14年目の松岡健一が球団史上初の偉業に“王手”~2018年ヤクルト注目の記録(投手編)
昨日に続き、今シーズンの達成が期待される東京ヤクルトスワローズの選手の記録を紹介する。今回は「投手編」。
通算150HP達成はプロ野球史上、過去に10人だけ
今年のキャンプは二軍の西都で調整を続けた松岡健一(35歳)だが、プロ14年目の今季は球団史上初の偉業に“王手”をかけている。それが通算150ホールドポイントだ。
ホールドポイント(HP)は2005年から採用された記録で、ホールド(一定の条件下でリードや同点の状態を保った中継ぎ投手に与えられる)と救援勝利の合計がこれに当たる。現在、「最優秀中継ぎ投手賞」として表彰されているのは、各リーグでこのHPが最も多い投手である。
まだ新しい記録のため、通算記録の上位はほとんど現役選手が占めており、昨シーズン終了時点で最多は山口鉄也(巨人)の324HP。150HPに到達した投手はこれまで10人しかおらず、昨季終了時点で通算149HPの松岡があと1つホールドもしくは救援勝利を挙げれば、ヤクルトの投手としては初の150HP達成となる。
松岡はホールドも昨年まで通算127を積み上げており、こちらはあと23で150に到達する。入団4年目の2008年から中継ぎとして勝利の方程式の一角を担い、2010年には自己最多の34ホールドをマークするなど、これまでシーズン20ホールド以上を3度記録しているが、2012年以降は昨年の8ホールドが最多。今季中に達成するためには、再び「方程式」の一角に食い込んでいくことが不可欠だ。
球団史上5人目の500登板まではあと23試合
なお、松岡は通算登板数も昨年まで477を数えており、あと23試合で通算500登板に到達する。こちらもヤクルトの球団史上では、前身の国鉄、サンケイ、アトムズの時代を含めても達成したのは金田正一(814)、松岡弘(660)、高津臣吾(598、現ヤクルト二軍監督)、五十嵐亮太(507、現福岡ソフトバンク)の4人しかいないという大記録である。
昨年の契約更改では「集大成ではないですけど、来年1年で自分が現役で培ってきたものを出せたら」と、今季にかける意気込みを口にする一方で、「来年(2018年)で終わるわけにはいかない」とも話していた松岡。2月23日に行われた二軍の練習試合では、東北楽天ゴールデンイーグルスを相手に、2番手で登板して1イニングを打者3人で抑えたが、これからの1カ月でアピールして、開幕一軍入りを狙っていきたいところだ。
その他、今季ヤクルトの投手に達成の可能性がある主な記録は、以下のとおり。
・石川雅規=通算1500奪三振(残り54、昨季88)
・館山昌平=通算1000奪三振(残り18、昨季3)
・成瀬善久=通算100勝(残り4、昨季0)
(文中敬称略)