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「チーム三冠王」は中日の細川成也だけ。パ・リーグは打撃三冠に盗塁王も福岡ソフトバンクが独占

宇根夏樹ベースボール・ライター
周東佑京(左)と近藤健介 MAR 12, 2023(写真:CTK Photo/アフロ)

 細川成也(中日ドラゴンズ)が2024年に記録した、打率.292、23本塁打、67打点は、いずれも、チーム・トップだ。打率は、規定打席以上の選手を対象としている。中日で443打席以上は細川と岡林勇希の2人だが、細川の打率はリーグ4位なので、決して低くない。

 細川のスタッツをブレイクした前年と比べると、打点(78→67)は10以上の減少ながら、ホームラン(24本→23本)の本数はほぼ変わらない。打率(.253→.292)は39ポイントのアップだ(.001=1ポイントとして表記)。

 また、出塁率(.326→.368)とOPS(.780→.846)は、プラス42ポイントとプラス66ポイント。四球率(8.5%→10.0%)と三振率(28.0%→26.5%)も、少しずつ向上している。

 細川の他に、2024年の「チーム三冠王」はいない。ちなみに、過去5シーズンのチーム三冠王は、それぞれ、4人(2019年)、2人(2020年)、3人(2021年)、2人(2022年)、3人(2023年)だった。中日のチーム三冠王は、2019年のダヤン・ビシエド以来だ。5年前、ビシエドは、打率.315、18本塁打、93打点を記録した。ホームランは、福田永将と同じ本数だった。

 2019~23年の各シーズンについては、こちらで書いた。

◆2019年

「【球団別・打撃リーダーズ 2019】「チーム三冠王」は4人。15本塁打未満の「チーム本塁打王」も」

◆2020年

「各球団トップの打者たち。柳田悠岐と鈴木誠也は「三冠王」。打率.250以上がいない球団も」

◆2021年

「今年の「チーム三冠王」は3人。広島東洋の鈴木誠也と福岡ソフトバンクの柳田悠岐と…。各球団の部門別1位」

◆2022年

「村上宗隆の他に「チーム三冠王」は1人だけ。千葉ロッテは、打率、本塁打、打点のチーム1位がそれぞれ違う」

◆2023年

「パ・リーグの本塁打王は3人とも「チーム三冠王」だが、岡本和真はそうではなく、打率はチーム3位」

 2024年の各チームにおける、打率、本塁打、打点、出塁率、OPS、盗塁のトップは、以下のとおり。打率、出塁率、OPSは、規定打席以上の選手が対象。スタッツの右には、リーグ順位を記した。

筆者作成
筆者作成

 福岡ソフトバンク・ホークスのチーム・トップは、パ・リーグの首位打者、本塁打王、打点王でもある。打率.314の近藤健介に、34本塁打と99打点の山川穂高がそうだ。福岡ソフトバンクには、リーグ最多の41盗塁を記録した周東佑京もいるので、1チームで打撃三冠と盗塁王の4タイトルを独占、ということになる。

 セ・リーグでは、日本シリーズで福岡ソフトバンクを破った横浜DeNAベイスターズの選手が、打撃三冠に盗塁の4部門とも、リーグ・トップ3にランクインしている。

 一方、埼玉西武ライオンズのチーム・トップは、どの部門もリーグ・トップ5に入っていない。なかでも、ホームランは、中村剛也佐藤龍世外崎修汰の各7本が最多。3人の合計本数は、ネフタリ・ソト(千葉ロッテ・マリーンズ)と同じだ。パ・リーグのトップ3、34本塁打の山川、25本塁打のフランミル・レイエス(北海道日本ハム・ファイターズ)、23本塁打のグレゴリー・ポランコ(千葉ロッテ)より少ない。

 2024年のメジャーリーグにおける、各チームのトップは、こちら。

「ジャッジと大谷以外に「チーム三冠王」は何人いるのか。大谷は盗塁もチーム最多」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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