本田圭佑のホングリッシュ英語力を見習うべき!
本田圭佑さんのACミランの記者会見は見事だったと思う。
特に、「I never met SAMURAI.(私はサムライに会ったことがありません)」のジョークは最高のアンサーだった。
このインタビューを見てもわかるように、本田さんの英語は決して流暢でもなく、文法的にも正しくない。しかし、自分の言いたいことの最低限はすべて語りきっている。この英語を話すことに対する姿勢が最も重要だ。きっと、日本の英語の先生は、本田さんの中学生レベルの語彙の英語には、こんなケチをきっとつけることだろう。
'過去完了形で話すのであれば、「have+過去分詞」が必要であり、「I have never met SAMURAI.」と言わなければなりません。「I never met SAMURAI.」だと、「私はサムライに会いません」となるので注意しましょう。もちろん英文法の試験では赤ペンがついてしまいます。
これだから、日本人はいつまでたっても英語が話せないのだ。日本の英文法教育が英語を話せなくなる人を量産し続けている。間違えると恥ずかしい、正しい文法でないと話せない。しかし、何も話さない方がもっと失礼なことをまったく教えていない!
日常会話で話をするならば、本田選手のインタビューを見ればわかるように、中学レベルの英語で十分なのだ。難しい単語も使わないでいい。できるだけシンプルな英語だけで話す。語彙が少なくても、話させるのだ。彼の英語スタイルを、本田なまりの英語として「ホングリッシュ」と名付けてみたい。インドのヒンディー語なまりの英語を「ヒングリッシュ」というようにだ。
さらに、彼はサッカー選手である。英語の先生でも、英語のビジネスマンでもない。さらに、野球選手ならば英語だけで通用するが、国際的な多国籍チームでプレイするサッカー選手となると、英語はコミュニケーション手段の一言語である。本田選手は、オランダ2年、ロシア4年のキャリアだから、6年間の海外経験だ。しかし、英語圏での6年間ではないから、ネイティブな英語環境ではない。さらにサッカー多国籍軍では、それぞれがプリミティブな英語でコミュニケーションしているから、難しい言葉はけっしてしゃべらない。しかも家庭が日本語環境だと英語を話す機会はさらに激減するのだ。本田選手のホングリッシュは、英語が上手には聞こえない。しかし、ヒアリング力があるから、シンプルな答えができる。また、英語と毎日触れることによって伝わる伝わらないは必要に応じて修正していける。
そして、このように、ロシア語→英語→ホングリッシュ→英語→ロシア語というコミュニケーションであれば伝わる要素もシンプルで短くしなければならない。そうしないと誤解を生む発言をしてしまうケースもあるのだ。野球のイチロー選手が英語が話せても、それを避けるために、必ず通訳を入れているのもその理由からだ。流暢な英語なのに残念である。
オランダのフェンロー時代は、オランダ語のyesの「JA(ヤー)」が入るので、ホングリッシュは、日本語の関西弁をベースにオランダ語とモスクワ語が混在している。さらに今後は、イタリア語が追記されてくることだろう。
何よりも大事なのは、どんなに簡単なことでも、英語でしゃべることなのだ。英語の記者会見で、あのレベルで?と思う人がいたら、その人が間違っている。本田選手は英語でしゃべっていなかっただろうか?英語だ。もちろん、努力をして、年々上手になってきている。すこしづつ、理解できる語彙も増えることだろうし、彼はサッカーにおけるピッチ上のビジネス英語であれば、もっと流暢にコミュニケーションしているはずだろう。
何よりも、ますます本田選手の英語インタビューを見る機会は増えてくると思う。どんな大舞台でも、自分を信じこめる力で英語をしゃべればいいのである。決して、中田英寿さんのような語学エリートと比較してはいけない。むしろ、ホングリッシュと自分の英語力こそ比較するべきだ。英語ができない人こそ、本田選手の英語力を非難しているようにさえ感じる。日本人が堂々と中学レベルの英語でも、世界を渡り合えることを「ホングリッシュ」で証明してほしいもんだ。ヤー!