橋本マナミ氏が「踊る!さんま御殿!!」で述べた「初デートは7、8000円の飲食店でおごり」は妥当か?
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初デートの飲食店
<橋本マナミ「初デートは食事の予算で男を見る」発言で大激論>という記事で橋本マナミ氏の発言が賛否を巻き起こしていました。
女優の橋本マナミが、27日放送の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系/毎週火曜19時56分)に出演。男の見極め法について語る一幕があった。
橋本は男性との初デートの際、予約してくれたお店をグルメサイトでチェック。そこに目安として書かれている“平均予算”で男を見ると発言。これには司会の明石家さんまも思わず「それ、止めとけよ、それヤらしすぎるわ!」と声を上げる。
橋本氏がバラエティ番組「踊る!さんま御殿!!」で「男性との初デートの際には、予約してくれた飲食店をグルメサイトで調べて平均予算で男性を値踏みする」と発言したのです。
続けて次の発言も波紋を広げました。
だが橋本はその指摘はスルーし、「その金額が7、8000円ぐらいだとOK」と金額を設定。「男性のプライドとして、『ちょっとイイところに連れていきたいな』って思わせる女性でいたい」と主張した。
最初のデートでは7000円から8000円くらいの飲食店であればよいと述べたり、おごってもらうのが当然という態度だったりしたことから、明石家さんま氏や他の出演者から大きなリアクションがあったのです。
食べログを通して考察
橋本氏は番組中でグルメサイトとしてか述べていません。
しかし、飲食店の名前を検索して上位に表示されるのは食べログが圧倒的に多いので、おそらく食べログで確認しているのではないでしょうか。視聴者の反応をSNSなどで確認してみると、食べログを前提にして考えている方が多いようです。
したがって、橋本氏が食べログを見て平均予算を確認しているという前提で、考察を進めていきます。
食べログの予算
平均予算について補足します。
橋本氏は平均予算と述べていましたが、食べログでは平均予算は表記されていません。
最小「~999円」から最大「30000円~」の12段階に区切られた値段帯があり、レビュアーはいずれかを選びます。食べログでは、飲食店や店舗情報登録者が選んだ値段帯が「予算」として、最も多くのレビュアーが選んだ値段帯が「予算(口コミ集計)」として表示されます。
7000円から8000円の飲食店
橋本氏は平均予算が7000円から8000円の飲食店と述べていました。食べログの予算で該当するのはどのような飲食店でしょうか。
以下の点から考察してみます。
- 飲食店数
- 飲食店の特徴
- 評価
- 実際の予算
以降に掲載する数字はいずれとも、記事執筆時点でのものとなります。
飲食店数
世界で一番の美食の町は東京であるといってもよいでしょう。1900年から始まるフランスのミシュランガイドでも、東京は世界で最も星を獲得している都市です。
この東京にあるレストランを食べログで調べてみると135873店あります。ただ、橋本氏の発言を鑑みると、対象となる飲食店は、ラーメン店やファストフードなどのカジュアルな業態、パティスリーやおにぎりなどのショップ、お酒を中心としたバーでないことは明らかでしょう。
そこで、ジャンルを「レストラン」に絞ってみると、99357店が浮上してきました。
橋本氏は7000円から8000円と述べていましたが、食べログの予算帯では、その近辺に5000円、6000円、8000円、10000円しかありません。そのため夜で6000円から 8000円ということで調べてみると、3142店が絞り込まれました。
ここから考えると、東京のレストランで夜の予算が6000円から8000円の飲食店の割合は 3142 / 135873 となり、全体のおよそ2.3%の飲食店となります。また、8000円までという上限を撤廃し、6000円以上とだけ指定すれば7952 店となり、全体のおよそ5.9%にまで広がります。
東京にある飲食店のうち、予算が高い方から5.9%以内の飲食店は、初めて女性を連れて行く飲食店として妥当でしょうか。
