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一昨年のドラフト全体1位はマイナーリーグで開幕。今春最多7本塁打の選手も開幕ロースターに入れず

宇根夏樹ベースボール・ライター
ジャクソン・ホリデイ(ボルティモア・オリオールズ)Mar 15, 2024(写真:USA TODAY Sports/ロイター/アフロ)

 ジャクソン・ホリデイ(ボルティモア・オリオールズ)は、2022年のドラフトで全体1位指名を受けた。プロ2年目の昨年は、A→A+→AA→AAAと昇格し、計125試合で打率.323と出塁率.442、12本塁打と24盗塁、OPS.941を記録した。どのクラスでも、出塁率は.395を超えた。

 今春は、15試合で打率.311と出塁率.354、2本塁打と2盗塁、OPS.954。FOXスポーツなど、ア・リーグ新人王の筆頭候補に名前を挙げるメディアは、少なくなかった。

 けれども、ホリデイは、AAAで開幕を迎える。シーズン序盤に昇格すれば、今年の新人王となるチャンスはあるものの、今のところ、その可能性は低そうだ。

 レフトを守るコーナー・アウトフィルダーだった父のマット・ホリデイと違い、息子はミドル・インフィルダーだ。遊撃をメインとする。

 オリオールズの遊撃には、昨年の新人王、ガナー・ヘンダーソンがいる。二塁手には、昨年6月にメジャーデビューしたジョーダン・ウエストバーグが予定されている。

 ウエストバーグは、2020年のドラフト全体30位だ。メジャーリーグの68試合は、打率.260と出塁率.311、3本塁打と4盗塁、OPS.715ながら、昇格前は、AAAで67試合に出場し、打率.295と出塁率.372、18本塁打と6盗塁、OPS.939を記録した。

 三塁手のラモン・ウリーアスは、過去2シーズンとも、出場115試合以上でOPS.720未満だが、2022年にゴールドグラブを受賞しただけでなく、マイナーリーグ・オプションが切れている。ユーティリティのホルヘ・マテオも同様だ。

 オリオールズは、外野手のヘストン・カースタッドカイル・スタウアースも、開幕ロースターには含めない。カースタッドは、2020年のドラフト全体2位だ。スタウアースは、ドラフト1巡目ではなく、2019年の2巡目・全体71位だが、今春のホームランは7本。オニール・クルーズ(ピッツバーグ・パイレーツ)とともに、本塁打ランキングのトップに位置している。

 ちなみに、オリオールズは、2019年のドラフトで、スタウアースの前に、アドリー・ラッチマンとヘンダーソンの2人を指名した。それぞれの順位は、全体1位と2巡目・全体42位。ラッチマンは、レギュラーの捕手だ。

 外野には、左から右に、オースティン・ヘイズセドリック・マリンズアンソニー・サンタンダーが並ぶ。控えの外野手は、コルトン・カウザーライアン・マッケンナ、あるいはこの2人となりそうだ。一塁とDHには、ライアン・マウントキャッスルライアン・オハーンがいる。

 ラッチマンやホリデイら、今世紀のドラフト全体1位については、今月初旬にこちらで書いた。

「ドラフト全体1位の現在地。タイガースなど4球団に2人ずつ、エンジェルスにはモニアック」

ベースボール・ライター

うねなつき/Natsuki Une。1968年生まれ。三重県出身。MLB(メジャーリーグ・ベースボール)専門誌『スラッガー』元編集長。現在はフリーランスのライター。著書『MLB人類学――名言・迷言・妄言集』(彩流社)。

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