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主な新興国/米国経済ニュース(30日)

増谷栄一The US-Euro Economic File代表

米パロ・アルト・ネットワークス、2-4月期決算は市場予想上回り株価急伸

米ネットワークセキュリティ大手パロ・アルト・ネットワークス<PANW>が28日に発表した2014年2-4月期(第3四半期)決算は、最終損失が前年同期の728万ドル(約7億4000万円)から1億3910万ドル(約140億円)へ、また、1株当たり損失(希薄化後)も10セントから1.86ドルに拡大した。しかし、一時的項目を除いた調整後の1株当たり損失は11セントとなり、アナリスト予想の16セントの損失を下回った。

一方、売上高は同49%増の1億5070万ドル(約154億円)となり、アナリスト予想の1億4620万ドル(約149億円)を上回った。大幅増収にもかかわらず、利益面で損失が拡大したのは営業経費が前年同期の8000万ドル(約80億円)から3倍超の2億4930万ドル(約250億円)となり、コスト増加が売り上げ増を上回ったため。それでも利益と売上高のいずれも市場予想を上回ったことから、同社の株価は28日、0.14%安の69.51ドルで引けたあとの時間外取引で、米東部時間午後7時59分時点で10.99%高の77.15ドルと、急伸している。

また、同社はセキュリティ製品の知的所有権に関する問題で争っていた同業大手ジュニパー・ネットワークス<JNPR>と和解したことも明らかにした。和解条件はお互いにパテントの使用を認め合うほか、8年間はお互いに訴訟を起こさないこと、また、パロがジュピターに1億7500万ドル(約180億円)の和解金を支払うとなっている。

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米アップル、音楽関連ビーツ・エレクトロニクスを3千億円超で買収

米IT大手アップル<AAPL>は28日、ヘッドフォンメーカーのビーツ・エレクトロニクスと傘下のストリーミング楽曲配信サービスのビーツ・ミュージックを30億ドル(約3060億円)で買収することで合意したことを明らかにした。

買収額の内訳は、26億ドル(約2650億円)が現金、残りの4億ドル(約410億円)がアップルの株式で支払われる。買収は今年9月末までに完了する予定。

アナリストの一部は、これまでのアップルのハイテク技術取得に焦点を当てた企業買収戦略から大きく方向転換するものとして注目されると指摘している。ビーツはラッパーのドクター・ドレ氏と音楽プロデューサーのジミー・アイオビーン氏が中心となって、米プライベートエクイティ(PE)ファンドのカーライル・グループの参加(3.3%出資)を得て創業された企業として知られ、2013年度の売上高は11億ドル(約1120億円)となっている。また、傘下のビーツ・ミュージックは今年1月の事業開始以来、米国で25万人超の契約者数となっている。

アップルの株価は28日、0.26%安の624.01ドルで引け、その後の時間外取引では米東部時間の午後7時59分時点で0.09%高の624.59ドルと、やや値を戻している。

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ロシア鉄鋼大手エブラズ、蘭INGとドイツ銀行の協調融資獲得―対ロ制裁下

オランダ金融サービス大手INGとドイツ銀行は28日、欧米による対ロシア経済制裁が続くなか、ロシア鉄鋼大手エブラズに対し、期限5年の総額7億ドル(約710億円)のシンジケートローン(協調融資)をローンチした。モスクワ・タイムズ(電子版)などが伝えた。

シンジケートローン市場では4月に米国とEU(欧州連合)が対ロシア経済制裁を発動して以降、ロシア企業への融資は事実上、停止状態となっている。貸し出し市場でも西側の銀行はロシア企業へのエクスポージャー(債務残高)を減らしているのが実態。

銀行関係者は今回の協調融資について、25日に実施されたウクライナの大統領選挙で、ペトロ・ポロシェンコ氏が勝利したことで、今後はロシアに対する見方が改善し、ロシア企業への融資リスクやエクスポージャーへの懸念も緩和する可能性があると見ている。

エブラズがシンジケートローンを獲得したのは2010年11月にINGとドイツ銀行、ロイヤル・バンク・オブ・スコットランドが幹事となってローンチされた9億5000万ドル(約970億円)の5年ローン以来となる。

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ホンダ・ベトナム、今年度の自動2輪販売目標を200万台に引き上げ

ホンダのベトナム法人、ホンダ・ベトナムはこのほど、2015年度(2014年4月-2015年3月)の事業計画を明らかにした。それによると、自動2輪では、新たに10種類の新型モデルを市場に投入し、2015年度の自動2輪の販売台数を2014年度(2013年4月-2014年3月)の185万台から8%増の200万台(輸出含む)へ引き上げるとしている。2014年度の国内販売シェアは5.5%ポイント上昇の68%だった。

また、ベトナムを全世界向けの輸出基地として位置づけ、自動2輪の輸出先を世界22カ国に拡大し、輸出額も前年比166%増の2億4700万ドル(約250億円)の達成を目指すとしている。

現在、ホンダ・ベトナムでは、国内2カ所に生産工場を保有しているが、3番目の新工場が10月から操業を開始することで、自動2輪の生産台数は年間250万台体制となるとしている。

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スイス・ホルシムのインドネシア法人、増産投資などで180億円借り入れへ

スイスのセメント大手ホルシムのインドネシア法人、ホルシム・インドネシアは、リファイナンス(借り換え)と設備投資に必要な資金として、1億7500万ドル(約180億円)の銀行借り入れを検討している。ジャカルタ・グローブ(電子版)が27日に伝えた。

同社のケント・カーソンCFO(最高財務責任者)によると、今年11月に1兆1500億ルピア(約100億円)の債務返済期日が到来するため、この借り換え資金が必要になるとしている。この債務は親会社のホルシムが借りた1億9570万ドル(約200億円)の債務の一部。ホルシム・インドネシアの1-3月期決算では同社の総負債は6兆5300億ルピア(約570億円)で、これに対し、総資産は9兆0700億ルピア(約790億円)となっている。

また、調達した資金の一部は東ジャワ州トゥバンにあるセメント工場(第1工場のセメント生産能力は年間170万トン)の第2工場(同170万トン)の建設資金に充当したい考えで、第2工場は来年1-3月期から操業が開始される予定。(了)

The US-Euro Economic File代表

英字紙ジャパン・タイムズや日経新聞、米経済通信社ブリッジニュース、米ダウ・ジョーンズ、AFX通信社、トムソン・ファイナンシャル(現在のトムソン・ロイター)など日米のメディアで経済報道に従事。NYやワシントン、ロンドンに駐在し、日米欧の経済ニュースをカバー。毎日新聞の週刊誌「エコノミスト」に23年3月まで15年間執筆、現在は金融情報サイト「ウエルスアドバイザー」(旧モーニングスター)で執筆中。著書は「昭和小史・北炭夕張炭鉱の悲劇」(彩流社)や「アメリカ社会を動かすマネー:9つの論考」(三和書籍)など。

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