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これはもう甲子園決勝レベル? センバツを前に東西の両横綱、横浜と東洋大姫路が神宮で激突!

森本栄浩毎日放送アナウンサー
近畿大会を圧勝した東洋大姫路は、横浜に、エース・阪下をぶつけるか?(筆者撮影)

 20日に開幕した明治神宮大会は、準決勝のカードが決まった。センバツの前哨戦となる今大会は、前評判の高かったチームが実力を発揮している。

東洋大姫路は投打がっちりで盤石の強さ

 開幕戦に登場した近畿王者の東洋大姫路(兵庫)は、聖光学院(東北=福島)に10-0の5回コールドで圧勝。エースの阪下漣(2年=タイトル写真)は、5回をわずか44球で完封した。準々決勝でも地元・東京の二松学舎大付を初回からじわじわと攻め、4番・木村颯太(2年)の適時打で先制すると、2回にはスクイズ、6回には2死からの連続長打で4-0と突き放した。先発の左腕・末永晄大(2年)は毎回のようにピンチを招いたが無失点でよく粘り、7回から阪下にバトンを渡した。阪下は自ら適時打を放ち、6点差をつけたが、8回に今大会初失点。高めに抜ける球が多く、連戦となる準決勝に不安を残した。

横浜は1年生右腕が明徳を完封

 初戦の好カードとなった明徳義塾(四国=高知)と横浜(関東=神奈川)は予想通りの投手戦となり、横浜の最速148キロ右腕・織田翔希(1年)が、2安打に明徳を抑え、2-0で快勝した。完封勝利の要因は、横浜の要所での堅守。特に2回、邪飛をフェンス際でダイビングキャッチし、好返球で同点を阻止した三塁手・為永皓(3年)の超美技が光る。織田も「しっかり守ってくれたので、投げ切れた」と感謝しきりだった。横浜には、この試合で先制の適時三塁打を放ったエース番号を背負う左腕の奥村頼人(2年)もいて、今後は奥村の投球にも注目したい。

敦賀気比は4番の本塁打で流れを変える

 もう一方のブロックでは、敦賀気比(北信越=福井)が、2本塁打を含む11安打11得点で、沖縄尚学(九州)に11-5で打ち勝った。序盤こそ、沖縄尚学の最速150キロ左腕・末吉良丞(1年)を打ちあぐんだが、4回に4番・小林拓斗(2年)の一発が飛び出すと様相が一変し、沖縄尚学の繰り出す4投手に猛打を浴びせた。気比は次戦以降、左腕・管田彪翔、右腕・五十子(いがっこ)李壱ら、1年生中心の投手陣の踏ん張りがカギを握りそう。沖縄尚学は、雨と寒さで選手の動きにキレがなく、本来の力を発揮できなかった。

広島商は完封リレーで東海大札幌に快勝

 意外にも神宮大会初出場となった広島商(中国)は、1回戦で大垣日大(東海=岐阜)に、3-0の完封勝ちを収めた東海大札幌(北海道)に対し、初回から5安打を集め2点を奪う。2回にもスクイズで加点すると、先発左腕の徳永啓人(2年)が、6回途中まで無安打という快投を見せた。東海大札幌も終盤によく攻めたが、最後は広島商のエース右腕・大宗和響(2年)に抑えられ、3-0で広島商が快勝した。これで23日の準決勝は、横浜-東洋大姫路、広島商-敦賀気比の対戦となり、4校全てが、甲子園優勝経験校という豪華な顔ぶれとなった。

東洋大姫路に1試合多いハンディ

 神宮大会の出場校は、よほどのことがない限り、翌春のセンバツに選ばれる。中でも横浜と東洋大姫路は、レベルの高い関東と近畿の王者であり、投攻守、それぞれに最高水準でまとまっている。そのままセンバツの決勝カードと言っていいくらいだ。地区大会から神宮までを見ると、攻撃陣は東洋大姫路がやや上か。そのため、横浜の先発投手の出来が勝敗を左右する。東洋大姫路は、エース・阪下が先発か。準々決勝では自慢の制球に乱れがあった。特に立ち上がり、どこまで修正できているか。序盤の攻防で主導権を握ったチームが有利だ。また東洋大姫路は準決勝進出校で唯一、1回戦からの登場で、消耗度という点でハンディがある。第2試合は、中一日の気比が、完封リレーを完成させた広島商の投手陣をどう攻略するか。広島商は、救援した大宗もいい投球だった。気比の長打力を警戒したい。

毎日放送アナウンサー

昭和36年10月4日、滋賀県生まれ。関西学院大卒。昭和60年毎日放送入社。昭和61年のセンバツ高校野球「池田-福岡大大濠」戦のラジオで甲子園実況デビュー。初めての決勝実況は平成6年のセンバツ、智弁和歌山の初優勝。野球のほかに、アメフト、バレーボール、ラグビー、駅伝、柔道などを実況。プロレスでは、三沢光晴、橋本真也(いずれも故人)の実況をしたことが自慢。全国ネットの長寿番組「皇室アルバム」のナレーションを2015年3月まで17年半にわたって担当した。

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