現役保育士が「お家の人はなぜ気付かないの?」と思うこと「ママと過ごす時間がないんだ」
共働きの現役保育士です。
子どもが漏らす本音や発達の状態など、「ママ・パパはどうして気が付かないのだろう」と思うことが多々あります。
今回は、保育園内だからこそ気が付きやすいであろう子どもの姿について、エピソードを紹介したいと思います。
※すべて仮名
「ママと過ごす時間が少ないんだ」
0歳児のときから、平日は朝の7時5分に登園、降園は19:15。
土曜保育も利用しているケンちゃん。
4歳児になりお話も上手になったある日、「ママと過ごす時間が少ないんだ」とはじめてママに強く訴えたそう。
ショックを受けたママは翌日、仕事をお休みし2人で過ごす時間を作ってくれました。
ママと過ごした翌日、また元気に登園してくれたケンちゃんでしたよ。
ケンちゃんの場合、4歳になりお話が上手になったことと、身体を病む前に言葉で想いを伝えることができる子であったため、大事に至る前に解消することができたのだと思います。
お仕事が大変なのも理解できるため、保護者の方には言ったことがなかったものの、0歳児の頃からたまには息抜きもしないと大変だと思っていた保育士たちでした。
月末になると「今月も毎日12時間保育園に土曜保育は大変だねえ。大人でも働き過ぎの部類だよ」と話題にしていたものです。
「言葉よりも行動面の方が」
特定の物への強いこだわりや集団生活に対する困難などは、家庭では気が付きにくいことかもしれません。
保育園では同じ年齢の子が集まって生活をしているため、良い意味で子ども同士を比較することができるから気が付きやすいということもあるでしょう。
制作などもクラス全員で同じ物を作ったりするので、パーツ貼り方や並べ方などで「もしかして?」と思うことがあります。
お友達との距離の取り方の傾向なども集団生活の中だからこそ分かりやすいでしょう。
一方、言葉の発達の遅れについては家庭でも気が付きやすいのか、勉強面への影響が気になるからか保護者の方が自ら発達相談に行くことが多いように思います。
言語面に対し社交面の発達については、保護者の視点からは気が付きにくいようです。
「〇〇ちゃんママ、言葉の遅れが気になるみたいだけど、年齢が上がれば大丈夫だと思うけどね」とか「〇〇君、お友達と関われていないけど気にならないのかな」などと保育士たちの間で話すことがありますよ。
「食材が硬すぎ・柔らか過ぎ」
保育園でもたまにお弁当の日があります。
0-1歳児さんの場合は年齢や咀嚼の様子により食材の硬さや大きさに個人差がありますが、お弁当を見てびっくりすることがあります。
0歳児のサラちゃんのお弁当に小さく切った生リンゴが。
良く食べるサラちゃんなので、生のリンゴも喜んで口に入れるはずですが「お家で生のリンゴを食べているということなのか」と少々驚きました。
保育園で事故になっては危険なので、その日は保育士が細かくつぶしながらそーっとあげました。
一方、月齢に不適応なほど柔らかい食材ばかりのお弁当を見て「なるほど、保育園の給食は進まないはずだ」と納得することもあります。
子どもの食事の硬さなどは本などにも書いてありますが、実物を見る機会はそう多くありません。
このため、家庭では気が付きにくい点かもしれませんね。
まとめ
保育園内だからこそ気が付くことができたであろう子どもの姿について、エピソードを紹介してきました。
保育園の先生たちは、保護者の方が不快な思いをしてしまうことを危惧して、気が付いたことがあっても安直に報告するのを避けがちです。
少しでも気になることがあれば、気軽に先生たちに聞いてみてくださいね。
関連記事