ナポレオン3世妃が愛した旧宮殿、ホテル デュ パレを帝国ホテルで味わう1週間
120年以上の名門ホテルのコラボレーション
「日仏名門ホテルが紡ぐ「ル・ロワイヤル・モンソー ラッフルズ パリ ウィーク」とは?」で帝国ホテルとル・ロワイヤル・モンソー ラッフルズ パリの名門ホテルのコラボレーションをご紹介しました。
帝国ホテルはル・ロワイヤル・モンソー ラッフルズ パリ以外にも、同じくパラスの称号を獲得している名門ホテルのホテル デュ パレとコラボレーションを行います。ホテル デュ パレは1893年に開業した老舗ホテルであり、1890年に開業して今年で125周年を迎える帝国ホテルとあわせて、共に120年以上も国内外の来賓を迎えてきました。
この日仏名門ホテルが力を合わせた「ホテル デュ パレ ウィーク」が4月13日から19日の間に開催され、ホテル デュ パレ総料理長のジャン・マリー・ゴーティエ氏の特別メニューが提供されているのです。
「ル・ロワイヤル・モンソー ラッフルズ パリ ウィーク」では「ラ ブラスリー」でフェアが行われましたが、今回はミシュランガイド1つ星を獲得し続けている「レ セゾン」で行われます。ホテル デュ パレの「ラ ヴィラ ユジェニー」はミシュランガイド1つ星を獲得しているだけに、星付きレストラン同士のコラボレーションとしても期待が高まります。
ホテル デュ パレ ウィークはどういったフェアなのでしょうか。
初めてのフェア
広報課 野口芙実氏は「3回目行っているル・ロワイヤル・モンソー ラッフルズ パリ ウィークとは違って、今回のホテル デュ パレ ウィークは今年が初めて」と、今回のコラボレーションは重要な第1回目であると話します。
開催のきっかけを問うと「共に120年以上も国内外の賓客をお迎えするホテルなので、レ セゾンのティエリー・ヴォワザン シェフもホテル デュ パレと一緒にフェアができないかと以前から考えていた。幸運にもホテル同士でつながりを持てる機会があり、それをきっかけにして、開業125周年記念企画のひとつとして開催する運びとなった」と、この歴史的ともいえる老舗ホテルのコラボレーションの背景について説明します。
親和性が高い
今フェアについては「ゴーティエ氏は、素材にあまり手を加え過ぎず、素材そのものを活かした調理法や料理作りを信条としているので、ヴォワザン シェフが作る料理と似ている」とこれまでのレ セゾンと親和性が高いとしながらも、「ホテル デュ パレはバスク地方にあるホテルなので、バスク地方の料理でよく使われている食材も取り入れている」と今度はこれまでのレ セゾンにはない特徴を挙げます。
ヴォワザン氏も「ゴーティエ氏はM.O.Fを受賞しており、フランス料理界の中でも一目置かれている料理人。今回のコラボレーションが現実になったことを大変光栄に思う」と素直に喜びを表し、「素晴らしい1週間となるので、普段とは違うレ セゾンを存分に楽しんでいただきたい」と自信を持ちます。
では、ホテル デュ パレ ウィークのメニューを紹介していきましょう。
アミューズ
アミューズは2品の盛り合わせです。
パイ生地の上にはブルガリアヨーグルトのムースとソラマメとリーフレタスのムースが重ねられ、トップには新玉葱とソラマメ。豆の青さが春を感じさせますが、ヨーグルトが合わされているのでマイルドに。
バトンは、毛蟹をラビオリ風にしたもので、ゼラチンで包んでいます。喉越しがよく、磯の香りも豊か。
ヴルテ ウージェニー(ナポレオン3世妃)海老のロワイヤルとシャンピニオン
ナポレオン3世の妻ウージェニーの名を付けた料理です。
目の前でオマール海老の旨味が凝縮されたヴルーテをかけてもらえます。海老のロワイヤルは軽い仕上がりながら心に残る味で、オマール海老のヴルーテとよく合います。
ルージェのポワレ ヤリイカとクリーミーにしたお米 ソース ア ランクル
クロッシュに被せられて供され、磯の香りがする海苔を加えたパンを添えられます。洗練されたイトヨリ鯛のポワレはイカスミのソースと合わせると抑揚ある味わいに。リゾットとヤリイカは、イトヨリ鯛の上品さを引き立てています。
ご賞味 ソートワールで火入れした乳飲み仔羊 おいしい季節の野菜 エスプレットピマンを効かせたジュ
ソテー用の鍋で仔羊を調理しており、クロッシュが目の前で開けられます。バスク地方特産のエスプレット唐辛子を使っています。仔羊の背肉は骨付きで香草風味に。腿肉は軽い火入れで乳飲み仔羊のほのかな味わいをしっかり捉えています。ローズマリーで香り付けられたパートブリックはよい変化です。このメインディッシュの一皿は繊細な乳飲み仔羊の魅力を引き出したデクリネゾンに仕上がっています。
皇妃の思い出 ショコラとカフェ
パティシエを務めるゴーティエ氏の26歳のご子息が作ったアシェット デセールです。
エスプレッソとチョコレートにサブレを重ねて、全部で4層に。濃厚ながらも、サブレのサクサク感とバターの香りで、心地よい余韻です。コーヒームース、飴で作った金の輪を載せています。
貴重な1週間のフェア
フランス南西部バスク地方の都市ビアリッツの海沿いにあるホテル デュ パレは、幼少の頃に遊んだ美しい海岸を懐かしんだという妻ウージェニーのためにナポレオン3世が1854年に建てた宮殿を利用したホテルです。
フランス王室に嫁いだスペイン貴族のウージェニーが愛したフランス王室の宮殿が遥か160年もの時を超えて、日本の象徴である天皇家のご結婚式にも利用される帝国ホテルと縁を取り持ったことは感慨深いものであり、それだけに「食のバスク」とも呼ばれるバスク料理のエッセンスが日本のフランス料理界を牽引してきた帝国ホテルに注がれるこのホテル デュ パレ ウィークは、日仏の食の歴史にとっても貴重な1週間となるでしょう。
情報
詳しくは公式サイトをご確認ください。
参考
レストラン図鑑にもレ セゾンが詳しく掲載されていますので、ご参考にどうぞ。