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【緊急調査】千葉県周辺では約1,800回の有感地震が発生!最も多い震源は千葉県東方沖

栗栖成之防災士ライター
気象庁

2月27日から29日にかけて、千葉県内で地震が連続して発生しています。日本は地震の多い国であり、1年間に1,000~2,000回もの有感地震(震度1以上)が発生するほどです。

1日あたりに換算すれば、なんと約5回の地震がどこかで発生していることに!

しかしながら、今回千葉県東方沖(ちばけんとうほうおき)を震源地する地震は、27日からカウントしても連続して10回も発生しているのです。

そこで、現在の状況を確認すべく緊急調査を行いました。

気象庁の震度データベースでは2月の地震は全国で254回

気象庁震度データベース検索
気象庁震度データベース検索

これは気象庁が提供している「震度データベース検索」にて、2月1日 00:00~2月27日 23:59までに発生した地震個所を表示したものです。

残念ながら現時点では28~29日に発生した地震はカウントされていないため、今回の調査対象である千葉県の地震は含まれていません。

それでも、2月だけで254回もの震度1以上の有感地震が発生していたのは驚きです!

因みに、凡例の数字はマグネチュードであり震度ではありません。またDepthの色は、震源の深さを示しています。

千葉県の地震!Yahoo!天気・災害 地震情報にて調査

Yahoo!天気・災害
Yahoo!天気・災害

Yahoo!天気・災害にて千葉県東方沖の地震発生履歴を確認すると、上記のように27日21:44ごろ~29日12:30ごろまで、連続10回の有感地震が起きていることが分かりました。その内、最大震度3の地震は29日に2回発生しています。

また、2004年からの20年間で「千葉県東方沖・北西部・南部」の3個所を震源とする地震は1,804回も発生!それぞれの震源における、過去10年間の地震発生回数と最新の発生日時、震度は次のようになっています。

  • 千葉県東方沖 1,256回 最新:2024年2月29日 12時30分ごろ 震度3
  • 千葉県北西部 410回 最新:2024年2月10日 21時40分ごろ 震度1
  • 千葉県南部 138回 最新:2024年2月18日 16時14分ごろ 震度2

特に多いのは千葉県東方沖を震源とする地震で、1,256回と他の震源と比較すると群を抜いて多いです。

各震源のデータは、こちらのYahoo!天気・災害から確認できます!

千葉県東方沖

千葉県北西部

千葉県南部

2月29日12時30分ごろの震度3の影響範囲

気象庁
気象庁

この画像は気象庁が公開している震度分布図で、2月29日12時30分ごろに発生した震度3の影響範囲を表しています。

これを見ればゆれの影響は、意外に広範囲であることがお分かりいただけるでしょう。

千葉県の地震の歴史を辿ってみた!

国土地理院【関東大震災特設サイト】わたしたちを待ち受ける大地震、100年前に起きた震災の教訓
国土地理院【関東大震災特設サイト】わたしたちを待ち受ける大地震、100年前に起きた震災の教訓

そこで今度は、千葉県内で発生した地震の歴史を辿ってみました。

参考文献は地質ニュース606号「千葉県の地震・活断層・津波」です。千葉県に被害をもたらせた地震としては、次の5つが挙げられています。

  1. 1677年:房総沖の地震 推定震度4
  2. 1703年:元禄関東地震 推定震度6~7
  3. 1855年:安政江戸地震 推定震度6
  4. 1923年:大正関東地震 推定震度6~7
  5. 1987年:千葉県東方沖地震 推定震度5~6

この内「1923年:大正関東地震」は、誰もが知っている関東大震災を引き起こした地震です。

震度計による地震のゆれの観測が本格化したのは、1995年に起きた阪神淡路大震災以降です。

それまでの震度は、気象庁の職員が自分の体感で決めていたとのこと。そのため上記の地震の震度は、全て「推定」としています。

ところで、これらの大地震が発生する間隔を計算すると「1~2:26年・2~3:152年・3~4:68年・4~5:64年」となり、1677年~1987年までの、地震発生平均年数は約62年です。

1987年:千葉県東方沖地震からカウントすると、2049年前後が次の巨大地震の目安となります。

今後千葉県内で、震度6以上の地震が発生する確率は27~100%

地震本部
地震本部

今度は、地震本部が公開している情報を確認してみましょう。

地震本部とは「1995年(平成7年)1月17日に発生した阪神・淡路大震災の経験を活かし、地震に関する調査研究の成果を社会に伝え、政府として一元的に推進するために設置された特別の機関です。

その地震本部の公開情報では、2020年を基準として今後30年以降に震度6弱以上のゆれに見舞われる確立は、27~100%とされています。

つまり遅くとも2050年までには巨大地震が起きるといえるため、先に計算した地震発生間隔も間違いではないといってよいでしょう。

首都直下型地震との関連は不明

photo AC
photo AC

今回の千葉県で多発している地震が、マグニチュード7クラスの巨大な直下型地震になるといわれている「首都直下型地震」と関連しているかは不明です。

気象庁や地震本部のサイトからも、関係する情報は発信されていません。

とはいっても、頻繁にゆれを感じている地域の方は、不安であることは間違いないでしょう。

万が一のために、地震への備えをしていた方が安心できます。今後、大きな災害が起きないことを祈るばかりです。

防災士ライター

これまで、洪水・土砂災害・地震・津波・高潮など、あらゆるハザードマップを作成。2017年に防災士とひょうご防災リーダーの資格を取得。2014年からWEBライターとして活躍し、現在では経験と資格を活かしてさまざまなメディアに多ジャンルにて記事を投稿中!

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