選べるわけです。

選んだ着物は隣の建物で着付けを行います。

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

Sabi和備佐備さんによれば、オリジナルに改良されたワンタッチ着物ということで3分程度で簡単に着付けができるとのこと。大人用と子ども用があります。

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

そして、刀でチャンバラごっこのようなこともできます。こういう体験は意外に中学生や高校生向けの体験授業などでも応用できるのではと思いました。

茶道体験(25分:5,000円)では、講師ガイドによる茶道体験ができます。英語と日本語で説明があります。ちなみに辻店長は英語も話せるので、訪日外国人が体験する際にも気軽に辻店長に質問ができるわけですね。

実際のお茶の道具が置いてあります。説明を見ながら体験者は茶器や道具を手にして、実際にお茶の体験を行います。

一緒にいただく和菓子や抹茶を入れる棗(なつめ)の説明があります。

そして5番目に自分の好きな茶器を選びます。

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

実際の体験では臼を使って抹茶を挽き

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

自分の好きな和菓子を手にして

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

選んだ茶器を使って抹茶を頂きます。

マキ割り、釜戸体験(1時間:5,000円)は、古民家のテラスの横に釜戸とマキが置いてあり、台に乗せてマキを割って、釜戸で米と味噌汁を炊きます。

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

実際の様子です。釜戸で炊くご飯、話を聞くだけで美味しいことが想像できてしまいます。そしてできたご飯とみそ汁は、和牛のおかず付きで食事ができます。

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

書道体験(15分:2,000円)では、好きな漢字を選んだうえで、半紙やうちわに書いてお土産にできます。

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

風鈴ダルマ絵付け体験(30分:3,000円)では絵付けをしたミニダルマ2個と風鈴一個がお土産につきます。

このほかにも、折り紙体験20分:1,500円(折り紙3枚付)風呂敷体験15分:2,000円(風呂敷付き)縁日体験15分:2,000円(景品付き)があります。

さて、テラス席を案内していただきました。和牛体験と書いてあります。和牛体験?一体どういうことでしょうか?

実は和牛のBBQが楽しめるということです。しかも目の前は青々とした美しい田んぼです。

目の前の田んぼを眺めながら美味しい焼きたての和牛肉を頂くわけです。訪問した8月下旬の様子では青い稲なので、恐らく10月ごろの刈り入れが予想されます。

ということは、それまでは黄金に輝いて首が垂れる稲穂の様子がすぐ目の前で見られるわけですね。

事前予約制で、縁日体験がついたBBQを堪能できる2時間の基本プランがあります。贅沢和牛A5等級セットはひとりあたり400gの肉が味わえます。内容は、牛タン、ロース、カルビ、ウインナー、焼野菜付きです。そしてソフトドリンクなら飲み放題です。料金は次の通りです。

  • 平日:大人・5,500円(ハーフ・3,300円)、小学生・2,000円
  • 土日祝:大人・6,600円(ハーフ・4,400円)、小学生・2,500円

手ぶらだけでなく、古民家内(屋内)でのBBQなので雨の日も安心ですね。なお、予約は電話のみとなっています。またこれは基本プランなので、プランのアレンジなど予約時に要望があれば遠慮なく伝えましょう。

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

ちなみに日本体験がいろいろ含まれた和牛プランは、カジュアルプラントとプレミアムプランがあるそうで、カジュアルプランは弁当スタイルとビュッフェスタイルから選べ、高級プランはA5佐賀牛の希少部位8品コースや高級食材を使用した和牛コースを用意しているとのこと。

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

高級日本酒やワインが堪能できます。プラン料金は、Sabi和備佐備さんの公式ページ(外部リンク)をご覧ください。

塚本GMが特別室を案内してくださいました。

さて、特別室の入口はとても低くてしゃがまなければなりません。千利休の茶の湯の侘び寂び(わびさび)の世界です。「わびさび」はいろんなところで使われるので、塚本GMは頭に「Sabi」を入れて施設名をSabi和備佐備としたとのこと。

