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12戦全勝11KOの新星ウエルター級

林壮一ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属
Stephanie Trapp/SHOWTIME

 2017年にハンブルグで催された世界大会で銅メダルを獲得したレウディス・ロハス(25)が、プロ転向後12連勝を飾った。11戦全勝オールノックアウトと、パーフェクトで我が道を進んでいたロハスだったが、今回の8回戦では判定まで縺れた。

 とはいえ、ジャッジの採点は、80-72、79-73、79-73の圧勝だった。

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 対戦相手のサウル・バストスは、フレディ・ローチが手塩にかけて育成中の29歳。昨年の10月29日に初黒星を喫しての再起戦だった。

 サウスポーのロハスは、ジャブと左フックで第1ラウンドからリングを支配した。4ラウンドには刺すようなジャブを喰らい続けたバストスの左目が腫れ始める。テレンス・クロフォードやジャロン・“ブーツ”・エニスとスパーリング経験のあるロハスは、5回に巧みなフェイントで、バストスのリズムを崩した。

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 オーソドックスのバストスは、6回から鋭い右を当てて活路を見出そうとする。しかし、同ラウンドの残り46秒、ステップインしたロハスの前足を踏んだバストスが左足首を捻る。レフェリーのエリス・ジョンソンは試合を止め、リングサイドの医師による診断を要請した。

 ファイトは続行となったがロハスは勢い付き、試合終了まで流れを変えることはなかった。

 

 カリフォルニア州サウスエルモンテ在住のバストスは最終ラウンドのゴングが鳴るや否やコーナーからロハス目掛けて突進したが、一連のコンビネーションを浴びた。耐久力に定評のあるバストスだが2連敗となり、戦績を15勝(8KO)2敗1分とした。

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 身長188cmと恵まれた体躯のロハスは、ネバダ州ラスベガス出身。現在は、テキサス州ヒューストンに住んでトレーニングしている。

 勝利を収めた後、彼は言った。

 「僕のジャブが本当に効いていたと思う。途中で、彼がプレッシャーをかけてきたので、仕留めなければと感じた。全ての相手をノックアウト出来るわけではないし、それを望んでもいない。ファンがKOを喜ぶ気持ちは分かるが、後のラウンドに向けた冷静さを保つ方法を学ばなければならない。自分はまだ成長過程にあるので」

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  CompuBoxによれば、ロハスは1ラウンドあたり平均52発のパンチを放ち、19発のパンチを命中させたのに対し、バストスは平均33発で、ヒット数は7。

 期待の若手サウスポーは、どこまで上れるか。

ノンフィクション作家/ジェイ・ビー・シー(株)広報部所属

1969年生まれ。ジュニアライト級でボクシングのプロテストに合格するも、左肘のケガで挫折。週刊誌記者を経て、ノンフィクションライターに。1996年に渡米し、アメリカの公立高校で教壇に立つなど教育者としても活動。2014年、東京大学大学院情報学環教育部修了。著書に『マイノリティーの拳』『アメリカ下層教育現場』『アメリカ問題児再生教室』(全て光文社電子書籍)『神様のリング』『世の中への扉 進め! サムライブルー』、『ほめて伸ばすコーチング』(全て講談社)などがある。

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