今冬の特徴は「最低気温が高い暖冬」
暦の上では大寒
令和2年(2020年)は、暦の上では、1月20日から立春の前日である2月3日までが「大寒」です。
「大寒」は一年で一番寒いとされていますが、令和2年(2020年)は比較的暖かい日が続いています。
関東地方では、南下した寒気の影響で日中の最高気温が上がらないために寒く感じる日がありますが、朝の最低気温がそれほど下がっていません。
これは、日本の南海上に前線が停滞し、雲が多いために放射冷却が起きにくいからです(図1)。
真冬に多い西高東低の冬型の気圧配置ではなく、晩冬に南岸に前線が停滞する菜種梅雨時のような天気図になっています。
停滞前線上に低気圧が発生して通過する時に雨や雪が降ることがありますが、雪が降っても「春を告げる雪」です。
東京では、26日の日曜から28日の火曜にかけて連日雪の可能性があるとの予報になって最高気温が平年を下回りますが、最低気温は下がっても平年並み、ほとんどの日は平年より高い予報となっています(図2)。
西日本は記録的な暖冬
月末から始まる札幌雪まつりで雪不足が懸念されているように、北海道でも暖冬となっています。
今冬の寒気は、北海道までは南下して来ることは来るのですが、例年より寒気そのものが弱く、最低気温が平年より高い日が続いています(図3)。
これに対し、西日本や沖縄では例年のように寒気が南下しないため、最低気温だけでなく、最高気温も下がって平年並みで、ほとんどが平年より高い日が続いていますので、記録的な暖冬となっています(図4)。
暖冬の影響で農作物の生育が進み、野菜の価格が下がっていますが、その反動で本来の出荷時期には品不足も懸念されます。
スキー場が雪不足で営業できなかったり、冬物が売れなくなるなど色々な影響が出ています。
ゴルフ場の営業が延びるなど暖冬によるメリットもありますが、「平年並みに冬は冬らしく、夏は夏らしく」というのが一番良さそうです。
タイトル画像の出典:ウェザーマップ提供。
図1の出典:気象庁ホームページ。
図2、図3、図4の出典:気象庁資料とウェザーマップ資料をもとに著者作成。