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年末年始は健康リスクが高まる意外な季節。3つの健康戦略を取り入れよう。

水野雅浩/健康マネジメント健康マネジメント専門家

こんにちは、健康マネジメントスクール、水野雅浩です。

『ビジネスパーソンの健康マネジメント』を中心に本の執筆、企業、行政、大学などで講師をしています。特にアラフィフは、ストレスも増え、年齢差が大きくなるステージ。ぜひフォローして、「攻めの健康マネジメント」にお役立てください。

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■健康リスクが高まる年末年始

年末年始は、誰しもが幸せを願う節目のシーズンだ。ただ、健康面では一層気をつける必要がある時期でもある。

なぜなら、おせちは、一見、健康を願う食材が豊富に見えるが糖質が多い。お餅や年越しそばも炭水化物の塊だ。また、日本食の特徴は保存が効くよう塩分を多く使用している。味覚を刺激されるから、お酒の量も増える。さらに、運動量もへり、代謝も悪くなる。健康を願いつつも、実は真逆な行動をとっている人が多いのだ。

分かっちゃいるけど、やめられない、というのが人間の性だ。ただ、少なくとも、まだ、理性のあるうちに、私達が置かれている現実を知っておこう。

□10人に1人が糖尿病の時代に

厚生労働省の「国民健康・栄養調査」によれば糖尿病が強く疑われる人の数は1997年以降増加傾向。2016年では1,000万人を突破。日本人の10人に1人が糖尿病という時代に。

我々の食事は、糖質を上げる食事に囲まれている。ごはん、うどん、パン、ラーメン、パスタ、スナック菓子、清涼飲料水、スイーツ、菓子パン、アイスクリームなどなど、糖質爆弾に囲まれている。

血糖値が上がると、結局のところ、何がよくないのだろうか?血糖値が急激に上がると、血管の内部を傷つける。そこが炎症を起こし、かさぶたになる。動脈硬化になる。余った糖質は中性脂肪となり体脂肪になる。いいことは一つもない。

私は新卒から10年間介護サービスをしてきた。糖尿病は合併症を引き起こしやすく、病院通いも増え、日常生活もままならず人間の尊厳が音を立てて崩れていく現実を目の当たりにしてきた。過剰な糖質は、健康リスクをあげるのだ。

□日本人の線分摂取量はWHO推奨の、なんと2倍!

さらに塩分の摂取量を見てみると、2016年の調査では、食塩摂取量の平均値は約10g。WHOでは塩分摂取量の目標値を5g未満に設定している中、日本人は極端に多いことがわかる。塩分が過剰になると、血圧があがる。高血圧は、動脈硬化につながる。

本来、理想の血管は茹でたてのマカロニのようにぷるぷるの状態だ。しかし、加齢や高血圧により、乾燥した脆いマカロニ状態になる。これが、脳や心臓の血管でダメージを受けると、命の危険にすら及ぶ。

1年のうちで最も、脳疾患や心疾患で命を落とす人が多いのは年始の1月だ。寒さに加えて、高血糖、高血圧が重なるためだ。その原因は、年末年始の過ごし方にあると言っても過言ではないだろう。

■健康ケアの3つの健康戦略

では、どうすればよいのか。予防医学の視点からは、多種多様にやることがあるが、ここではシンプルに3つの提案をしたい。

□お野菜で糖質と塩分対策

野菜には食物繊維とカリウムが含まれる。食物繊維は、糖質の血糖値の上昇を穏やかにしてくれる。また、カリウムは、塩分の排出を促進してくれる。好きなものから食べるのではなく、健康ケアをするガードマンであるお野菜から先に食べよう。

□お酒マネジメントでリスク低減

適量の飲酒で心筋梗塞や脳梗塞の発症リスクがさがることが分かっている。これは、適量の飲酒はHDLコレステロールを増やし、血管を固まりにくくする作用があるため。一方で、過度の飲酒は、血液を固まりやすくすることがわかっている。結果として心筋梗塞や脳疾患のリスクをあげてしまう。

厚生労働省では、100%のアルコール10g=1ドリンクとして男性4ドリンク、女性2ドリンクとしている。一例としては、1ドリンク相当は缶酎ハイ1/2。焼酎1杯。ワイン1杯。日本酒0.5合、ウイスキーシングル1杯。参考にして欲しい。

