大型で強い台風14号が三連休のほぼ全国に影響 強い台風として上陸すれば令和元年の東日本台風以来
台風14号が発達
令和4年(2022年)16日(金)は、北から張り出す高気圧に覆われて晴れる所が多いでしょう。
ただ、日本の南海上を大型の台風14号が発達しながら西進しており、台風周辺や高気圧の縁を回る湿った東風が南西諸島や西日本の太平洋側に流れ込み、所々で雨や雷雨となりそうです。また、西~東日本は残暑が続く見込みです(図1)。
令和4年(2022年)は、6~8月の日本近海の平均海面水温が記録的に高く、台風が発達しやすくなったために、例年より多く日本付近で発生しています。
これは、日本付近は太平洋高気圧に覆われる日が多かったため、平年より日射量が多かったことや風が弱かったことが主な要因にあげられています。
加えて、台風の通過に伴う海面水温低下の効果が小さかったことも、原因の一つとなっていたのですが、9月に入り、台風12号や13号が海面をかき回して海面水温を少し低下させています。
しかし、日本の南海上を西進している台風14号は、台風によってかきまわされていないことで海面水温が高緯度まで高いままの海域を進んでいます。
このため、大型で強い勢力に発達しています(図2)。
台風14号は、今後も発達しながら日本の南を西北西に進み、17日(土)には強い勢力で沖縄・奄美地方に接近する見込みです。
そして、台風は、18日(日)頃には強い勢力で九州に接近した後、20日(火)頃にかけて進路を次第に東に変えて、西日本から北日本にかけての広い範囲で台風の影響を受ける可能性があります。
沖縄地方と九州南部・奄美地方では、暴風や高波に厳重に警戒してください。九州南部・奄美地方では土砂災害や低い土地の浸水、河川の増水や氾濫にも警戒してください。
三連休は、ほぼ全国で台風の影響を受けますので、最新の気象情報を入手し、警戒してください。
強い台風として上陸した場合
台風14号が強い台風として上陸した場合は、令和元年(2019年)の台風19号(東日本台風)以来となります。
この東日本台風は、10月6日3時にマリアナ諸島の東海上で発生し、発生からわずか39時間で中心気圧915ヘクトパスカルとなり、猛烈な勢力となった台風です。
その後、やや勢力を落としたとはいえ、10月12日19時前に大型で強い勢力で静岡県伊豆半島に上陸しています(図3)。
上陸直前の中心気圧は955パスカル、最大風速は40メートルでした。
静岡県や関東地方、甲信越地方、東北地方などで記録的な大雨となり、死者・行方不明者108人など甚大な被害をもたらしました。
このように死者・行方不明者が100人を超えたのは、昭和54年(1979年)の台風20号以来、40年ぶりのことです。
台風14号は、東日本台風とは季節も台風のコースも、南海上にある時の最大風速も異なっていますが、広い範囲の雨雲を伴っているということは同じです(タイトル画像参照)。
台風14号の動きは、それほど速くないということが予想されていますので、長時間にわたる雨によって総降水量が増える懸念があります。
油断はできません。
暴風域に入る確率
気象庁では、5日(120時間)以内に台風の暴風域に入る確率が0.5%以上である地域に対し、「暴風域に入る確率」を発表しています。
暴風域に入る確率には、面的情報と時系列情報の2種類があり、このうち、面的情報は、72時間先までの確率の分布によって、暴風域に入る可能性が高い場所を地図上に表示したものです(図4)。
この面的予報によると、九州南部は70パーセント以上で、北陸西部でも30パーセント以上あります。
また、時系列予報は、全国の約370の区域を対象として、5日(120時間)先までの3時間ごとの暴風域に入る確率と、24、48、72、96、120時間先までの暴風域に入る確率の積算値を示したもの2種類があります(図5)。
これによると、鹿児島県奄美地方が暴風域に入る可能性が一番高いのが、9月17日(土)の夜遅くで、この頃が台風最接近と思われます。
また、鹿児島市が暴風域に入る可能性が一番高いのは9月18日(日)の夕方であり、長崎市が暴風域に入る可能性が一番高いのは9月18日の夜遅くです。
つまり、九州に上陸する場合は夜間ということになり、早めの警戒が必です。
また、高知市が暴風域に入る可能性が一番高いのは9月19日(月、敬老の日)の朝と、西日本を中心に三連休は台風14号に厳重警戒です。
タイトル画像、図2、図3の出典:ウェザーマップ提供。
図1、図4、図5の出典:気象庁ホームページ。