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デトマーズがあと5アウトのところで逃した「2度目のノーヒッター」を達成した投手たち

宇根夏樹ベースボール・ライター
リード・デトマーズ(ロサンゼルス・エンジェルス)Aug 16, 2023(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 8月16日、リード・デトマーズ(ロサンゼルス・エンジェルス)は、8回裏の1死からマーカス・シミエン(テキサス・レンジャーズ)に二塁打を打たれるまで、ノーヒッターを継続していた。

 デトマーズは、昨年5月10日にノーヒッターを達成している。その前後とも、完投は皆無。8イニング目のマウンドに上がったのも、今回が2度目だった。

 ナ・リーグとア・リーグにおいて、2度以上のノーヒッターを達成した投手は32人――アメリカン・アソシエイションを含めると、他に3人――を数える。キャリア最初の2完投がともにノーヒッターは、マイク・ファイヤーズだけ。ファイヤーズは、3度目の完投を記録していない。

筆者作成
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 もっとも、デトマーズは、ノーヒッターを継続したまま、8回裏を終えていても、9回裏のマウンドには上がらなかった可能性が高い。ノーヒッターが途切れた時点で108球。次の球を投げることなく、マウンドを降りた。デトマーズの最多投球は、ノーヒッターと今回の108球だ。

 単独ノーヒッターと継投ノーヒッターのどちらも経験している投手は、それらの順序を問わず、5人いる。バイダ・ブルーマイク・ウィットケント・マーカーケビン・ミルウッドコール・ハメルズがそうだ。いずれも、単独と継投のノーヒッターが1度ずつ。5人中4人は、先発登板と先発登板だが、ウィットは、先発登板とリリーフ登板だ。デトマーズは、2度目の単独ノーヒッターより、こちらの6人目に近かったという見方もできる。

 なお、ヒューストン・アストロズの2人、クリスチャン・ハビアライアン・プレスリーは、2度の継投ノーヒッターに名を連ねている。2人とも、同じ2試合だ。2022年の6月25日も11月2日(ワールドシリーズ第4戦)も、ハビアは先発マウンドに上がり、それぞれ、7イニングと6イニングを投げた。そして、プレスリーは、最後の1イニングを締めくくった。

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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