□食後の散歩で、糖質抑制

食後は、どうしても血糖値が上がる傾向にある。しかし、食後、少し歩くことで血糖値の急上昇を防げることが分かっている。

食事をしたあとに、「寒い中歩きたくない」「牛のようにゴロゴロ寝ていたい」というあなたの心の声は届いている。ただ、発想を変えて「気持ちの良い夜風にあたる」としてみたら、どうだろうか。お酒で火照った体をクールダウンするにも、腹ごなしをする上でも、ちょっと外にでて夜風にあたるとこの上なく気持ちが良い。

人間には「作業興奮」という作用があり、何かきっかけがあると、その行動がトリガーになり、作業が継続できる。つまり、夜風にあたることをきっかけとして、そのまま10分ほど散歩してみよう。気持ちが良いし、体と心の健康に良いことこの上ない。

振り返ると、この1年も激動の時代だった。来年も同じように誰も予想できないことが起こるだろう。その時に頼りのなるのは、己の健康だ。健康が上があれば、何があっても、再起動できる。体やメンタルを壊すと再起動すら難しくなる。良い一年を迎えるためにこそ、年末年始を健康で乗り切るための戦略を持とう。

健康マネジメントスクール

水野雅浩

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■プロフィール
健康マネジメントスクール 水野雅浩

https://healthylifepj.com/

1975年生まれ 福岡県在住 予防医学の専門家。健康経営アドバイザー。講師・作家。『グローバルで勝つ!太らない疲れない7つの習慣』はAmazon総合ランキング1位。香港の勤務時代に、食事・睡眠・運動・ストレスケア・サプリメントに気を使い仕事のパフォーマンスを上げるビジネスパーソンを目の当たりにして、日本のメタボサラリーマンとの差に愕然とする。その後、某大手外資系企業のサプリメント商品開発責任者として10年歴任。しかし、サプリメント以前に、日本では健康習慣の基礎の啓蒙が必要と痛感。健康マネジメントの専門家として、企業・大学・行政で講師として啓蒙に力を入れている。

■講演実績
【企業】富士通株式会社、東レ株式会社、株式会社麻生グループ、株式会社中外製薬、アクサ生命保険株式会社、三菱商事株式会社、JR西日本グループ、株式会社大日本印刷、コカ・コーラボトリング株式会社、大塚製薬株式会社、ネスレ日本株式会社、Huawei Technologies Co., Ltd.北日本銀行、鳥取銀行、日本海新聞社、岩手日日新聞社、京都ホテルオークラ、とりねつ株式会社、ソルネット経営コンサルティング、税理士法人中央総合会計事務所、北斗工業エンジニアリング、一般社団法人日本パーソナルブランド協会、株式会社ホーマス・キリンヤ【労働組合】全トヨタ労働組合連合会(119社)、豊田自動織機労働組合 【行政】鳥取県、宮崎県、福岡県、岩手県など 【大学】台湾大学 【塾】公文など多数

■保有資格
日本成人予防協会一級健康管理指導員(認定番号H35366)/健康経営アドバイザー 認定番号3000092)東京商工会議所/健康マスター検定エキスパート・普及認定講師 認定番号E1400471/健康美容情報認定協議会 健康美容アドバイザー認定講師/日本ダイエット協会 ダイエットプロフェッショナルアドバイザー/JADP認定 生活習慣病予防アドバイザー/サプリメントアドバイザー(認定番号H35366)/米国NLPコーチング研究所 NLPプロフェッショナルコーチ

健康マネジメント専門家

健康マネジメントスクール代表。作家・講師。予防医学の専門家。健康経営アドバイザ-。『グローバルで勝つ!30代の太らない疲れない7つの習慣』はアマゾン総合1位。企業・行政・大学で「仕事のパフォーマンスを上げる健康マネジメント」、学習塾で「子供の成績を上げる食事・睡眠習慣」をテーマに講師。著書に『親子で作る健康習慣「本番力」で受験に勝つ』がある。中央大学法学部卒業後、介護サービスに携わり10年間、人の老化と向き合う。その後の香港勤務では海外のビジネスパーソンらが実践する健康投資を目の当たりにする。日本に帰国後、12年、外資系ヘルスケア企業で商品開発の責任者を担う。1975年生まれ。福岡在住。

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