ハーパーは再びポジションを変更し一塁から外野へ戻る可能性あり!?
ブライス・ハーパー(フィラデルフィア・フィリーズ)は、2021年まで、ライトを定位置としていた。2022年は、開幕直後に右肘を痛め、以降はDHに。トミー・ジョン手術を経て、5月初旬に復帰した2023年も、DHとしてプレーしていたが、7月下旬からは一塁の守備についた。2024年は、出場した145試合中142試合で一塁を守った。
DH出場は肘が理由だが、2023年の一塁出場はチーム事情による。開幕直前にリース・ホスキンス(現ミルウォーキー・ブルワーズ)が左膝の前十字靭帯を損傷し、フィリーズの一塁は、流動的な状態が続いていた。それに加え、カイル・シュワーバーは、外野を守るよりもDHが適任だ。ジ・アスレティックのマット・ゲルブやMLB.comのジョン・フェイらによると、一塁を守ることは、ハーパー自身がロブ・トムソン監督に申し出たという。
昨オフ、フィリーズは、シーズン全休のままFAになったホスキンスとの再契約を見送り、引き続き、ハーパーを一塁手とした。ここ2シーズンとも、ハーパーが守ったのは、一塁だけだ。
だが、来シーズン、ハーパーは、再びライトを守るかもしれない。肘が万全となったので、一塁からライトへ戻る、ということではない。また、一塁手としてのハーパーの守備が拙かったわけでもない。2024年は、ゴールドグラブこそ受賞しなかったものの、ファイナリストに名を連ねた。一塁の守備において、ナ・リーグ2番目か3番目と評価されたということだ。
フィラデルフィア・エンクワイアラーは、「フィリーズはブライス・ハーパーを外野に戻したいとは思っていない。ホアン・ソトの代替案となるFAにより、そうするかも」と題したスコット・ローバーの記事を掲載した。サブ・タイトルには「一塁のマーケットにはより強力なオプションあり」と記されている。
ざっくり言うと、FAのホアン・ソトを逃した場合、「プランB」の外野手を手に入れるのではなく、一塁手を加えてハーパーを外野に戻す方法も、といった内容だ。外野手と一塁手、それぞれの具体的な候補も挙げている。
スーパースターであっても、チーム事情により、ポジションを変更することはある。ポジションA→ポジションB→ポジションAの一例を挙げると、殿堂選手のチッパー・ジョーンズがそうだ。
通算19シーズンの大半において、チッパーはアトランタ・ブレーブスで三塁を守ったが、メジャーリーグ9年目と10年目、2002~03年は、レフトのレギュラーとしてプレーし、アンドルー・ジョーンズとゲリー・シェフィールドの2人と外野トリオを形成した。この2シーズンは、レフト以外のポジションの守備にはつかなかった。2001年のオフに、ブレーブスは、FA市場に出ていた三塁手のビニー・キャスティーヤと2年800万ドル(2002~03年)の契約を交わした。キャスティーヤが去った後、チッパーは三塁に戻った。
ちなみに、ソトとハーパーは、ワシントン・ナショナルズでチームメイトだった。ソトは2019年にナショナルズでワールドシリーズ優勝メンバーとなったが、ハーパーは2018年のオフにFAとなり、フィリーズに入団した。フィリーズは、2022年にワールドシリーズまで進んだものの、ヒューストン・アストロズに敗れた。ハーパーは、まだワールドシリーズ優勝リングを手にしていない。