【原文】南北連絡事務所爆破。北メディアからの第一報は”あの口調”で「ゴミどもに激怒した民心に沿った」
16日午後に大きく報じられた北朝鮮による「南北連絡事務所爆破」。ここでは北朝鮮メディアが爆破に際し、どういった言葉を用いてニュースを報じたのかを紹介する。爆破から約2時間20分後、16日17時15分頃の「朝鮮中央TV」の映像を、すぐに韓国の「聯合ニュースTV」が報じた。
朝鮮中央TVの放送をそのまま流した韓国最大の通信社「聯合ニュースTV」の公式チャンネル。
冒頭で2度、爆破の事実を伝えた後、北の体制誹謗ビラを韓国側から撒いた韓国在住の脱北者を「ゴミども」と呼び、また韓国当局についてはこの行為を「黙認した者」としている。さらに人民の怒りに応えた形で爆破を実施したとも。
風船にくくりつけた”ビラ”を飛ばす脱北者団体の様子。「YTN」より
これに韓国側が大きく反応している。
まずは、南北双方から発された声明からすぐに爆破行動が実施された点だ。「聯合ニュース」、「SBS」など複数メディアは「金与正朝鮮労働党第一副部長の声明から3日後に爆破された」という点を報じた。そして韓国の文在寅大統領が関連の声明を発した翌日の行動だった。
近年の韓国国内は北側の挑発に対し、真に受けない雰囲気もあった。筆者の取材時には”ミサイル発射”について、「コースが分かっていて、韓国には飛んでこない」と言い切る声も聞いた。
しかし今回は、短期間で実行してきたことに強い反応があった。国内最大のポータルサイト「NAVER」の16日20時時点の政治部門リアルタイム検索はベスト10がすべて関連ニュースとなった。
文在寅大統領の3年来の南北融合の努力も虚しく、170億ウォン(約15億円)の韓国側の税金が投じられた作られた施設が爆破された。さらに、北側が連絡に一切応じない状況では韓国側も講じられる対策が限られている点などが今後のポイントとなっていきそうだ。
「聯合ニュースTV」が報じた第一報。視聴者提供の映像でも噴煙が上がった様子が確認できる。南側からも目視できる、国境近くで起きた爆破だった。