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大阪桐蔭の出場なるか?  25日にセンバツ選考会

森本栄浩毎日放送アナウンサー
史上初の春3連覇が懸かる大阪桐蔭は当落線上。選考会は25日に迫った(筆者撮影)

 第91回センバツ高校野球(3月23日開幕)の出場校を決める選考会が25日に迫った。重要な参考資料となる秋の地区大会は波乱が目立ち、有力校や注目選手のいるチームの多くが選外になる見込み。特に注目されるのは、昨年、2度目の春夏連覇を果たした大阪桐蔭が選出されるかどうかで、大会そのものの盛り上がりにもつながるため、当該の選考委員にとっては、悩ましい一日になりそうだ。

北海道2校目は札幌第一か駒大苫小牧か

 各地区の予想顔ぶれは、11月4日の記事がベースになる。その後、明治神宮大会があり、札幌大谷が優勝したため、「神宮枠」は北海道にもたらされた。ここは、北海道大会決勝で大谷に逆転負けを喫した札幌第一と、同準決勝で大谷と接戦を演じた駒大苫小牧の争い。また、東北と北信越は無風で、順当な選考になる見込み。

関東・東京は東京2校か

 さて、毎回問題が多い「抱き合わせ枠」が存在する関東・東京と中国・四国については、21世紀枠との絡みがあり、流動的だ。まず、準々決勝4試合がすべて一方的な結果に終わった秋の関東大会から、どこが5番手かを探るのすら困難な状況。神宮大会のときに、関東大会を観戦した人に聞いても、「実力で横浜(神奈川)」という人がいれば、「優勝校(桐蔭学園=神奈川)に敗れた佐野日大(栃木)では?」という人もいて、どこがきても強く推せる材料に乏しい。逆に、東京準優勝の東海大菅生は、初回に失った4点を懸命に挽回し、国士舘を追い詰めた試合内容は大きく評価される。東京2校が順当なところか。

中国・四国は21世紀枠に左右されるか

 中国と四国も難しい。中国の3番手は、準決勝で米子東(鳥取)にタイブレーク負けした市呉(広島)が有力だ。四国3番手は準決勝の内容なら富岡西(徳島)がやや上で、高知商も差はない。この3番手同士を比較する。富岡西は21世紀枠候補にも挙がっていて、個人的にはかなりの評価を集めるとみている。すでに何度も述べているように、時系列では21世紀枠3校の選出が終わってから一般枠選考に移るので、その段階で、富岡西は選ばれている可能性がある。そうなれば、バランスよく「中国3、四国3」というシナリオが描けるのだが..。

東海と九州は波乱の可能性が

 最後の1枠で波乱の可能性があるのは、東海と九州だ。東海は決勝が一方的だったため、津田学園(三重)と中京学院大中京(岐阜)の争いは微妙。優勝した東邦(愛知)との試合内容を正面から比較されると、津田は苦しくなる。例年、4強が順当に選ばれることが多い九州では、興南(沖縄)が、優勝した筑陽学園(福岡)に準々決勝で0-0からのタイブレーク負けを喫したため、簡単には落とせない。1年夏から甲子園で投げている左腕・宮城大弥(2年)の評価も高い。比較の対象は日章学園(宮崎)になりそうだが、ここは同じ相手に敗れたわけではないので、東海よりは波乱の可能性は低いとみている。

21世紀枠は同タイプ多く

 21世紀枠候補の9校は、地域の伝統進学校という特徴を持ったチームが多い。候補校のプロフィールは、12月14日の記事を参照いただきたい。その中では、石岡一(関東・東京=茨城)が、異色の存在。実習の多い園芸科や造園科があり、部活動との両立をめざしている。複数回、候補に挙がったチームもあり、富岡西は3度目。金津(北信越=福井)は昨年、21世紀枠の補欠校(タイトル写真右端下を参照)にもなっている。平田(中国=島根)も2度目である。最終的には、当日、いかにパンチの効いたプレゼンテーションをできるかが、大きなポイントだ。

大阪桐蔭に逆風吹く

 さて、本題の近畿に移る。個人的な意見は11月4日の記事で述べているので割愛(筆者は大阪桐蔭が6番目選出とみる)し、ここでは客観的な見方を記す。まず、近畿は4強に残れば、準決勝の試合内容は問わず、確実に選ばれる。準決勝で敗退した履正社(大阪)と智弁和歌山はいずれもコールド負けしているが、選出に問題はない。ただし、このコールド負けは、準々決勝で対戦した相手には影響を与える可能性がある。つまり、智弁和歌山に敗れた大阪桐蔭がまさにその対象だ。また大阪桐蔭は履正社にも大阪大会で敗れている。大阪桐蔭にはさらに逆風が吹くかもしれない。それは21世紀枠で大阪の伝統校・八尾が先に選ばれた場合だ。今回、近畿は滋賀と奈良が苦戦し、2県出場なしが濃厚となっているため、大阪から3校というのは考えにくい。では、どこが残る2校に割って入るかだ。

ライバル校にプラス材料も

 試合内容から、市和歌山が浮上する。優勝した龍谷大平安(京都)にはサヨナラ負けしたが、内容的には互角だった。続いては、報徳学園(兵庫)を推す。明石商との同県対決は終盤に突き放されたが、初戦で有力校の近江(滋賀)を破ったことはプラス材料だ。福知山成美(京都)は府大会1位で、神戸国際大付(兵庫)との1回戦も好内容だった。平安とは直接対決しておらず、履正社が準決勝でコールド負けしたため、アピールポイントは前述2校よりやや落ちるか。初戦敗退ながら平安を1点差まで追い上げた天理(奈良)を推す声も出るかと思うが、内容的には完敗だったことで、8強を上回るだけの材料を見出すのは難しい。いずれにしても、史上初のセンバツ3連覇を狙う大阪桐蔭にとっては、その舞台にさえ立つことなく夢破れる可能性もある。

大阪桐蔭不出場なら盛り上がりは?

 今大会は、昨夏の活躍から、センバツに出場すれば注目されたであろう好チームが、秋の段階で圏外に去ったのも大きな特徴だ。速球派右腕2枚を抱える日大三は東京大会初戦で敗れ、ドラフト上位指名確実の左腕・及川雅貴(2年)擁する横浜や、西純矢(2年)の創志学園(岡山)も、あと1勝すればという大事な試合でコールド負けした。注目選手も、星稜(石川)の150キロ右腕・奥川恭伸(2年)だけになりそうで、大阪桐蔭が不出場となれば大会そのものの盛り上がりにも直結する。

毎日放送アナウンサー

昭和36年10月4日、滋賀県生まれ。関西学院大卒。昭和60年毎日放送入社。昭和61年のセンバツ高校野球「池田-福岡大大濠」戦のラジオで甲子園実況デビュー。初めての決勝実況は平成6年のセンバツ、智弁和歌山の初優勝。野球のほかに、アメフト、バレーボール、ラグビー、駅伝、柔道などを実況。プロレスでは、三沢光晴、橋本真也(いずれも故人)の実況をしたことが自慢。全国ネットの長寿番組「皇室アルバム」のナレーションを2015年3月まで17年半にわたって担当した。

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