天気からみた8月11日「山の日」
今月23日、2005年以来9年ぶりに祝日法が改正され、8月11日が「山の日」となりました。2年後の2016年から施行されます。海の日があるのならば、山の日も、という安易な考えには首をかしげますが、気兼ねなく休める日が増えるという意味では有意義なのでしょう。
ここでは、天気から8月11日「山の日」を考えてみたいと思います。
8月11日はどんな日?
最近10年の8月11日の天気を調べてみました。
予想したとおり、日本列島全体が厳しい暑さに見舞われています。昨年(2013年)は東京の最低気温がとうとう30℃を下回らず、熱帯夜という言葉ではもの足りないほどの猛烈に暑い夜を経験しました。
例年の夏は7月下旬に梅雨が明け、日に日に暑さが厳しくなり、8月上旬から中旬に暑さのピークを迎えます。海や山へと気持ちが勇み立つのも、天気が大きく影響しているからでしょう。よほどのことがない限り、8月11日が肌寒くなることはありません。
一方で、夏山につきものなのが雷雨です。長野地方気象台の雷日数をみると、8月が最も多く、気象台の観測に限らず、避暑地があるような山間部では毎日、必ずといっていいほど、夕立があります。夏の猛暑と雷雨は切り離せない関係といえます。
また、夏の高気圧(太平洋高気圧)が偏って張り出し、湿った空気が流れ込んだ場合は雷雨が大規模になる可能性があり、2012年は各地で1時間100ミリを超える猛烈な雨が降りました。
8月11日上陸台風はひとつだけ
最後にもうひとつ、台風はどうでしょうか?
夏山シーズンが7月、8月の2か月とすれば、できれば台風の影響が小さい頃が「山の日」の候補になってもよかったはずです。
8月、9月というのは台風シーズン真っただ中、とくに8月下旬は台風の上陸数が最も多いときです。では、台風の上陸が少ない7月上旬、中旬はどうかというと、梅雨末期の大雨があり、夏山には向かない天気です。
そうなると、選択肢が少なく、ほとんど消去法で考えるしかないのですが、わずかに8月上旬は台風の上陸が少なくなる傾向があります。たぶん、太平洋高気圧が強いので、猛暑をもたらす半面、台風を寄せ付けないのでしょう。過去60年あまりで、8月1日、3日、7日は一度も台風が上陸したことがありません。「山の日」選定基準に台風の上陸日があってもよかったかもしれませんね。
なお、8月11日に上陸した台風は1960年の台風11号(高知県室戸岬)だけです。
8月11日の天気キーワード「きわだつ猛暑、油断するな雷雨、もしかして台風」
【参考資料】
気象庁「過去の台風資料」
デジタル台風:台風画像と台風情報