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「上から目線」の人の特徴――『要するにアレでしょ?』

横山信弘経営コラムニスト

相手と比べ、自分のほうが立場・地位が上だと考えている人は、無意識のうちに「上から目線」になりがちです。私は経営コンサルタントですから、企業の経営者や管理者と接することが多く、どちらかというと「上から目線」的な人との交流が多いと言ってもいいでしょう。ですから「上から目線さん」の特徴は熟知していると思います。

タイトルにもあるとおり、「上から目線」の人は「要するにアレでしょ?」が口癖です。相手よりも自分のほうが上だと思っていますから、「話半分」しか聞きません。そのせいで「早合点」&「早とちり」したうえで、物事を決めつけたような言い方になります。話をしているとすぐに会話がゆがむため、イライラする人も多いでしょう。

上司と部下、先輩と後輩、先生と生徒、親と子といった……いわゆる「上下関係」がないケースでも、「上から目線」の人はいます。立場が対等だと思っている友人や同僚から「上から目線」で話をされると、すごく嫌な気分になりますよね。

A:「この前、『紙の月』という映画を観た。意外と面白かったよ」

B:「へえ」

A:「宮沢りえとか、田辺誠一が出てるの。そういえば、元AKB48の大島優子ちゃんが出演しているってことで話題になったかな」

B:「ああ、なんか聞いたことある」

A:「私、『桐島、部活やめるってよ』を観てから映画監督の吉田大八に注目していて、彼が作る映画独特の雰囲気がいいの。どうしてその雰囲気いいかっていうと……」

B:「あのさ、大島優子って、要するにアレでしょ? 結局はAKB48にいられなくなって女優業に転身したって話」

A:「え……。そんなことは、ないと思うけど……」

B:「絶対にそうだって。高橋みなみだって、もうすぐ卒業じゃない。AKB48もそろそろ下火になるんじゃないの」

A:「……」

B:「お腹が空いたね。そろそろご飯でも食べにいく?」

話が噛み合わない人は、以下の特徴があります。

■ 話の中のある言葉(キャッチワード)を特定し、そのキャッチワードから話を展開する

上記の会話文では、Bさんが「元AKB48の大島優子」という言葉をキャッチワードにして、話の論点を捻じ曲げています。Aさんが話したいことは完全に無視。しかも、先入観が強く、決めつけたような物言いをするため、ダブルで会話がゆがんでいきます。

ここまで会話がゆがむと、Aさんは頭が混乱し、どうレスポンスしていいかわからなくなります。すぐに言葉を足すことができないため、会話の主導権を相手に握られ、結局は自分が話したいことを話せなかった、という事態に発展します。

上から目線の上司も「要するにアレでしょ?」を連発します。

部下:「部長、先日の人事会議で意見が出たのですが、当社をもっと働きやすい環境にするためには、特に20代の若いスタッフの意見に耳を傾けることだと……」

上司:「あのさ、要するにアレでしょ? 給料をもっと上げてほしいって、結局はそういうことだろ?」

部下:「ち、違いますよ」

上司:「そうだよ。そうに決まってる」

部下:「部長、私の話を最後まで聞いて……」

上司:「聞かなくてもわかってるよ。金だよ、やっぱり金だ。しょうがないだろう、うちの社長がああいう風だから」

部下:「……」

「上から目線」で「要するにアレでしょ?」を連発する人は、最後まで話を聞かず、まるで「早押しクイズ」の回答者のように、話半分に聞いたうえで、物事を決めつけたような言い分を披露します。

「上から目線」の人には、どうしてあなたの話は伝わらないのか? ……「ストーリー」で話す癖はやめたほうがよい理由に書いたとおり、物語調で話すのはやめ、できる限り結論から先に話すことです。しかも短めにし、繰り返すことが重要です。そうしないと、話を「あさっての方向」へ持っていかれて、話を元に戻すことができなくなる恐れがあります。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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