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宮城県 西に進む台風8号により大雨のおそれ 雨のピークは台風接近前の26日(月)か

小杉浩史気象予報士 / ウェザーマップ所属
25日(日)正午気象庁発表 台風8号の予想進路図(提供:ウェザーマップ)

真夏らしい晴天と暑さが続いている宮城県ですが、現在日本の南東の海上には台風8号があります。

この台風の影響であす26日(月)は晴天から一転して次第に荒れた天気になる見込みです。特に雨のピークは台風の接近より前になる可能性が高く、早めの備えが必要です。

いびつな太平洋高気圧により西へ進む台風

通常本州付近に接近する台風は、南の海上では東から西に向かって進み、その後は大きくカーブを描いて西から東へと進みます。

(気象庁ホームページより)
(気象庁ホームページより)

ところが今回の8号は通常とは逆のカーブを描いて東→西という進路で本州に接近してきます。

これは現在、太平洋高気圧が通常とは異なるいびつな形をしているためです。

台風は太平洋高気圧の縁に沿うように進みます。通常は日本の南の海上に太平洋高気圧があるため、その縁に沿うように南の海上では東から西へ、本州付近では向きを変えて西から東へと時計回りに進みます。

通常の台風の進路(著者作成)
通常の台風の進路(著者作成)

ただ今年の太平洋高気圧は、日本の南ではなく東の海上で強い状態が続いています。(このため梅雨明けの順番も平年とは大きく異なり四国が最後になりました。)

25日(日)朝の上空の太平洋高気圧の様子(提供:ウェザーマップ)
25日(日)朝の上空の太平洋高気圧の様子(提供:ウェザーマップ)

現在、全国的に晴天が続いているのは、この夏の高気圧の一部が切り離されて日本付近にあるためですが、あす以降はこれが東に退きつつ太平洋高気圧の “本体”とつながるようになります。

26日(月)の上空の太平洋高気圧の予想(提供:ウェザーマップ)
26日(月)の上空の太平洋高気圧の予想(提供:ウェザーマップ)

台風はこの縁に沿うようにしか進めませんので、日本の南東にいる台風8号は北にも東にも行けず西=本州の方向へと進んでくる見込みです。言わば、今晴天をもたらしている高気圧のせいで台風が東からやって来ると言えるでしょう。

宮城県 台風接近前に雨のピーク

台風8号は、沖縄に接近した6号ほど発達はしませんが、周辺の湿った空気の影響で雨雲はまとまってきています。

25日(日)正午 気象庁発表の台風8号予想進路図と衛星赤外画像(提供:ウェザーマップ)
25日(日)正午 気象庁発表の台風8号予想進路図と衛星赤外画像(提供:ウェザーマップ)

特に台風中心の北側に大きな雲の塊があり、この雨雲が台風の反時計回りの風によってまずやってくるため、宮城県では台風接近前に雨のピークを迎えそうです。

宮城県においては、あす26日(月)の昼頃から雨が降り出し、夕方に雨のピークを迎える予想です。一時的に土砂降りの雨が降り、大雨となる所もあるでしょう。

その後も台風周辺の湿った空気によって28日(水)にかけてダラダラと雨が降り続き、雨の量が多くなるおそれがあります。

26日(月)夕方の雨の予想(提供:ウェザーマップ)
26日(月)夕方の雨の予想(提供:ウェザーマップ)

27日(火)正午の雨の予想(提供:ウェザーマップ)
27日(火)正午の雨の予想(提供:ウェザーマップ)

28日(水)正午の雨の予想(提供:ウェザーマップ)
28日(水)正午の雨の予想(提供:ウェザーマップ)

総雨量は台風の進路によって大きく異なってくるためまだ断定的なことは言えませんが、気象庁の発表している数字ではあす朝~あさっての朝で100~150ミリになり、その後も雨量が増えていく予想です。仙台の7月1か月の雨量が平年で約180ミリですので、およそひと月分の雨が数日で降ってくるような所もありそうです。土砂災害や川の増水などに警戒をしてください。

28日(水)21時にかけての72時間降水量の予想(提供:ウェザーマップ)
28日(水)21時にかけての72時間降水量の予想(提供:ウェザーマップ)

また台風の接近に伴って沿岸部を中心に風が強まり、波も高くなる見込みですので暴風・高波などにも警戒をしてください。

気象予報士 / ウェザーマップ所属

東京都出身。大学卒業後、会社員やフリーターなどを経て、2012年に気象予報士を取得。2015年からミヤギテレビにて気象キャスターとして出演中。趣味はバイクに乗ること、目標は「宮城の天気と言えばこの人!」と言われること。南東北の北東から、天気の怖さと面白さをお伝えします。

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