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3回KO勝ちでWBC暫定ミドル級タイトルを手に入れたハードパンチャー

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Esther Lin/SHOWTIME

 WBC6位に左ストレート、右フックをクリーンヒットし、フアン・マシアス・モンティエルをロープ際に追い込んだサウスポーのカルロス・アダメスが更に右フックを見舞うと、モンティエルは大きくバランスを崩した。モンティエルの目は何かに縋るかのようだった。

 次の瞬間、アダメスが右ジャブ、左フック、ダブルの右フック、左アッパー、右ショートストレート、右フック、左フックと連打を浴びせたところでレフェリーが試合をストップした。

 公式KOタイムは第3ラウンド、2分37秒。 

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 同1位のアダメスは自身の戦績を22勝(17KO)1敗とし、WBC暫定ミドル級タイトルを獲得した。

 モンティエルも2021年6月19日にジャーモール・チャーロの持つWBCミドル級王座に挑み、判定まで粘った経験があったが、為す術が無かった。

 快勝の後、28歳のドミニカンは語った。

 「ミドル級ナンバーワンはこの俺だ。このクラスで俺と戦う勇気を持つビッグネームとやりたいね」

Esther Lin/SHOWTIME
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 この日の興行では、1階級下のWBC暫定スーパーウエルター級タイトルマッチがトリを飾ったが、アダメスは確実にメインイベンターの2人を食った。

 「レフェリーはいい仕事をしたよね。俺は強いんだ。もっとパンチを浴びせていたら、モンティエルは深刻なダメージを食っていただろう。彼にはまだ先がある筈だから、あそこで終わらせて良かったよ。

 俺はミドル級最強だ。それを証明すべく、ジャーモール・チャーロや他のチャンピオンとやりたい。祖国、ドミニカに勝利を捧げられて嬉しい。今夜のパフォーマンスを喜んでくれているさ」

Esther Lin/SHOWTIME
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 モンティエルも話した。

 「言い訳はしません。彼が自分より優秀だったから負けたんです。ちょっと休息し、ダメージが回復したらより良く、強くなって戻ってきますよ。メキシコのファンたちは、そのことを理解しているでしょう」

 株を大いに上げたアダメス。面白い存在である。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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