あがり続ける東京の女性生涯未婚率、遂に20%の大台を突破。
東京の女性の5人に1人は生涯未婚
2020年国勢調査結果より、前回に引き続き生涯未婚率の話題を。
東京は昔から未婚率が高いことで知られている。全国の生涯未婚率は男25.7%、女16.4%だったが、東京に限ると男26.4%、女20.1%となる。女性の東京未婚はついに20%の大台を超えたのだ。ちなみに、全国の男性の生涯未婚率が20%を超えたのが2010年。東京の男性が20%を超えたのが2005年である。東京の男性から遅れること15年で、東京の女性の5人に1人は生涯未婚となった。
全国の生涯未婚率はこちら
→【速報】2020年国勢調査確定報より、男女の生涯未婚率は何%になったのか?
前回の記事の中で、「年々未婚率の上昇幅は緩やかになっており、多分2040年あたりが天井になるだろう」と書いたことに対して、疑問の声も頂いた。ここでいう未婚率上昇幅は45-54歳の未婚率だけではなく、次にきたる年代の未婚率をも指している。そして、そのうち生涯未婚率が頭打ちになるだろうことは、全国の先導指標たる東京の生涯未婚率の推移でも推測可能である。
東京の生涯未婚率長期推移
以下に、男女別に、全国と東京の生涯未婚率の推移グラフを掲出する。
まずは男性から。
続いて女性。
ご覧の通り、東京は男女とも全国に先駆けて生涯未婚率が上昇しているが、男性は2010年以降、女性は2015年以降上昇カーブが鈍化していることがわかる。全国の他のエリアも東京から遅れて10年後くらいには同じように鈍化していくだろう。2040年に生涯未婚率は天井になるというのはそういう観点からも言える。
ただ、興味深いのは、東京の男性の鈍化が想定以上(未婚率が予想よりあがっていないこと)で、もしかしたら、そのうち東京は男女とも同じような未婚率になっていくかもしれない。
以前、この記事でも書いた通り、2017年就業構造基本調査による年収別の生涯未婚率では、年収400万円以上稼ぐ女性の生涯未婚率は大体25%で一定している。東京で働く女性の年収を考えれば、東京の女性の生涯未婚率が25%になっても決して不思議ではない。
結婚だけが唯一の道ではない
未婚男女ともに加齢によって結婚意思は薄まってくるが、45歳以上ともなると、女性の60%以上が結婚に後ろ向き(結婚するつもりはない・結婚は諦めた)になる。
中には元から結婚する意思のなかった積極的生涯未婚もいるだろうし、30代までは結婚するつもりだったが、適当な相手がいないため独身を決意したという消極的生涯未婚もいるだろう。経済的自立を実現して結婚する必要性を感じなくなった女性もいるかもしれない。
昨今、40~50代での婚活を応援しようとするミドル婚やシニア婚というサービスも増えてきているが、無理に結婚しなければいけないという話でもない。特に、長い間一人暮らしをしている人にとっては、むしろ誰かとの共同生活そのものが受け入れられなくなっている場合もある。
もちろん、誰とも接触しないで社会的に孤立してしまうことは避けるべきだが、その解決方法が結婚というカタチだけではないはず。結婚もひとつの共同体として機能するが、決して結婚や同居だけが人とのつながりというわけでもない。自分以外全員が結婚するという皆婚時代でもないのだから、「ソロで生きる」者同士のネットワークがあってもいい。必要に応じて、場面に応じて、誰かとつながりあっていければいいのではないだろうか。
これは決して未婚者だけに限った話ではない。たとえ結婚して家族を持ったとしても、いずれは離別や死別によって独身に戻ることになるのだから。
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