さらに、忍者のからくりのように竹の壁の間に躙り口(にじりぐち)があるとのこと。これは訪日外国人の喜ぶ表情が目に浮かびます。

そしてこちらが特別室です。茶室をコンセプトにした個室の特別な空間です。

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

こんな感じで高級旅館でくつろげるようなひと時が過ごせます。

よく見ると壁に龍が描かれていて、その下には蓮池が描かれています。そういえば中佐備から南にいけば龍泉という地名もありますね。また折り紙も置いてあります。

さて、食事をした大広間に戻りました。塚本GMの本業が造園業なので立派な庭が見られます。

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

そして、体験プログラムでは着物を着てお庭見学もできます。

なお、体験プログラムに参加する場合は、南海金剛駅東口及び近鉄滝谷不動駅改札前から無料送迎を行っています。カジュアルプランは金剛駅10:10に送迎予定、プレミアプランは金剛駅11:00となっています。滝谷不動駅についてはお問い合わせください。

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

Sabi和備佐備さんは、大阪郊外の新たな魅力として、観光客に対して次のようなプログラムの提供を考えています。

このツアーは、大阪中心部から郊外へのインバウンドの流れを生み出し、奈良南部や和歌山方面への誘客を促進します。特に、写真映えする特別な空間での茶道体験や、複数の工程を一気通貫で体験できる河内木綿藍染文化体験など、他に例を見ない魅力的なプログラムを提供します。

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

大阪と言えば道頓堀や新世界、USJなどどうしても大阪市内が注目されがちです。しかし、郊外、自然と歴史、そして里山の雰囲気が残る南河内のすばらしさを世界中の人に知っていただくきっかけとなるべき場所。それが富田林市内にできたことを誇りに感じます。

もちろん、ランチを食べに来てもお土産の購入はできます。

おもちゃの刀など日本文化らしいものが集まっています。

そしてこちらは英語で書かれていますがベジタブルチップと書いてあります。

こちらはやさいチップスで、ジャガイモと安納芋のチップスという事で国産の野菜を使い、無添加。また有機プレミアムのココナッツオイルを使っているため、ココナッツの栄養も取れるそうで、美容面にも嬉しい効果があるとのこと。

こちらではお面が売られています。訪日観光客はもちろん、日本人でも普段なかなか目にすることのない日本文化に満ちたお土産は、海外旅行に行くときの現地の方向けにも楽しいかもしれませんね。

ちなみにSabi和備佐備さんは各種クレジットカードやモバイル決済が利用できます。

体験プログラムには高価なものも含まれていますが、ランチに関しては和牛がたっぷり入って、コスパの良いものがいただけます。

画像提供:Sabi和備佐備
画像提供:Sabi和備佐備

日本文化体験施設は、京都など伝統的な格式ばったところも多いですが、Sabi和備佐備さんはもっとカジュアルに日本文化体験ができる場所という印象です。外国人旅行者だけでなく、日本に住んでいる人でも普段接することの少なくなった日本文化に、遊び感覚で触れてみるのも楽しいのでないかと思いました。

施設内では日本人が意外に見落としがちな日本文化の一端が見られるので、興味があれば気軽にランチ利用で日本文化体験施設を見学してみてはいかがでしょう。

Sabi和備佐備(外部リンク)

住所:大阪府富田林市佐備250

TEL:0721-55-4500

ランチ営業時間:10:30~14:00(L.O13:15)

ランチ営業定休日:土日月(BBQ定休日は月曜日)

バーベキュー体験:要予約(10:30~14:00、16:30~19:00)

アクセス:近鉄富田林駅からバス 中佐備バス停下車徒歩6分

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奥河内地域文筆家(河内長野市・富田林市)

河内長野市の別名「奥河内」は、周囲を山に囲まれ3種類の日本遺産に登録されるほど、歴史文化的スポットがたくさんある地域です。それに加えて、都心である大阪市中心部に乗り換えなしで行ける複数の大手私鉄(南海・近鉄)と直結していることから、新興住宅団地が多数造成されており、地元にはおしゃれな名店や評判の良い店なども数多くあります。そして隣接する富田林市もまた、歴史文化が色濃く残る地域。また南河内地区の中核都市として、行政系施設が集まっています。これを機会に、奥河内(一部南河内含む)地域に住んでいる人たちのお役に立つ情報を提供していければと考えています。どうぞよろしくお願いします。

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