エンジェルスの「春の優勝」はシーズンにつながっているのか。レンドーンは「首位打者」
今春、ロサンゼルス・エンジェルスは、カクタス・リーグ最高の勝率.621(18勝11敗)を記録した。グレープフルーツ・リーグのトップは、勝率.708(17勝7敗)のセントルイス・カーディナルスだ。
過去10年(2013~22年)のスプリング・トレーニングにおける、勝率リーグ1位のチームと、その年のレギュラーシーズンの結果は、以下のとおり。なお、スプリング・トレーニングの勝敗は、MLB.comに準拠した。
当然と言うべきか、スプリング・トレーニングで強くても、シーズンに入ってから多くの白星を積み上げることができるとは限らない。過去10年のカクタス・リーグとグレープフルーツ・リーグにおいて、勝率が最も高かった延べ21チーム中、その年のポストシーズンに進んだのは、約半数の10チームだ。直近の5年(2018~22年)に限っても、ポストシーズン進出は10チーム中6チームなので、半数前後という点は変わらない。
エンジェルスとカーディナルスは、昨春も、リーグ最高の勝率を記録した。エンジェルスは、スプリング・トレーニングの強さと弱さに関係なく、2016年から負け越しシーズンを7年続けている。一方、カーディナルスのシーズン負け越しは、2007年が最後だ。その翌年から15年連続勝ち越し(継続中)。このスパンのポストシーズン進出は、10度を数える。
なお、今春、アンソニー・レンドーン(エンジェルス)が記録した打率.500(36打数18安打)と出塁率.561は、リーグを問わず、40打席以上の349人のなかで最も高い。OPS1.367は3位だ。その上にいるのは、1.512のマイク・ブロッソー(ミルウォーキー・ブルワーズ)と1.509のマット・オルソン(アトランタ・ブレーブス)。オルソンの8本塁打と18打点は、どの選手よりも多い。盗塁は、ブライス・ジョンソン(サンフランシスコ・ジャイアンツ)が最多。12度成功させ、失敗はなかった。
また、菊池雄星(トロント・ブルージェイズ)の防御率0.87(20.2イニング)は、20イニング以上の15人中ベストだ。15イニング以上の103人のなかでも、ハーマン・マーケズ(コロラド・ロッキーズ)の0.53(17.0イニング)とジョサイア・グレイ(ワシントン・ナショナルズ)の0.55(16.1イニング)に次ぐ。