山口俊と契約したジャイアンツが「想定」する役割は…
トロント・ブルージェイズから解雇された山口俊は、サンフランシスコ・ジャイアンツとマイナーリーグ契約を交わした。解雇の直後に、日本プロ野球へ戻るだろうと書いたが(「山口俊の防御率8.06は、日本人メジャーリーガーのワースト記録ではなく…」)、その予想は見事に外れた。
ジャイアンツのビート・ライター、MLB.comのマリア・ガーダッドの記事によると、ベースボール運営部門のトップ、GMの上にいるファーハン・ザイディは、山口に先発の役割を競うチャンスを与えると発言したという。ジ・アスレティックのアンドルー・バッガリーも、ジャイアンツはスプリング・トレーニングで山口を先発投手として起用するつもりだとツイートしている。
ただ、山口と前後するように、アーロン・サンチェスが1年400万ドルでジャイアンツに入団し――報じられたのはサンチェスが先、正式な契約は山口が先だった――ローテーションの5人は確定した。ケビン・ゴーズマン、ジョニー・クエイト、アンソニー・デスクラファーニ、アレックス・ウッド、そして、サンチェスだ。
ローテーションを担う候補として、彼らの誰かと山口が横一線に並んでいる、ということはないと思われる。身も蓋もない言い方をすれば、山口は故障者が出た場合の「保険」だろう。スプリング・トレーニングで山口が好投しても、5人が揃って開幕を迎えることができれば、ローテーションの顔ぶれは変わらないはずだ。
もちろん、ローテーションに空きが出なくても、ブルペンの一員として山口がロースターに入る可能性はある。こちらは、ローガン・ウェブや、マイナーリーグ契約のニック・トロピアーノあたりが、ライバルとなりそうだ。左腕も含めれば、ケイレブ・バラガーもいる。いずれも、本来は先発投手。山口と同じく、ロング・リリーフやスポット先発もできる。