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有吉弘行の魅力は「年相応」。40歳を目前にして若く見られることが急に恥ずかしくなってきた件

大宮冬洋フリーライター

30歳に見えますか? 本当は47歳なんです! といったCMをネットやテレビ、雑誌で頻繁に見かける。「人は実年齢よりも若く見られたい」ことを前提にしているようだ。では、実際には「若く見える人」がモテるのだろうか。

筆者は男女関係に関するインタビュー記事を取材・執筆することが多い。「晩婚さん」を訪ね歩いたり、仕事つながりでの恋愛を考察したり、自らお見合いおじさん活動をしてみたり。最近では、アラサー独身男性の生態調査を行ったり、同じ世代の女性の恋愛事情を聞き取ったりもしている。「性的な交渉も含むパートナーとして見た場合、魅力的な個人とはどんな人か」をインタビューを通して考え続けているともいえる。

結論を言えば、一見して若く見える男女が長期的に付き合えるパートナーを確保しやすいわけではない。実年齢以上に老け込んでいることは論外だが、年相応の外見(ファッションも含む)と立ち振る舞いを備えた人がモテやすいのだ。40代であれば、シワもあるし服装は落ち着いているけれど、精力的で安定感がある人が好まれる。

芸能人で例えるならば、お笑い芸人の有吉弘行だろう。彼の外見と言動は30代とは思えないし、かといって40代後半でもない。41歳という年齢そのものだ。20代の栄光と挫折、30代の再起。数奇な体験と努力と覚悟が全身からにじみ出ているように感じる。

先日、映画『テッド』の日本語吹替え公開アフレコに訪れたAKB48のメンバーに対して、「随分エロくなられた」と有吉が放言したことが話題になっている。この発言も20代30代のうちだと生々しすぎるし、50代以降だと「おじさんが娘よりも若い子にセクハラしている」と思われかねない。41歳の有吉が言うからこそ「ちょうどいいユーモア」になる。

女性の場合も同じだと筆者は思う。まともな社会人男性は「若い子」「若く見える人」などを人生のパートナーとして求めていない。若々しく美しい外見であることは重要だが、「47歳なのに30歳に見える」のはやりすぎであり、「痛々しくて中身のない中年女性」と思われてしまうだけだ。経験を重ねて、年相応の賢さと思いやりと美しさを持っている女性こそが頼もしくて嬉しい。

振り返ってみると、30代はなんとも中途半端な時期だと感じる。見た目も中身も「中年」にはなり切れない。少し気を抜くと、20代の頃と変わらない言動をしてしまう。若さへの未練があるからだと思う。35歳なのに28歳だと間違われたりすると嬉しくなったりする。

筆者は来年に40歳になる。若気の至りなどは許されない中年であり、働き盛りの年齢だ。このことを自覚してから、急に「若く見られる」ことが恥ずかしいと感じるようになった。今まではいろいろと妄想混じりの願望もあったけれど、自分は自分自身でしかないという心地良いあきらめがついてきたのかもしれない。もちろん、妻をはじめとする女性から慕われたいが、40代として年相応のモテ方をしたい。

有吉弘行のあり方は、これから四十路に踏み込む我々にヒントと希望を与えてくれる。

フリーライター

僕は1976年生まれ。40代です。燦然と輝く「中年の星」にはなれなくても、年齢を重ねてずる賢くなっただけの「中年の屑」と化すことは避けたいな。自分も周囲も一緒にキラリと光り、人に喜んでもらえる生き方を模索するべきですよね。世間という広大な夜空を彩る「中年の星屑たち」になるためのニュースコラムを発信します。著書は『人は死ぬまで結婚できる』(講談社+α新書)など。連載「晩婚さんいらっしゃい!」により東洋経済オンラインアワード2019「ロングランヒット賞」を受賞。コラムやイベント情報が読める無料メルマガ配信ご希望の方は僕のホームページをご覧ください。(「ポスト中年の主張」から2017年3月に改題)

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