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台風2号が発生、侮れない5月の台風に要注意

杉江勇次気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属
台風2号の雲の様子(ウェザーマップ)

台風2号が発生、発達しながら北上へ

台風2号の予報円(ウェザーマップ)
台風2号の予報円(ウェザーマップ)

最新の台風2号の予報円(気象庁発表)

きょう20日(土)午後3時、グアム島の南方海上で、台風2号が発生しました。今後は30度前後ある高い海水温の海域を発達しながら北上する見込みです。

気象庁の予報円によると、来週23日(火)頃、グアム島付近を通過し、5日後の25日(木)午後3時には、中心気圧940hPa、最大風速45メートル、最大瞬間風速65メートルの非常に強い勢力に発達する見込みです。

この5日後の予報円の直径は約1300キロもあり、この時点でも、東寄りを北上するか、西寄りを進むか、かなり不確実な状況ですが、これは台風の前面に張り出す太平洋高気圧の盛衰の計算がかなりばらついているためです。

北上の鍵を握る太平洋高気圧の勢力

太平洋高気圧と台風の予想(ウェザーマップ資料を元に筆者作成)
太平洋高気圧と台風の予想(ウェザーマップ資料を元に筆者作成)

台風2号の北上の鍵を握るのは日本の南海上に広がる太平洋高気圧の勢力です。

これまでは小笠原付近にまっすぐ北上して、そのまま日本の東海上へ抜けるようなコースもかなり計算されていましたが、時間を追うごとに小笠原付近の太平洋高気圧が勢力を強める予想に変わってきており、その結果、台風は西寄りに流されて、来週の週末にかけて、沖縄付近を指向するような計算が増加している状況です。

さらに日本の南で太平洋高気圧が手をつなぐように勢力を強め、フィリピンの東へまっすぐ西進するような計算もある状態です。今後もこの太平洋高気圧の盛衰次第で、来週の週末以降の進路が変化する可能性があるため、目が離せない状況です。

侮れない5月の台風

2000年以降の本州付近への接近台風(ウェザーマップ資料を元に筆者作成)
2000年以降の本州付近への接近台風(ウェザーマップ資料を元に筆者作成)

5月というとまだ台風の季節という認識は小さいかもしれませんが、2000年以降で調べると、沖縄や奄美には平均で1年に1個程度は接近しており、本州付近にも同じく4年に1個程度は接近している計算です。(参考資料

上図は2000年以降で、5月までに本州付近に接近した台風の進路で、2015年台風6号2011年台風2号2011年台風1号2004年台風2号2003年台風4号2003年台風2号と、計6個あり、このうち、2004年台風2号は関東に接近したほか、2003年台風4号は四国に上陸しました。

5月は日本の南海上の海水温がまだそれほど高くなく、本州付近に接近するとともに衰弱することが大半ではありますが、それでも熱帯の湿った空気や活発な雨雲を伴って北上してくるため、雨や風に伴う大きな災害が発生することがあります。5月の台風を侮ってはいけません。

気象解説者/気象予報士/ウェザーマップ所属

人の生活と気象情報というのは切っても切れない関係にあると思います。特に近年は突発的な大雨が増えるなど、気象情報の重要性が更に増してきているのではないでしょうか? 私は1995年に気象予報士を取得しましたが、その後培った経験や知識を交えながら、よりためになる気象情報を発信していきたいと思います。災害につながるような荒天情報はもちろん、桜や紅葉など、レジャーに関わる情報もお伝えしたいと思っています。

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