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波乱づくめのCLに、3-4-3の台頭。ペップとナーゲルスマンの諸刃の剣。

森田泰史スポーツライター
パリ・サンジェルマン対ライプツィヒの一戦から(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

戦術のトレンドは、日々、変化する。

2019-20シーズンのチャンピオンズリーグは、波乱に満ちた展開となっている。決勝トーナメント1回戦でリヴァプールとレアル・マドリーが敗れ、準々決勝でバルセロナとマンチェスター・シティが敗戦した。

新型コロナウィルスの影響でフォーマットが変更され、準々決勝以降は一発勝負となっている。それが結果に反映されているのは言うまでもない。1試合で決着をつけるからこそ、番狂わせが起きやすいのだ。

ただ、ここでは、戦術的な要素にフォーカスする。とりわけ、注目したいのは3-4-3(可変式含む)の台頭だ。

■3-4-3

【3-4-3】の使い手。その筆頭はライプツィヒである。

ライプツィヒは今季のCLで決勝トーナメント以降トッテナム、アトレティコ・マドリーを破ってベスト4進出を果たした。ユリアン・ナーゲルスマン監督の評価は日を追うごとに高まっている。

ライプツィヒのフットボールで、鍵を握るのはダヨ・ウパメカノだ。

【3-4-3】の3バックの中央に入るウパメカノは、ビルドアップの能力が高い。ディフェンスの選手でありながらドリブルとパスが上手く、それがチームの円滑な球出しを助けている。

ライプツィヒの343
ライプツィヒの343

アトレティコ戦では、ナーゲルスマン監督の戦術が的中し、ウパメカノの長所が最大限に生かされた。

アトレティコは【4-4-2】を基本布陣としている。そのアトレティコのプレッシングに対して、ウパメカノが相手の2トップの中央を割る。

中盤に侵入するCBのウパメカノ
中盤に侵入するCBのウパメカノ

これにより、対戦相手のプレスの第一ラインを突破できる。それだけではなく、DFの選手が中盤に侵入することで、ミドルゾーンで数的優位をつくれる。

中盤の数的優位
中盤の数的優位

■マンチェスター・シティの例

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スポーツライター

執筆業、通訳、解説。東京生まれ。スペイン在住歴10年。2007年に21歳で単身で渡西して、バルセロナを拠点に現地のフットボールを堪能。2011年から執筆業を開始すると同時に活動場所をスペイン北部に移す。2018年に完全帰国。日本有数のラ・リーガ分析と解説に定評。過去・現在の投稿媒体/出演メディアは『DAZN』『U-NEXT』『WOWOW』『J SPORTS』『エルゴラッソ』『Goal.com』『ワールドサッカーキング』『サッカー批評』『フットボリスタ』『J-WAVE』『Foot! MARTES』等。2020年ラ・リーガのセミナー司会。

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