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代理人の力は、日本代表の成績と密接な関係がある

杉山茂樹スポーツライター
セレッソ大阪に復帰した清武弘嗣(写真:なかしまだいすけ/アフロ)

清武弘嗣がセビーリャを退団。セレッソ大阪に戻ることになった。移籍金は600万ユーロ(約7.2億円)とのこと。昨年なら起きにくい話。ダゾーン参入の恩恵そのものといっても言い過ぎではない。だが、そのために増えたクラブの予算を、外国人の大物の獲得ではなく、海外組を呼び戻すために使用するというのは少しばかり夢がない。

清武は現在27歳。年齢的にはいまが旬の選手だ。お金の使い方もさることながら、清武にとっても、もったいない話だ。スペインリーグは、UEFAリーグランキングで、ブンデスリーガに大差をつけて首位を行く欧州ナンバーワンリーグ。そこでセビーリャは現在、レアル・マドリー、バルセロナに次いで3位につけている。UEFAクラブランキングも現在9位。今季CLでそれなりの成績を収めれば、ドルトムント等を抜き、欧州の5位以内も十分に狙えようかという勢い。まさに欧州のトップクラブだ。

一方で、欧州市場の中では、基本的には育てて売るクラブだ。まだ完全に底が割れていない選手でメンバーを構成。金満クラブに選手を売りさばく商売っ気も備えつつ、同時に好チーム化を図り成績でも上位を狙う。素材もいいけど、サッカーもいい。清武はその一員から脱落した格好だ。惜しいといわざるを得ないが、セビーリャからC・大阪への移籍は、2階級以上の大幅な降格である。あまりにも著しい下落の幅だ。

昇りの階段と下りの階段が常に用意されているサッカー選手。昇りの階段を徐々に上り詰めていくのが理想的スタイルだ。一歩下がって二歩進むでも構わないが、清武自身も下げ幅は最小限に食い止めたいと考えていたに違いない。

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スポーツライター

スポーツライター、スタジアム評論家。静岡県出身。大学卒業後、取材活動をスタート。得意分野はサッカーで、FIFAW杯取材は、プレスパス所有者として2022年カタール大会で11回連続となる。五輪も夏冬併せ9度取材。モットーは「サッカーらしさ」の追求。著書に「ドーハ以後」(文藝春秋)、「4−2−3−1」「バルサ対マンU」(光文社)、「3−4−3」(集英社)、日本サッカー偏差値52(じっぴコンパクト新書)、「『負け』に向き合う勇気」(星海社新書)、「監督図鑑」(廣済堂出版)など。最新刊は、SOCCER GAME EVIDENCE 「36.4%のゴールはサイドから生まれる」(実業之日本社)

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