割合を鑑みれば、20ある飲食店のうち1店舗を選ぶことに近いです。20ものファインダイニングの中から1店舗を決めるとなれば、グルメに興味のない人には辛いかもしれません。しかし、この数字には居酒屋チェーンや非常にローカル色の強い飲食店も含まれています。それを鑑みれば、もしも意中の女性と最初に訪れるのであれば、20の飲食店を吟味してほしいというのは、それほど法外な要求ではないのかもしれません。
飲食店の特徴
では、予算が6000円から8000円はどういった飲食店なのでしょうか。食べログの総合ランキングで並び替えてみると、上位10店は以下の通りとなりました。
- 鳥しき(焼鳥)
- スタミナ苑(焼肉)
- 鶯谷園(焼肉)
- おみ乃(焼鳥)
- 鳥さわ(焼鳥)
- ダム・ジャンヌ(ビストロ)
- 尾花(うなぎ)
- マノワ(フレンチ)
- OGINO Red&Green(フレンチ)
- 龍園(中国料理)
鳥しき、スタミナ苑、鶯谷園などは非常に予約の取りにくい飲食店であり、尾花も行列ができる飲食店です。マノワやOGINO Red&Greenはそこまで予約が取りにくいわけではありませんが、非常に個性が際立ったフレンチの老舗であると断言してよいでしょう。
上位に焼鳥が多いのは、この価格帯が焼鳥の最高峰であるがゆえです。したがって、フランス料理や日本料理、中国料理や寿司がないのは気にしなくても構いません。
こういった顔ぶれを見てみると、予算が6000円から8000円の上位店は、しっかりとした個性があって評価を得ており、コストパフォーマンスも高い飲食店が多いように思います。
評価
予算が6000円から8000円の飲食店の評価はどうなっているのでしょうか。
食べログで名店といわれているのは、全体の4%程を占める3.50点以上の飲食店です。予算が6000円から8000円の飲食店で、3.50点以上はどれくらいあるかを調べてみることにします。
総合ランキングで点数の順番に並び替えてみると、ページ送りができなくなる60ページ1200位の飲食店がちょうど3.50点となっていました。実際には60ページより先のページでも3.50点の飲食店はいくつかあるでしょう。
つまり、予算が6000円から8000円の飲食店3142店の中で、少なくとも1200店は3.50点以上であることを意味しています。割合は 1200 / 3142となり、38.2%を占めています。
そこまで高くない値段帯であるにも関わらず、3.50点以上の名店が38.2%も存在するのはなかなか優秀ではないでしょうか。
実際の予算
先に述べたように、食べログが記載されている予算は飲食店や登録者が選んだ値段帯であり、実際に食べログに投稿したレビュアーが選んだ値段帯ではありません。前者は「予算」、後者は「予算(口コミ集計)」と表記されています。
そして、ここが重要となりますが、ほとんどの飲食店においては、前者よりも後者の方が、1段階以上も値段帯が高くなっているのです。
つまり、飲食店や登録者が選んだ値段帯よりも、実際に訪れたレビュアーが選んだ値段帯の方が高くなっているのですが、どうしてかこの値段帯の違いが指摘されることはありません。
したがって、橋本氏が述べた6000円から8000円(テレビの発言では7000円から8000円)は、実際の予算ではもう1段階上の8000円から10000円になると考えられます。
最初のデートで、8000円から10000円くらいの飲食店を選ぶのは、世間的にみてどうでしょうか。
GMO AD MARKETINGによる<気になるあの子!初デートでいくらまでおごる?>という記事によると、初デートでご馳走してもよい金額で7000円以上の割合は、男性20代では15.3%、男性30代では19.3%、男性40代では24.8%となっています。
この結果を鑑みれば、8000円から10000円という飲食店でご馳走したいと思う男性は、決して多くありません。
ただ、橋本氏が女優であり、有名人であることを考えると、アンケート結果よりも多くの男性がご馳走してもよいとなることは確かではないでしょうか。
妥当かどうか
ここまで、橋本氏が述べた7000円から8000円の飲食店について、食べログで検証してきました。
この値段帯にはよい飲食店が多いことは確かですが、ゴージャスであったり、贅沢を極めていたりするわけでもなく、ファインダイニングであったり、美食家であれば誰しもが喜ぶ飲食店であったりするわけではありません。
ただ、決してカジュアルであったり、安かったりするわけではないだけに、少し背伸びした飲食店に連れて行ってもらい、初めてのデートで非日常な時を過ごしたいと思う女性にとっては、妥当と思える値段帯であるように私は感じます。