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学生時代に猶予した国民年金、追納すべき?2年分追納すると増える年金は年4万円?

花輪陽子シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)
(写真:JIKOMAN/イメージマート)

学生時代に猶予されていた国民年金。「追納したほうが将来もらえる額が満額に近づく」と書いてある追納を促すハガキが届くことも。

しかし、追納額は2年分で40万円など、かなりの負担になります。これを支払うことによって、将来もらえる年金はどれくらい増えるのでしょうか。

今回は、学生時代に猶予していた国民年金を追納すべきかを解説します。

国民年金の保険料は毎年度見直しが行われますが、令和3年分は月額1万6610円です。2年間分で約40万円です。社会人になったばかりのころに学生時代の分の追納をするには、結構な負担になります。

猶予期間が2年間(24ヵ月)の場合、将来受け取れる年金額は年間で74万1855円となり、満額(年間78万900円)と比較して3万9045円少なくなります。追納することで、受給できる額が満額に近づきます。

国民年金は半分税金も投入されており、一般に投資商品と考えると有利だと言われることもあります。年金は終身で受け取ることができます。また、追納分は所得控除の対象になるので、節税メリットもあります。

しかし、お金の価値は、現在と将来とでは大きく変わります。コロナショックに乗じて株に投資をして元手を2倍に増やしたという話も聞きます。

国民年金も受給開始年齢が後ろ倒しになったり、受給額自体も下がる可能性も考えると、必ずしも追納したほうがいいと言い切れるわけではありません。

追納以外にも将来の年金を増やす方法

実は今すぐに追納をする以外にも、将来の年金を増やす方法があることをご存知でしょうか。納付猶予を受けた期間から10年以内であれば保険料をさかのぼって納めることができます

また厚生年金に加入していない人であれば、「任意加入制度」を活用する方法もあります。これは、60歳以上65歳未満の5年間、国民年金保険料を本人の申し出で納める(ただし納付月数は累計480月まで)ことで、65歳から受給する老齢基礎年金を増加できる制度です。

コロナ禍で家計が厳しいという人もいるでしょう。国民年金の追納は、無理のない範囲で、余裕のあるときに納められたら納める、という理解でよいのではないでしょうか。現在の生活を成り立たせることが最優先です。

シンガポール在住FP(CFPⓇ・1級FP 技能士)

外資系投資銀行を経て、スイスのファミリーオフィスでウェルスマネジメントに従事。日本人の海外移住や資産運用、海外富裕層の日本移住のサポートも。著書に『世界標準の資産の増やし方』(東洋経済新報社)、世界三大投資家のジム・ロジャーズ氏の翻訳書を多数出版、『ホンマでっか⁈TV』等TV出演多数 お仕事の依頼は fp@yokohanawa.com へお願いします。花輪陽子のシンガポール富裕層の教え https://www.mag2.com/m/0001687882.html 花輪陽子のnote https://note.com/yokohanawa 

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