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「GoToで泊まった高い旅館の料理多すぎ」で大炎上。旅館も炎上マーケティングの濡れ衣を着せられる事態

篠原修司ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門
炎上マーケティングの濡れ衣を着せられ否定する旅館。公式サイトより

 「GoToを利用して高い旅館に泊まったら料理が多すぎた。廃棄前提だ」とのツイートが大炎上。そこからなぜか旅館側が炎上マーケティングの濡れ衣を着せられ、「宣伝目的の依頼などは一切しておりません」と否定させられる事態が起きています。

「廃棄前提おじさん」がトレンドになるほど炎上

 問題のツイートは8月10日に投稿されたもので、「宿泊した旅館のご飯が多かった。廃棄前提で作られているのではないか」と指摘する内容でした。

 このようにかいつまんだ書き方だと問題なさそうな内容ですが、これが大炎上。ツイートを投稿したユーザーは「廃棄前提おじさん」と呼ばれ、8月13日には一時、『Twitter』のトレンドにも掲載される事態となりました。

 考えるに炎上してしまった理由は

  • GoToでわざわざ高い旅館に泊まって「料理が多い」という一般的に見るとメリットを大失敗呼ばわりしたこと
  • 料理の量は旅館として普通なこと(多すぎるは主観だった)
  • 自分が食べられないだけなのに廃棄前提と決めつけて批判したこと

 といったところになると思います。

 要するに原因は「書き方が悪かった」。

 そしてこれだけなら「大きめの炎上事件だったね」でおわるのですが、炎上したユーザーがプロフィール欄に「田端大学公式『BIG WAVE』立ち上げ」と書いていたことから、田端大学に炎上が飛び火します(田端大学は田端信太郎さんがオーナーのオンラインサロン)。

田端さん「田端大学で請け負った万座温泉の炎上マーケティング」

 炎上が広がっていった8月13日、田端大学オーナーの田端さんが「このご時世にあの温泉旅館、半年先までいっぱいになったらしいですよwww炎上マーケティング大成功じゃないですかw」、「田端大学で請け負った万座温泉の炎上マーケティングだよ」とツイートします。

 前者の内容は誤りであり、後者は事実であればとんでもないことです。炎上マーケティングを仕掛けたことがバレれば批判は免れないからです。

 田端さんはこのツイートのあとに「いや、だから、分かれよw 嘘を嘘と見抜ける人じゃないと」と「炎上マーケティングは嘘です」と受け取れる投稿をしていますが、ハッキリと否定していないため本当なのか嘘なのかわからない状態のまま、炎上だけがさらに広がり続けました。

旅館側「宣伝目的の依頼などは一切しておりません」

 そして同日夕、旅館側が公式サイトで「SNSで取り沙汰されている件につきまして、当宿で宣伝目的の依頼などは一切しておりません」と否定する発表をしなければならない事態となりました。

 ただ普通に営業していただけの旅館が、炎上マーケティングを依頼したと濡れ衣を着せられ、否定を発表しないといけない状況に追い込まれたわけです。

 本当に可哀想というか、お盆で忙しい旅館の人に迷惑をかけるなよと言いたくなります。

炎上マーケティングは自分たちだけでどうぞ

 筆者は炎上マーケティングに対して否定的な立場です。

 ただ、身内というか自分たちで仕掛けて自分たちだけが炎上するのであれば、否定はしますが法的には問題ありません。

 しかし、これに関係のない人や会社を巻き込んではダメでしょう。いまであれば店先やTwitterで「俺コロナ」と言っているようなものです。

 田端大学の関係者が炎上マーケティングを行うのは自由です。しかし、その炎上に他人を巻き込まないようにするのは最低限の行為です。

 普通の人は、炎上すると精神的にかなり傷つきます。田端大学の関係者はそのことを頭に入れておいて欲しいものです。

ITジャーナリスト/炎上解説やデマ訂正が専門

1983年生まれ。福岡県在住。2007年よりフリーランスのライターとして活動中。インターネット(SNS)で起きる炎上の解説、デマのファクトチェック、スマホやガジェットの話題、生成AIが専門。最近はYouTubeでも活動しています。執筆や取材の依頼は digimaganet@gmail.com まで

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