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Facebookを使って「やる気」をアップさせる方法

横山信弘経営コラムニスト
フェイスブックでやる気が上がるのか?(写真:ロイター/アフロ)

「やる気」アップの方法はいろいろある

「やる気」を出したい。けれども、なかなか「やる気」が出ない。こういう場合はどうすればいいか? 古今東西、多くの方が悩み、考え、テーマにしてきた話題です。その結果、「やる気」をアップさせる方法は多種多様に開発されました。しかし「これさえやれば誰だってやる気がアップするに違いない!」という方法に巡り合うことはないでしょう。

「やる気」が出ている状態というのは、積極的に何かをしようとする情感のことです。心身の内側から力が湧いてこないかぎり、意識も行動も変わりようがないと言えます。したがって「心身の状態」が人それぞれ違う以上、「やる気」を出す方法もそれぞれ違って当たり前ととらえるほうがよい、と私は考えています。

「やる気」が出ないなら他人に頼れ!

さて今回は、「やる気」を出すのに自分を頼らず、他人を頼ってみたらどうか、というアイデアを紹介します。「やる気」を出す、というのは、自分の背中を自分で押すようなもの。自分の手を自分で引っ張るようなものです。ですから、心身の内側にある何かの変化を期待するのではなく、自分の外側にあるものを変化させて、積極的に行動しようという情感を湧き立たせるようにするのです。

「やる気」を出させる、心身の外側にあるものとは――「環境」です。自分が身を置く「環境」を変化させるのです。自分自身を取り巻くもので、最も近いのは「空気」ですから、まずは空気の違う環境に身を置くことをお勧めします。自分が普段味わっている空気と、別の空気を醸し出している団体に所属すると、「やる気」は出てこなくても「その気」になることはあります。

「その気」というのは、いつの間にか、いろいろな人に影響を受けたり、周囲の空気に感化されて「そのような気持ち」になってしまった後付けの感情を指します。「やる気を出す」とは言いますが、「その気を出す」という言い方はあまり聞きません。ですから、自分で「出す」感情ではなく、他人の力によって「いつの間にか出ていた」「知らぬ間に出ちゃっていた」というものです。

「やる気」を出すためには、自分の背中を自分で押すようなものだ、と書きました。しかしそれはなかなか難しいので、自分の背中を他人に押してもらうような環境に身を置いて「その気」になることをお勧めします。そのほうが悩むことも少なく、ストレスもかからないからです。

なぜ人は「空気」に感化されるのか?

なぜ人は「空気」に感化されるのか? それは、特定の脳の神経細胞(俗称:ミラーニューロン)が原因と言われています。人は近くにいる人の言動のみならず、思考までも無意識にモデリングします。良くも悪くも周囲の人たち、そして空気に私たちは「感化」される生き物なのです。

「やる気」をアップさせたい。もっと意欲的に動きたい。しかし、なかなか自分の内側から熱いものが湧き上がってこない、という人は、「やる気」ではなく「その気」をアップする方法を考えてみましょう。

自分を「その気」にしてくれるような人が集まる場所へ出かけるのです。自分が目指す姿をすでに実行している人たち、目的を果たしつつある人たちのグループに、です。気を付けるべきポイントは以下の2つ。

● ただ目指しているだけで、実行していない人ばかりが集まる場所へ行くと本末転倒

● 人は人に影響を受けるため、「パワースポット」のような場所では意味がない

すぐに感化されなくとも、その「空気」に浸っているだけで、脳のミラーニューロンにより、徐々に影響を受けていくもの。なかなか「やる気」が出ない。「やる気」が出ても持続しないという人は、いつも「その気」にさせてくれる場所や集まりを探し、身を置くのです。自分の力を信じず、他人の力に頼るの。「空気」で自分を動かす、ということです。

Facebookを利用する

先述したとおり「やる気」を出すために、自分を「その気」にしてくれるような人が集まる場所へ出かけましょう、と書きました。しかしそんな場所がどこにあるのか? たとえあったとしても、場所が遠かったり、自分が参加できない時間帯に催されていたら、その環境に身を置くことは困難です。

そこで私が利用しているのがFacebookです。Facebookでなくてもいいですが、ソーシャルメディアはその気にさせてくれるコミュニティを見つけるうえで、とても手軽なツールです。

その気にさせてくれる環境は、その気にさせてくれるような人が集まっている場所を指します。したがって必ずクローズでなくてはなりません。誰もがいつでも出入り自由なオープン空間では、人に影響を及ぼす「空気」が安定しません。Facebookを利用する、とは書きましたが、なんとなく日々投稿したり、誰かのニュースフィードを眺めているだけで「その気」になることはないでしょう。あったとしても限定的です。

具体的にはFacebookグループという閉じたコミュニティに入ることが大切です。出入り自由ではなく、外からは見えないようなグループで、新しいメンバーにも積極的に声を掛けるような「利他の精神」を重んじる空気がある場所がよいでしょう。本当は、リアルな空気を共有していたほうがインパクトは強いですが、仮想の空間に身を置いていても、周囲から刺激を受ける「回数」が多ければ、かなり「その気」になるものです。

私はランニングや筋トレのFacebookグループを作り、そこにすでにランニングや筋トレが習慣になっていて、かつ他人を思いやることができるメンバーに入ってもらいます。そうすることで、私自身の「その気」アップに役立てています。私が「その気」をアップさせ、走ったり筋トレしたりすることで、また他のメンバーにも影響を及ぼすことができています。よい相乗効果が働いているのです。

「やる気」を出すには、「その気」にさせてくれるリアルな場所を探すのが一番ですが、いろいろな事情で難しいのであれば、Facebookをはじめとしたネット上のコミュニティを利用してみましょう。そのコミュニティがクローズであること。ギブ・アンド・ギブの精神――つまり自分さえよければいいというのではなく、他人を思いやる人が多く集まっていることを条件にして。

経営コラムニスト

企業の現場に入り、目標を「絶対達成」させるコンサルタント。最低でも目標を達成させる「予材管理」の理論を体系的に整理し、仕組みを構築した考案者として知られる。12年間で1000回以上の関連セミナーや講演、書籍やコラムを通じ「予材管理」の普及に力を注いできた。NTTドコモ、ソフトバンク、サントリーなどの大企業から中小企業にいたるまで、200社以上を支援した実績を持つ。最大のメディアは「メルマガ草創花伝」。4万人超の企業経営者、管理者が購読する。「絶対達成マインドのつくり方」「絶対達成バイブル」など「絶対達成」シリーズの著者であり、著書の多くは、中国、韓国、台湾で翻訳版が発売されている。

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