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東北楽天を去った外国人選手たち。マギーに続いてメジャーリーグで活躍する選手は出てくるのか

宇根夏樹ベースボール・ライター

2014年の東北楽天ゴールデンイーグルスでは、9人の外国人選手がプレーした。彼らのなかで、今シーズンもチームに残っているのはライナー・クルーズだけだ。ケーシー・マギー(サンフランシスコ・ジャイアンツ)のように、東北楽天を去った後にメジャーリーグで活躍する選手は出てくるのだろうか。

ニック・エバンスはアリゾナ・ダイヤモンドバックス傘下のAAA、リノ・エーシズでプレーしている。このチームには、埼玉西武ライオンズにいたコーディ・ランサムとオリックス・バファローズにいたダン・ランズラー(一軍登板なし)も所属していて、3人が揃って出場した試合もある。

他にも、日本プロ野球からアメリカへ戻ってAAAにいる選手は少なくなく、エバンスらがプレーするエーシズと同地区(パシフィック・コースト・リーグのパシフィック・ノーザン地区)のチーム、ジャイアンツ傘下のサクラメント・リバーキャッツには、ジョン・ボウカーがいる。エーシズとリバーキャッツの対戦は、5月4~7日の4連戦を皮切りに16試合が組まれている。

トラビス・ブラックリーもジャイアンツとマイナー契約を交わし、ボウカーとチームメイトになる可能性があったが、開幕前に解雇された。ブラックリーと同様に、ブライアン・ファルケンボーグアンドルー・ジョーンズ(アンドリュー・ジョーンズ)の2人も、現在はどこにも所属していない。ジョーンズについては、2月にボストン・グローブ紙のニック・カファードが「代理人のスコット・ボラスによれば、少なくとも2チームがジョーンズに興味を示している」と報じたが、契約には至っていない。

ザック・ラッツは韓国、ルーク・ファンミルはオランダへ。また、台湾には読売ジャイアンツにいたクリス・セドンがいて、メキシコでは福岡ソフトバンクホークスにいたポール・オセゲラ、バファローズにいたユニエスキー・ベタンコート、北海道日本ハムファイターズにいたホアン・ミランダがプレーしている。横浜DeNAベイスターズにいたエンジェルベルト・ソトは、BCリーグの群馬ダイヤモンドペガサスに移籍した。

ケビン・ユーキリスは選手生活を終え、シカゴ・カブスのスカウト&選手育成コンサルタントとなった。カリフォルニア北部を担当エリアとして打者をスカウティングするとともに、カブス傘下のマイナーリーグにいる打者を指導している。ユーキリスがカブスでプレーしたことはないが、カブスのセオ・エプスティーン球団社長とジェド・ホイヤーGMとは、ボストン・レッドソックスで一緒だった。カブスでは、元レッドソックスのマニー・ラミレスもコンサルタントを務めている。

現在のメジャーリーグには、東北楽天にいた8人に限らず、2014年に日本プロ野球でプレーした選手は見当たらない。ただ、過去にはライアン・ボーグルソン(ジャイアンツ)のような例もある。2009年のオフにバファローズを退団したボーグルソンが、メジャーリーグに復帰したのは2011年の開幕直後。2010年はフィラデルフィア・フィリーズとロサンゼルス・エンジェルスのAAAで計33試合に投げた。ユーキリスにしても、これからどういうキャリアを歩んでいくのかはわからないが、数年後にはメジャーリーグのコーチや監督として、ダグアウトに姿を見せてくれるかもしれない。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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