学生時代に猶予した国民年金、追納すべき?2年分追納すると増える年金は年4万円?
学生時代に猶予されていた国民年金。「追納したほうが将来もらえる額が満額に近づく」と書いてある追納を促すハガキが届くことも。
しかし、追納額は2年分で40万円など、かなりの負担になります。これを支払うことによって、将来もらえる年金はどれくらい増えるのでしょうか。
今回は、学生時代に猶予していた国民年金を追納すべきかを解説します。
国民年金の保険料は毎年度見直しが行われますが、令和3年分は月額1万6610円です。2年間分で約40万円です。社会人になったばかりのころに学生時代の分の追納をするには、結構な負担になります。
猶予期間が2年間(24ヵ月)の場合、将来受け取れる年金額は年間で74万1855円となり、満額(年間78万900円)と比較して3万9045円少なくなります。追納することで、受給できる額が満額に近づきます。
国民年金は半分税金も投入されており、一般に投資商品と考えると有利だと言われることもあります。年金は終身で受け取ることができます。また、追納分は所得控除の対象になるので、節税メリットもあります。
しかし、お金の価値は、現在と将来とでは大きく変わります。コロナショックに乗じて株に投資をして元手を2倍に増やしたという話も聞きます。
国民年金も受給開始年齢が後ろ倒しになったり、受給額自体も下がる可能性も考えると、必ずしも追納したほうがいいと言い切れるわけではありません。
追納以外にも将来の年金を増やす方法
実は今すぐに追納をする以外にも、将来の年金を増やす方法があることをご存知でしょうか。納付猶予を受けた期間から10年以内であれば保険料をさかのぼって納めることができます。
また厚生年金に加入していない人であれば、「任意加入制度」を活用する方法もあります。これは、60歳以上65歳未満の5年間、国民年金保険料を本人の申し出で納める(ただし納付月数は累計480月まで)ことで、65歳から受給する老齢基礎年金を増加できる制度です。
コロナ禍で家計が厳しいという人もいるでしょう。国民年金の追納は、無理のない範囲で、余裕のあるときに納められたら納める、という理解でよいのではないでしょうか。現在の生活を成り立たせることが最優先です。