【全文】金与正は対南激怒談話で何を語ったのか。「裏切り者、ゴミどもが犯した罪の大きさに気づかせる」
14日の午前中、韓国最大のポータルサイト「NAVER」のリアルタイム検索の1位となった。
「金与正(キム・ヨジョン)朝鮮労働党第一副部長の13日の談話」
中央日報などが紹介する「談話全文」の紹介が1位と10位に入っている。それほどに韓国では興味の対象になっているということだ。2018年の平昌五輪の際には韓国を訪れ、笑顔を振りまく姿がインパクトを与えた。聯合ニュースは14日付けで「金与正、“平和のメッセンジャー”から“南北関係破局の主役”に」と記事を配信するくらいだから、その”変わり身”にインパクトがあるのだろう。
韓国在住の脱北者により、金正恩朝鮮労働党委員長を避難する内容のビラが散布されたことに対するものだ。
韓国語では日本語に由来する”チラシ”とも呼ばれる、煽動用のビラ。これまでも南北国境に近い場所から空中に散布し、これが風に乗って北の領土に届くという手法は取られてきた。有名な韓国料理”プデチゲ”発祥の地としても知られる、ソウルから1時間ほど北上する議政府(ウィジョンブ)などはこの発信地としても有名だ。
これに対する北側の抗議声明では何が語られたのか。
ここでは、朝鮮中央通信の発信情報が閲覧できる北朝鮮政府の対外宣伝サイト「我々の民族同志で(ウリ・ミンジョクキリ)」に掲載された内容の全文を紹介する。
朝鮮労働党中央委員会 金与正第一副部長 談話
私は昨日、統一前線部が出した談話に全面的な共感を表する。
2年間やってこれなかった仕事をすぐに出来る能力と度胸があるのなら、北南関係が今、こういった様相になるのだろうか。
いつ見てもそうだ。常に後になって焦る者の常習的な言葉に耳を傾けたり、かたちに過ぎない常套的な言動を決して信じてはならず、裏切り者たちとゴミたちの罪を絶対に許してはならない。
我々祖国の象徴であり、偉大なる尊厳の代表者である委員長同志の絶対的賢威をあえて刺激し、神聖なる我々の側の地域に汚物を押し込めるゴミどもとその妄動を黙認する者たちに対して、この世を破壊することとなったとしてもケリをつけようと立ち上がった全体人民のひたむきな声は、今、より荒々しくなっているのだ。
裏切り者たちとゴミどもが犯した罪の大きさに気づかせなければならないという判断と、それに従って立てた報復計画は、対敵(対南)事業の一環としてではなく我々の内部の国論として強く固まった。
その者たちがどんなことをしでかしたのか。絶対に傷つけてはならない(もののうち)何を間違って傷つけたのか、手痛く知らせなければならない。
言葉の感覚が鈍いその者たちが、あるいは(この談話を)「脅迫(に過ぎない)」と誤解したり、勝手に我々の意図を評価し、支離滅裂な談話を発表するよりも、いまや(こちらから)連続的な行動で報復しなければならない。
確実に南朝鮮の者たちと決別する時が来たようだ。
我々はすぐに次の段階の行動を取らなければならない。
私は委員長同志と党と国家から付与された私の権限を行使し、敵対(対南)事業関係部署たちに次の段階の行動を決行することを指示した。
遠くない時期に、使い物にならない北南共同連絡所が形骸なく崩れる、悲惨な光景を見ることになるだろう。
南朝鮮当局が気にかけるその次の我々の計画に対して、この機会に暗示するのならば、(北朝鮮側は)次の対敵事業の行使権を我々の軍隊の総参謀部に移そうと考えている。
我々軍隊もまた、人民の憤怒を多少なりとも鎮めてくれるその何かを決心し、断行するものと信じる。
ゴミはゴミ箱に捨てなければならない。
主体109(2020)年6月13日
平壌
(了)
参考:【原文】南北連絡事務所爆破。北メディアからの第一報は”あの口調”で「ゴミどもに激怒した民心に沿った」(6月17日に追加)